第1章 Lesson 1-1 / 読了 約12分

Web担当者の役割とは何か — 「利益を生むWebコミュニケーション」を管理する人

この記事でわかること

  • Web担当者の仕事とは何か
  • Web担当者と関わりの多い人たち
  • 初手で失敗しがちな勉強方法
  • 今後に役立つファーストステップ

「Web担当者を任されたけれど、いったい何をすればいいのか分からない」。 そう感じて不安を抱えている人に、まずこの記事を読んでもらえれば、自分がどんな役割でどんな事をしていけばいいのかが見えてくるので、安心できるようになるはずです。

1. Web担当者の仕事とは

もし Web担当者の仕事を一言で表すなら、「Webコミュニケーションによる自社への貢献」であると言えます。 ここで重要なのは、「Webサイト」ではなく「Webコミュニケーション」だという点です。 Web担当者はWebサイトのことを見ていれば良いというわけではなく、SNS や外部サイトでの PR や連携も含めた、Web戦略全体を管理する必要があります。 そして、ただWebコミュニケーションをしていれば良いわけでもなく、それが自社にとって有益でなければいけません。 これが、Web担当者のお仕事です。

Web担当者の仕事は、Web サイト単体ではなく、SNS や外部連携も含めた Web コミュニケーション全体で自社に貢献することだと示した図解

これからWeb担当者になる方や、なったばかりの方は、「Web担当者」と聞くと「自分でもWebサイトを作れないといけないのではないか」「デザインができたり、HTML が書けたりしないといけないのではないか」と思う方も多いかもしれません。 しかし一般的に言えば、Web担当者は「Webサイトを作る人」ではありません。 Webサイトそのものを作るのではなく、Webサイトやそのコミュニケーションを作り上げるために関係する人たちを管理する、いわば自社のWebコミュニケーションの指揮者のような存在なのです。

Webに関わる仕事だから「もっとクリエイティブな仕事」だと思ったかもしれません。 もちろん、さまざまなクリエイターと関わることも多く、クリエイティブな側面もあります。 ですが Web担当者自身が手を動かすわけではなく、状況を判断し、社内を調整し、プロジェクトが円滑に進むよう各方面との調整を行う。 それがWeb担当者の使命であり、役割なのです。

2. Web担当者と関わりの多い人たち

業務的に捉えると、Web担当者が関わるのは「デザイナー」や「プログラマー」のような人たちだと想像するかもしれません。 ですが実際に関わるのは、それほどクリエイティブに寄った人たちばかりではありません。 以下に挙げるのは一例ですが、Web担当者がお仕事をするうえで関わりの多い人たちです。

2-1. 顧客(ユーザー)

サイトを通して最も多く関わるのが、顧客(ユーザー)です。 問い合わせフォームや SNS でコメント・質問をもらったり、こちらから新着情報やキャンペーンを発信したりと、日々やりとりが生まれます。 新規・既存のお客様はもちろん、これから応募してくる採用候補者も、サイトを見て会社を知る「ユーザー」の一人です。 Web担当者は、こうした声を受け取り、必要な情報を届ける窓口になります。

2-2. 社内の各部署(広報・法務・商品開発・営業など)

Webサイトやそこに載せる情報は、Web担当者だけで用意できるものではありません。 掲載する中身の多くは、広報・法務・商品開発・営業といった社内の各部署が持っています。 新商品の説明は商品開発や広報と、表記や規約まわりは法務と、キャンペーンは営業と、それぞれ相談しながら形にしていきます。 こうした社内調整こそ、Web担当者の主戦場のひとつです。 誰がどの情報を持っているかを把握し、必要なときにすぐ引き出せる関係を作っておきましょう。

2-3. 制作ベンダー(営業・ディレクター)

サイトの制作・改修をお願いする制作会社(制作ベンダー)も、関わりの深い相手です。 制作ベンダーと関わる際、デザイナーやプログラマーと直接やりとりするケースは稀です。 初期のアプローチや見積・請求書の管理などは営業が行い、実際にプロジェクトを進行する窓口はディレクターが担当します。 そのため Web担当者は、やりたいことや目的をディレクターに伝え、見積や進行を擦り合わせます。 良いディレクターと良い関係を築けるかどうかが、制作の成否を大きく左右します。

2-4. Webサービスベンダー(営業・サービス担当)

サイトの運用には、さまざまな外部の Web サービス(ツールや SaaS)を利用することが多いです。 複雑なシステムを自社で用意すると膨大な開発費が発生するため、月額や年額などで利用できるサービスを使います。 例えば、サーバCMS、アクセス解析、フォーム、予約・決済、メール配信などが、利用されやすい外部サービスです。 これらを提供する Web サービスベンダーの営業・サービス担当も、Web担当者がやりとりすることになります。 費用対効果を考えながら、慎重にサービスを選ぶ判断力が求められます。

2-5. 広告ベンダー(営業・担当)

集客のために Web 広告を出す場合は、広告ベンダー(広告代理店や運用代行)とのやりとりが発生します。 リスティング広告や SNS 広告の出稿、予算配分、広告クリエイティブ(バナーLP など)の用意、効果のレポートなど、営業・運用担当と相談しながら進めます。 広告は媒体やクリエイティブで成果の変化が大きいため、担当者に任せきりにせず「何にいくら使って、どんな成果が出ているか」を自分自身でも説明できる状態にしておくことが大切です。

このように、Web担当者は社内外のさまざまな人たちと関わります。 自分で手を動かしていては、とても業務を回せません。 Web担当者は、こうした周囲の人たちをつなぎ、まとめる調整役としての側面が強いのが実態です。 「こんな時には誰と話せばよいのか」を把握しておくと、プロジェクトをスムーズに進められるようになります。

Web担当者が経営層・各部署・制作会社・広告ベンダーなど社内外のさまざまな関係者をつなぐ調整役であることを示した図解

3. Webサイトにおける3フェーズ

Webサイトには大きく 3 つのフェーズがあります。 それぞれのフェーズで、Web担当者の仕事や関係者との関わり方も変わるので、ざっくりと理解しておきましょう。

3-1. 新規構築

これからWebサイトを立ち上げるフェーズです。 これは自社のサービスを紹介するサイトだけとは限りません。 例えば採用サイトなどは、自社サービスサイトとは独立した Web サイトとして立ち上げることも多いですし、EC サイトなども独立したサイトとして立ち上げることがあります。 つまり、自社サービスを紹介するサイトがすでにあっても、新規構築の機会はあるのです。 新規構築では「これから誰と・何のために繋がるのか」を設計するところから始まります。 目的の言語化、ターゲットの定義、業者の選定、契約、要件定義、デザイン、コンテンツ準備、公開、運用設計 — 一連の流れを通して見ることになるので、学ぶことは多い一方、経験は最も濃く残ります。 本書の第 2 章〜第 5 章は、このフェーズで役立つ情報を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

3-2. 運用

すでにWebサイトが動いていて、それを磨き続けるフェーズです。 既存のコミュニケーションを観察して、改善し、更新を回し、解析を読み、業者と相談する。 地味ですが、サイトの価値は「公開後の運用」で決まると言っても過言ではありません。 本書の第 6 章〜第 8 章が、このフェーズの中心になります。

3-3. リニューアル

過去のコミュニケーションを棚卸しして、もう一度設計し直すフェーズです。 新規構築と運用の、ちょうど両方の知識が必要になります。 「なぜ今のままではダメか」を言語化できないと、リニューアルは失敗しやすくなります。 リニューアルについては Lesson 2-6 で深掘りしますが、本当にリニューアルをすべきか、更新や調整でも良いかの判断は、Web担当者の仕事の中で最も重い判断の一つになります。

今はどのフェーズにいますか? フェーズに合わせて必要な行動も異なるので、それぞれで正しい考え方を身につけ、各フェーズを適切に管理できるようになりましょう。

Web サイトの 3 フェーズ(立ち上げ・運用・リニューアル)と、各フェーズで必要な行動・考え方を整理した図解

4. 「作らない」は「関わらない」ではない。Web担当者の関わり方

4-1. 「作る人ではない」=「作る人にお任せ」ではない

本書では、度々 「担当者は作る人ではなく、成果を引き出す人」 という言葉が出てきます。 この言葉は「作ることは制作にお任せしておけばいい」「制作のことは知らなくていい」という意味ではなく、 「Web担当者は、モノを作る時間を、本来のWeb担当者としての役割に割くべき」という意味で使っています。 幹を育てるべきなのに枝葉ばかりに手をかけてしまい、木が大きく育たない、というようなものです。

但し中小企業の現場では、規模や予算の関係上、Web担当者自身が CMS の軽微な更新、画像の alt 記入、公開前の動作確認、解析データの確認、AI への指示出しなどをする方が利益的な場合があります。 作る作業のすべてを外注化できるかどうかは、社内体制や Web が生み出す利益の規模感によって異なってきます。

では、Web担当者として何までをすべきなのか、どう判断したらよいのか。 そこを切り分けるための考え方を、次に説明します。

4-2. 役割を 4 つに分ける

Web制作の現場で起きていることを、次の 4 つの役割に分けて考えてみます。

  • 作業:実際に手を動かすこと。作ったり、更新したり、分析やドキュメントを作ったりが該当します。この作業は、担当者・業者(ベンダー)・AI など、ほぼすべての関係者が担います。
  • 判断:内容や方向性を決めること。進めていく中でいくつもの選択肢に出会いますが、何を選ぶべきかを決断します。自社における独自性や自社らしさ、対応の優先順位などは、常に担当者が中心となって実施する必要があります。
  • 承認:公開してよいかを最終判断する役 — 常に担当者。承認には責任が伴います。
  • 責任:成果・トラブル・予算超過の説明責任 — 常に担当者。社内に対して説明する役です。

ポイントは、「作業」は分担できるが、「判断・承認・責任」は分担できないという点です。 作業は分担可能なので、軽微な更新を Web担当者が行っても良い場合はあります。 但し「何を選ぶべきか」「これを公開していいか」「出てきた結果に責任を持つ」、これらは担当者から離すことはできないと認識しておく必要があります。

Web 制作の 4 つの役割(作業・判断・承認・責任)。作業は分担できるが、判断・承認・責任は常に担当者が持つことを示した図解

4-3. 自身で手を動かすことが利益的なのかで考える

4-1 でも触れたように、分担できるのは「作業」だけです。 その作業を Web担当者自身がやるか、業者や AI に任せるかは、「自分でやる方が利益的かどうか」で判断します。 軽微な更新を自分でサッと直した方が早くて安いならやればいいし、品質やスピード、機会損失まで考えて任せた方が得なら任せる。 「やる / やらない」を一律で決めるのではなく、案件ごとに損得で見極めるのがコツです。 但し注意点として、同じ作業を中途半端に自分でやったり業者にやらせたりすると、担当範囲が曖昧になって管理が煩雑になります。どちらが担うかのルールは明確にしておきましょう。

さらに、これはあくまで「作業」の話です。 「判断・承認・責任」は、自分でやる方が利益的かどうかに関係なく、常に担当者が持ちます。 この構造は、第 8 章 Lesson 8-1「承認には責任が伴う」、第 9 章 Lesson 9-2「越権しない」でも繰り返し出てきます。 そのたびに「作業は損得で分担、判断・承認・責任は手放さない」と思い出してください。

4-4. 「判断」には 3 つのレイヤーがある — 担当者単独 / 専門家と擦り合わせ / 専門家に委ねる

「判断の主担当は担当者」と言っても、判断の難易度はバラバラです。 全部を担当者一人で背負うと潰れますし、全部を専門家任せにすると役割を放棄したことになります。 難易度で 3 レイヤーに切り分けて考える と、現実的に運用できます。

レイヤー 1:担当者単独で判断 OK

日常の運用判断、軽微な改修、コンテンツのトーン、業者との日常的なやりとり、公開前の最終 OK、月次の数字確認 — このあたりは担当者一人で決めて構いません。 本書の多くの章は、このレイヤーを担当者が育てるためのものです。 「自分の判断で進めていい範囲」を持っているかどうかが、現場での動きやすさを決めます。

レイヤー 2:専門家(業者・社内専門家・外部コンサル)と擦り合わせて判断

サーバ選定(EC・会員制・決済が絡む案件)、業者選定(大型・複数業者統括)、SEO 戦略、広告予算配分、AI ツール選定、デザイン方向性、リニューアル可否 — これらは一人で抱え込まず、専門家との対話の中で最終判断を下します。 担当者が判断軸を持って業者・専門家と対話し、最終判断を下す、というのがここでの動き方です。 本書の各 Lesson が想定する「業者と相談する」「コンサルに上申する」場面は、ほとんどがここに集まります。

レイヤー 3:専門家に判断を委ねる(担当者単独で決めない)

法務判断、セキュリティ判断、契約の法的妥当性、規制業種の表現範囲、個人情報の越境移転、知的財産・著作権の判定、税務・会計判定 — このあたりは、担当者単独で結論を出してはいけません。 担当者の役は「専門家に上申する」「専門家の判断結果を運用に反映する」「専門家への質問を整理する」ところまでです。 本書でも、Lesson 2-1Lesson 3-5Lesson 9-2 などで繰り返し「担当者単独で判断しない」領域として登場します。

「すべてを担当者単独で判断する」も「すべてを専門家任せにする」も、どちらも避けてください。 レイヤーで切り分けるのが、組織人としての現実解です。 自分が今扱っている判断はどのレイヤーか、を毎回確認する習慣。 これが本書を通じて育てたい「判断力」の核です。

5. Webの知識は、知り過ぎも知らな過ぎも失敗の元

Web担当者の知識量には、「足りなさすぎ」と「持ちすぎ」という両端の落とし穴があります。本書で繰り返し出てくる「両端の罠」の、最初の例です。どちらに転んでも失敗につながります。

5-1. 知識が足りないと、業者(ベンダー)と対等に渡り合えない

Web の知識が足りな過ぎると、「業者に言われたままの仕様や見積を鵜呑みにする」「専門用語に圧倒されて中身がわからないまま話が進んでしまう」「コンペにしても費用以外での選定基準を持てない」という状態に陥ります。 その結果、選定した業者でプロジェクトを進めてみたら「こんなはずではなかった…」という状況に陥りやすくなります。 発注先を選ぶ判断は、Web担当者の仕事の中でも特に重い判断の一つです。 第 3 章で詳しく扱いますが、ここを外すと、その後数年の運用がずっと厳しくなってしまいます。

5-2. 知り過ぎてしまうという過信と不信

こちらは意外と気付きにくい罠です。 前提として、どんなに知識を身につけても、日々その道で学び続けている専門家にはかないません。 ところが業者の中には知識の薄い担当者もいて、そういう人に当たると「業者には任せられない」「自分の方が詳しい」と思い込みやすくなります。

これが 過信不信 です。 本当はしっかりした業者と知識の薄い業者の見分けがつかなくなり、結果的に中途半端な自分の知識だけでプロジェクトを進めてしまう。 これは知識不足と同じくらい、いや、自覚しにくいぶん危険な行為です。

5-3. Web担当者にとって必要なWeb知識のレベルとは

では、どのくらいの知識があればよいのか。 結論として、本書で扱う基本が身についていれば十分です。 自分でコードを書ける必要はありません。 そのうえでプラスαとして、自社サイト特有のやり方や仕様、運用ルールを理解しておくと、業者とのやりとりがぐっとスムーズになります。 本書の基本に、自社固有の事情を重ねる。この 2 つを押さえることを目指してください。

6. 最初の 1 ヶ月でやっておきたいこと

Web担当者を任されて最初の 1 ヶ月、何から手をつけるかで、その後半年の動きが大きく変わります。 やることが山ほどあるように見えるかもしれませんが、本書では、今後 Web担当者として活動しやすくなるファーストステップをご紹介します。

6-1. 与えられた業務をこなす

当然ですが、Web担当者として配属されて、しばらくの間は勉強していてよい、という環境はほぼありません。 OJT などで、自身に課せられる業務は増えていきます。 これは最低限やらなければいけないことなので、効率よくこなしていきましょう。 そのうえで、次の 2 つを理解することで、Web 業務に対する質を高められるようになります。

6-2. Web の基本的な仕組みを覚える

まずは「Web というものが、どんな仕組みで動いているか」の全体像を掴むことです。 ドメインとサーバの関係、HTML / CSS / JavaScript が何をしているか、CMS とは何か、スマホでの見え方はどうなるか — このあたりが頭に入っていないと、業者の説明が右から左に抜けてしまいます。 本書の第 1 章を順に読み切れば、必要な基礎は揃います。 1 週間あれば足りるはずです。

6-3. 現行サイトがどう成り立っているかを把握する

もう一つの宿題は、自社の現行サイトの「成り立ち」を把握することです。 いつ、誰が、どんな目的で作ったのか。 今のドメインは誰が管理しているのか。 更新権限は誰が持っているのか。 どの業者と契約していて、どんな範囲を任せているのか。 数字はどうなっているのか。

これを聞き取って、ドキュメントにまとめてみてください。 驚くほど社内の誰も全体像を把握していない、という事実に気付くはずです。 そして、そのドキュメントが、今後の判断のすべての出発点になります。

7. 「現行サイトを把握する」具体的な 3 ステップ

「現行サイトを把握する」を、もう少し具体的な手順に落とします。次の 3 ステップで進めると効率的です。

7-1. 契約情報を集める

まずは、「契約情報」を集めてください。 集める対象は、ドメインの管理元、サーバの契約先、制作会社の連絡先、更新権限を持っている人、支払い先と支払いサイクル。 驚くかもしれませんが、これだけの情報が社内で散らばっていて、誰もまとめていない、という状況は本当によくあります。 最初のうちは、ここをまとめるだけでも十分に価値を発揮できます。 可能であれば、それぞれの契約先がどんな役割を担っていて、どんなことをしているのかもまとめておきましょう。

7-2. サイトマップを確認する

次に、サイトマップを確認します。 もし用意されていなければ、自分で作ってみてください。 サイト全体を一覧で見渡せるようにすると、このサイトが何をしようとしているのか、どんな情報で構成されているのかがよくわかります。 ページの抜け漏れや、目的のはっきりしないページにも気付けます。

7-3. 課題を確認する

最後に、現行サイトの課題を確認します。 これは主に、関係者へのヒアリングで集めます。 前任者や経営層、現場の担当者などに「今のサイトで困っていること・不満」を聞いてみてください。 課題が見えてくると、現行サイトが次に進むべき方向も自ずと見えてきて、「これからどういうことをしていけばいいのか」が掴みやすくなります。

テンプレ DL:現行サイト棚卸しシート(本書のテンプレ集に収録予定)

8. 着任直後にやってしまいがちなNG行動

Web担当者になったことで、ついつい気合が入り過ぎてやってしまいがちな NG 行動をご紹介します。

8-1. サイト全体を一新する

着任早々は気持ちもフレッシュで、新しい取り組みをしたくなります。 現行サイトが他社と比べて古臭く見えてしまうと、ついついサイト全体をリニューアルしたくなったりもします。 但し、現行サイトには現行サイトまでの経緯があります。 リニューアルは、良い部分も含めて一新してしまう可能性が高いため、自分の心機一転に合わせて進めるのではなく、その根拠も踏まえられるようになってから検討するようにしましょう。

8-2. 技術的な学習に時間を費やしてしまう

役割のところでも触れましたが、Web担当者がコードを書いたり、グラフィックを作ったりすることはほぼありません。 それよりも、やるべきことが多いからです。 せっかく Web に関わるのだから…と技術的な学習に時間を費やすと、本来覚えるべきことに使う時間が削られてしまい、バランスの悪い Web担当者になってしまいます。

8-3. 知り合いの業者に一新する

業者を再選定すること自体は、悪いことではありません。 但し、現行の業者はこれまで自社をサポートしてくれたパートナーであることを忘れてはいけません。 これは感情的な問題ではなく、それだけ自社を理解していて、作業フローも最適化されているということです。 なんとなくという理由で知り合いの業者とコンペにしてみるだけでも、現行の業者との関係にヒビが入り、悪化してしまうこともあります。 業者を変更・比較する行為は、慎重に行うようにしましょう。

9. 本記事の最後に — 本書の活用方法

まずは、Lesson 1-1 を最後まで読んでいただきありがとうございます。 この Lesson 1-1 は、Web担当者がどのような業務を行うのかを全体的にまとめた、入口の入口のような内容です。 次の Lesson からは、具体的な内容を深掘りしながら説明していくフェーズに入ります。 情報量も膨大になってくるため、次のように考えながら読み進めると、吸収しやすく活用しやすいので、ぜひ実践してください。

9-1. 見出しから自分の知っていることを棚卸しする

次の Lesson に進む前に、まず 見出しにざっと目を通し、それぞれのテーマについて「自分はどう考えるか」を先にまとめてみてください。 そのうえで本文を読み、自分の考えと 違うところ・同じところ を見つけていくと、ただ読むよりも理解がぐっと深まります。

9-2. まずは序盤(第 1 章)を適当に流し読みする

本書はボリュームもあります。 いきなりすべてを丁寧に読もうとせず、まずは基本となる第 1 章を 軽く流し読み して、全体の雰囲気と基本を掴むのがおすすめです。 細部は後から、必要になったときに読み返せば十分です。

9-3. 繰り返し読みやすい環境を整える

本書は一度読んで終わりではなく、実務で困ったときに何度も引き出して使うものです。 ブックマークしておく、スマホに転送しておく など、いつでもすぐ開ける状態を整えておくと、いざという時に頼りになります。

9-4. 分からない事は相談する

本書は、筆者に気軽に相談できる のも特徴です。 読んでいて分からないことや、実務で悩ましいことが出てきたら、ひとりで抱え込まず、気軽に筆者へ相談してみてください。