ヒアリング(インタビュー)
事例制作や原稿制作のために、顧客や社員から話を聞き出す取材作業です。Web 制作では、導入事例コンテンツ、採用ストーリー、社員紹介、サービス紹介の素材を集める場面で多用します。広義には、RFP(提案依頼書)作成前の社内ヒアリングやユーザー観察、コンサルティングの初回面談までを含みます。
Web 担当者が担う「橋渡し役」の重要性
最も押さえておきたいのは、発注側の Web 担当者が「外部ライター・業者」と「取材対象者」の橋渡し役になることです。外部の業者は、業界の専門用語や社内の微妙な人間関係を知りません。そこへ内情を知る自社担当者が「先ほどの〇〇とは、こういうことですよね?」と補足・通訳に入ることで、業者だけでは引き出せない裏話や深いエピソードを引き出すことができます。
事前準備の実務と「ストーリーを引き出す」フレームワーク
1 回のヒアリングは 60〜90 分が標準です(これを超えると相手の集中力が切れ、良いコメントが出なくなります)。
- 準備の鉄則:質問項目を 10〜15 個に絞り、事前に共有して「相手が過去を思い出す時間」を作ること。他にも、場所(会議室・オンライン)の確保、録音・録画の許諾取り、機密情報の取り扱いルールの事前合意が必須です。
質問の順序:以下の物語構成を意識した順序で聞くと、あとでそのまま魅力的な原稿に落とし込めます。
- Before:導入前の課題や、入社前の苦悩
- Turning Point:検討のきっかけ、出会い
- Action:導入時の壁と、どう乗り越えたか
- After:導入後・現在の具体的な成果や変化
- Insight:振り返って得た教訓、今後の展望
現場で多発する痛い落とし穴(失敗談)
- ぶっつけ本番の悲劇:質問項目を事前共有せず、取材対象者が「えーっと…」と考え込んでしまい、表面的な回答しか得られず時間が終わる。
- 取材中の主導権争い:ライターと自社担当者の役割分担(どちらがメインで回すか)が不明確で、取材中に発言が衝突して相手を困惑させる。
- コンプライアンス事故:機密情報(具体的な売上数字や他社名など)の扱いを事前に合意しておらず、そのまま原稿に出てしまい後から大揉めする。
- 「きれいごと」だけの無味乾燥な記事:相手の言葉を綺麗な体裁に整えすぎた結果、生々しい苦労や本音が消え、誰の心にも刺さらないコンテンツになる。
- アフターフォローの欠如:録画許諾を取り忘れる、あるいは取材後のお礼や原稿確認のフローを設けず、社内や顧客との関係が冷え込んでしまう。
言葉をよく利用する人
- ライター / コピーライター
- Web 担当者(発注側)
- ディレクター
- 広報
- マーケター
会話上での使用例
事例先への取材を業者と分担する場面
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業者ディレクター
事例先へのヒアリングはライターが伺います。担当者の方は同席という形でお願いします。
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Web 担当者
承知しました。質問項目は事前に共有しておいて、進行はライターさん主導で。私は橋渡し役として、社外の方からは聞きにくい社内事情や営業の裏話を補足する役回りにまわります。録画の許諾も先方に取っておいてください。
取材で出てきた機密情報の扱いに迷った場面
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ライター / コピーライター
お客様が、実は競合の X 社と並行で検討していた、とおっしゃっていたんですが、書いていいでしょうか。
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Web 担当者
それは原稿には書かないでおきましょう。先方の許諾も取れていない領域です。ヒアリングで出た生の情報は背景理解にとどめて、原稿は許諾を取れた範囲だけで構成しましょう。