意思決定マップ
サイトの企画や運用の各場面で、「誰が」「どんな基準で」「何を決めるか」を整理した可視化マップです。プロジェクト管理で使われる「RACI チャート(誰が実行し、誰が承認し、誰に相談し、誰に報告するかを定義する表)」の軽量版にあたります。
最大の目的は「役員のちゃぶ台返し」を防ぐこと
基本となる考え方は、プロジェクトのキックオフ時に「決め方を決めるというメタ合意(ルールのルール)」を最初に作ることです。誰が決めるか曖昧なまま走り出すと、後になってから「やっぱり変えたい」「聞いていない」という出戻りが発生し、膨大な時間と費用を失います。意思決定マップは、進行を早くするためではなく「致命的な事故を防ぐための道具」です。
マップに含めるべき 5 つの項目
- 意思決定の対象:デザイン方向性、コピー、公開可否、予算追加など。
- 決裁者・関係者:担当者、上長、経営層、法務など(不在時の代理人も決めておく)。
- 判断基準:CV 改善、ブランドとの整合性、コスト、法的リスクなど(「気分」や「印象」といった曖昧な言葉は避ける)。
- 合意プロセス:チャットの口頭 OK で進めるか、正式な稟議が必要か。
- 所要時間の目安:即日、3 営業日、月次会議など。
現場で陥りやすい「落とし穴」
- 作って満足し、ファイルが死蔵される。月次レビューなどで運用に組み込んで初めて意味を持ちます。
- 人事異動のあとに更新されず、古い決裁者の名前が残っている。
- 外部の制作会社(業者)に共有していない。業者が「誰の OK をもらえば次に進めるのか」が分からず、プロジェクトが停滞する原因になります。必ず関係者全員に共有しましょう。
言葉をよく利用する人
- Web 担当者(発注側)
- ディレクター
- プロデューサー
- 経営層
会話上での使用例
キックオフで業者と承認の進め方をすり合わせる場面
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業者ディレクター
デザインの承認は、どなたのOKをもらって進めればいいでしょうか。
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Web 担当者
意思決定マップをお渡ししますね。トップのメインビジュアルだけ役員確認が必要で、それ以外は私の判断で進められます。役員確認は事前にメールを回して、翌週月曜の定例で正式に決まる流れです。
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業者ディレクター
助かります。役員確認用に別途資料が必要でしたら、五営業日前までに教えてください。
デザインが役員の段階で差し戻された事故を振り返る場面
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プロデューサー
今回、役員確認の直前で全部やり直しになってしまいました。次は防ぎたいです。
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Web 担当者
意思決定マップを見直して、役員のチェックを一段階前、色を決める前のラフの段階に挟む形に更新しましょう。手戻りを減らすには、決める人に早めに関わってもらうのが一番効きます。