用語集さ行

スコアリング(業者選定)

複数の制作会社やシステム会社を比較検討する際、評価項目ごとに点数化して客観的に選定する手法です。

コンペ(競合プレゼン)の評価フェーズで実施し、社内向けに「なぜこの業者を選んだのか」という組織として説明可能な意思決定の根拠を作ることが最大の目的です。(※最低限「項目・配点・採点者・採点根拠・合計点」をファイルとして残します)

評価項目の設定と「重み付け」のコツ

コスト(価格)だけで決まらないよう、信頼性や提案力に重みを置いた配点にするのが鉄則です。

  • 配点例:課題理解度(25 点) / 提案内容(25 点) / 体制・実績(20 点) / 価格(15 点) / 担当者の質(15 点)。
  • その他の評価軸:契約形態(完成責任を負う「請負」か、作業に対する「準委任」か)、NDA(秘密保持契約)や著作権の扱い、SLA(サービス品質保証)など。

※近年は「業界トレンドを継続的に共有してくれるか」といった『伴走力』を評価に加えるケースも増えています。

業者への「事前開示」が質を上げる

作成した配点表は、RFP(提案依頼書)を配布する時点で業者側に開示しましょう。「自社が何を重視しているか」が伝わるため、業者側の提案の質が上がり、選定の透明性も担保できます

初心者が陥りがちな「5 つの落とし穴」

  • 後付けのスコアリング:提案を見た「後」から評価シートを作り、特定の業者を勝たせるための恣意的な(ズルい)配点にしてしまう。
  • 価格の罠:提案内容がボロボロなのに、価格の項目だけで満点を取ってしまい、合計点で勝ってしまう(価格の配点比重が高すぎる失敗)。
  • 経営層への忖度:点数が一番低い業者なのに、「社長の知り合いだから」と無理やり理由をつけて救済してしまう。
  • 採点者が 1 人だけ:担当者 1 人の主観で点数をつけてしまい、客観性が担保されない。(必ず複数人で採点し、評価をすり合わせるのが基本です)
  • 根拠がブラックボックス:合計点だけがエクセルに残っており、「なぜこの点数をつけたのか」のメモ(採点根拠)がなく、後から誰も検証できない。

言葉をよく利用する人

  • Web 担当者(発注側)
  • プロデューサー
  • ディレクター
  • 経営層
  • 法務 / 契約担当

会話上での使用例

RFPの配点表を業者に開示するかどうかを社内で議論する場面

  • プロデューサー
    業者のスコアリング表って、社内秘にしておくものですか。
  • Web担当者
    うちのやり方では、配点は開示する方針でいきましょう。事前に評価軸が分かると業者側の準備の質が上がりますし、選定結果の透明性も担保できます。
  • Web担当者
    最終的な配点は公開して、各社の採点根拠だけ社内で保管する、という形がバランスいいと思います。

提案評価会議で経営層が点数の低い業者を一押しした場面

  • 経営層
    点数は低かったけど、A社にしないか。社長同士も仲がいいしね。
  • Web担当者
    スコアリングの結果を覆すのは構わないんですが、その判断は意思決定マップに残させてください。
  • Web担当者
    価格や実績以外で何を重視したのかを一行でも記録しておかないと、あとで誰も理由を再現できなくなってしまうので。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 3-4 提案評価の進め方