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企業のWEBサイト担当者向け学習方法

企業のWEBサイト担当者向け学習方法

今年からウチの会社のWebサイト運営担当者になったんですけど、まだWebの事が全然わからなくて…
どうやって勉強していけば良いんだろう?

こういう思いをされている方は多く、当社でもお仕事をご一緒させていただくとよくいただくご質問です。

業務的なことは、その企業やチームによって対応の仕方が異なったり、考え方そのものも違う事があるので、まずはそのプロジェクトでの業務に慣れていただくしかないのですが、Webの一般知識という面ではWeb担当者ならではの学習方法があります。

この学習方法を誤ると、Web担当者ではなく制作者のようになってしまう可能性があります。
制作できるくらいのレベルになれるならそれに越したことはないと思うかもしれませんが、本来、Web担当者の方には、制作をしている暇がないほどにやることがたくさんあるはずです。そのため、気が付いたら制作者になってしまっていた場合はWeb担当者としては失格という事になります。

そのため、Web担当者には学習した方が良い事と、学習しなくて良い事のすみ分けが重要になります。

本記事では、Web担当者の方が学習した方が良い事、学習しなくて良い事を理由と合わせご紹介させていただきます。

目次

WEBサイト担当者が学ぶべきこと

学ぶべきことは、どのようなサイトを運営するかによっても異なります。そのため、本項目では、Webサイトを運営する担当者として最低限身に着けておいた方が良い事をご紹介させていたただきます。

Webサイトの役割

Webサイトとは、どんな役割を持っているのか。この問いに答えられる方は、Webサイトを運用していくうえで道を外れることはありません。逆にWebサイトの役割をしっかりと理解していない場合、Webサイトではできないような事や非現実的な目標を掲げてしまい、Webサイトの運用方針を誤ってしまいます。

企業において、Webサイトはどんなことができて、どんなことができないのか。またどんなことをしなければいけないのかという大前提を元に、Webサイトにおける目標を設定し、PDCAを回していくのがWebサイト運用における基本となります。

Webサイトの種類

Webサイトといっても、その役割や形によって様々な呼び名があり、その呼び名で会話をすることも多いため、Webサイトの種類は覚えておいた方が良いかと思います。

  • コーポレートサイト
  • ECサイト
  • LP
  • サテライトサイト
  • メディアサイト(Webマガジン)
  • シングルサイト
  • ポータルサイト

このあたりは、名称とざっくりとした役割を覚えておくと制作担当者などとの会話もスムーズかと思います。

Webサイト制作の流れや更新方法

Webサイト制作における流れは一通り覚えておきましょう。制作するWebサイトや会社などによっても多少異なる部分もありますが、大まかな流れはそれほど変わりません。

  • どの工程で
  • 誰が
  • どの程度の労力をかけて
  • 何をしているのか

までを大まかで良いので理解しておくと、制作をスムーズに進行できるのと、それぞれの工程の費用感を読みやすくなります。

Web集客方法

Webサイトは作っただけではなかなかアクセスされることはありません。そのためにはアクセスされるように集客する必要があります。集客方法は制作会社によってはまったくのノープランなこともあるので、制作依頼する側が集客方法を率先して検討しなければいけないことがあります。

特にWeb広告に関しては、制作とは別で予算を抑えておく必要もあるので、費用管理の面でも把握し、Web広告によってどれだけの効果が期待できるのかを知っていないと、費用対効果が非常に悪い形になってしまう可能性があります。

また、Web広告以外でもSEOなどで、googleなどから検索して訪問してくるユーザーに対する最適化を行う事も重要です。

SEOに関しては、ただ検索順位の上位化を行う事という間違った考えを持つ制作会社もいるので、SEOの正しい知識を身につけておかなければ、誤った方向へ進んでしまう事もあり得るので注意が必要となります。

HTMLの概念

Webサイトは基本として、htmlというコードが書かれたファイルで成り立っています。そのhtmlをサポートするようなものとしてCSSやJS(Javascript)があります。このhtmlやCSS、JSを書けるようになったり作れるようになったりする必要はまったくありません。ざっくりと、それぞれのファイルがどんな役割をしているのか、htmlにはどんな事を書いているのかを知る程度で大丈夫です。そうすることで、コードを見ただけで拒絶反応してしまうような人でも、抵抗感がなくなってhtmlと付き合っていけるので良いのではないかと思います。

Web制作関連のデータ形式

Web制作においては色々なデータをやり取りします。画像ファイルだけでもJPG、GIF、PNG、WEBP、SVG、TIFF、BMPなどが挙げられます。それぞれのファイルにはそれぞれの特徴があるので、制作側から画像データの支給を求められたときに、どんなものを渡せばよいのか理解せずに渡してしまうと、スムーズな進行を止めてしまう事になります。

もちろん、Web制作業界でも10年に1回扱うかどうかというようなファイルを扱う事もあるので、そういうものは、都度インターネットで調べるというのでも問題ないと思います。まずは基本的なWeb制作で利用するデータ形式に関して、ある程度の知識をつけておくという程度で良いのではないかと思います。

サーバやインターネットの仕組み

サーバやインターネットの仕組みを知るというのは抵抗感の強い人も多いのではないでしょうか?筆者も、この分野は参考書を開くと眠くなります。

Web担当者の方の場合は、ホントに大雑把な仕組みを知る程度で全く問題ありません。

サーバってどんなものなのか、どうやってWebファイルを送っているのか、どうやって見られているのか(アクセスされているのか)などと合わせて、ドメインとDNSの関係などを知っているというくらいでも問題ありません。

企業のWebサイトにはテストサーバやステージングサーバが用意されているケースも多いため、それぞれがどんな役割で、どんなデータ移行が成されているのか知っているとより良い運用管理ができるのではないかと思います。

アクセス解析ツールの見方

Webサイトには基本的にアクセス解析ツールを入れています。そうすることで、Webサイトのアクセス状況を把握することができます。企業のWeb担当者であれば、Webサイトにおけるアクセス状況と成果の報告は欠かせない業務になると思います。

そのため、アクセス解析ツールの閲覧方法はしっかりと理解しておく方が良いと言えます。

Web業界の流行ワード

業界のトレンドワードは「なんとなく知っている」という程度でも問題ありません。

ただ、まったく知らないというのは避けたいところです。知らなくても困らないことも多いのですが、トレンドワードは新しい技術や手法だったりもするので、今後のWebがどう変わっていくのか、どう便利になっていくのか想像させるので、Web運用が楽しくなるという一面もあります。

とはいえ、トレンドワードに振り回されてしまって、まだ未完成な技術や施策に対して「そうしなければいけない」と思い込んでしまうと間違った対応をしてしまう事もあるので、あくまで嗜む程度にしておくことをお勧めいたします。

WEBサイト担当者が学ばなくて良い事

学ばなくて良い事としていますが学んではいけない事ではありません。付け加えて、運営しているWebサイトや運用チームの構成などによっては学ばなければいけない場合もあります。

これはあくまで、筆者が20年以上Web業界でWeb担当者の方々を見てきたうえでの見解です。
その会社やそのチームがそれを学ばなければいけないのであれば学んでください。

踏まえた上で、ご参考にしていただければと思います。

デザイン

Web担当者の方が誤って学んでしまいがちなのが「デザイン」です。もちろん、学ぶことは自由なので、好きなのであれば個人的に学んでいただく事はまったく問題ありませんし、デザインの基礎的なところは知っておいて損もありません。

ただWeb担当者として学んだ事を活かすことは難しいかもしれません。

デザインというものを理解するのは時間がかかるので、生活の中にそれなりの時間を割かなければ得られるものではありません。
そのため、Web担当者として重要なことは、デザインを判断する事にあります。

そして、そのデザインの良し悪しは、ターゲットユーザーの視点から見て、施策に応じた印象や行動をユーザーに与えられるかどうかです。どんなにキレイなグラフィックであろうと、この目的を達成できないのであれば、悪いデザインという事になります。

Web担当者は、デザインに対して率直に
「商品の魅力が伝わらない」
「安っぽく見える」
「バランスが気持ち悪く感じる(違和感が気になって情報が入ってこない)」
などが伝えられれば大丈夫です。
その内容によって、担当ディレクターやデザイナーが話を掘り下げ、どういう方向性に修正していくべきなのかを話し合えれば良くて、Web担当者が「どうすれば良いデザインになるのか」を考える必要は全くありません。
「どうすれば良いデザインになるのか」を考えるのはデザイナーの仕事であり、デザイナーがそれを放棄するのであればデザイナーを変えるべきです。

但し、伝えたことに対して、ディレクターやデザイナーが詳細を引き出そうと色々と質問してくることに対して、回答することを放棄してしまったり、言っていることがその時その時で変わるようでは、いつまでも良いデザインは出来上がらないので、筋の通った意見を伝えていくことは非常に重要です。

Webサイトの作り方

Webサイトに対して勉強しようとすると、参考書にはWebサイトの作り方が書いてあるので、ついついWebサイトの作り方を覚えようとしてしまって、上記のデザインを含め、デザイン制作ソフトの使い方やhtmlの書き方などを覚えようとしてしまいがちです。

大前提として、制作会社や制作担当者が別途いる場合は、Web担当者として作り方を覚える必要はありません。制作会社や制作担当者とコミュニケーションを取りやすくするために概念を覚えておけば大丈夫です。

下手に作り方を覚えてしまうと、ついつい自分でやれそうなことを自分でやってしまいます。
そうすると本来の業務プラスアルファでの仕事をしなければいけなくなります。しかも、制作手法にもトレンドがあるのでそういうトレンドを追い切れていれば良いですが、追い切れずに古いやり方で作り続けてしまうと、どこかで運用に不自由さを強いてしまう可能性もあります。
せっかく、運用を円滑にしようと自身で作業したのに逆効果になってしまう事があるという事です。

もちろん、好きで覚えるのは問題ありませんし、制作が出来てはいけないというわけではありません。
ただ、Web担当者には制作よりもやることはたくさんあるので、制作はできる限り制作会社や制作担当者に任せて、Web担当者としては成果物を判断する側に回るようにしましょう。

主な学習方法と特徴

Web担当者としてのいくつかの学習方法をご紹介させていただきます。
あくまで一例としてご参考にしていただければと思います。

アドバイザーをつける

一番のお勧めはこれです。これ以上に良いものは早々ないと思います。
というよりは、正直なところ、この記事のオチがここです。

なぜなら、筆者は多数の顧客へWeb運用に関する勉強会を実施しております。
お話しさせていただく内容は、Web担当者としてどのくらいの知識を必要とするのか、どんなWebサイトを運用されているのかによってカスタマイズした内容をお伝えしています。

リモート会議を利用して、週1回 1時間 3か月程度(計12時間程度)対応しています。

企業でも個人でもご相談に乗れますので、まずが気軽にご連絡いただけますと幸いです。

と、こんなオチではご納得いただけない方も多々いらっしゃると思いますので、他の方法も記載させていただきます。

トレンド情報サイト

WEBトレンドは曖昧な情報も多く、すぐに移り変わります。ちょっと前までは「今はSNS広告だ!」みたいな情報が流れていたのに、気が付けば「SNS広告は売上に影響しない!」みたいな情報が流れ始めたりして「どっちなの?」となるような情報も多々あります。そのため、覚えた方が良い事でもお伝えした通り「知っている」程度に留めることをお勧めします。

踏まえた上で、Web担当者の方にピッタリなトレンド情報サイトを3つご紹介させていただきます。

Web担当者フォーラム

まさしく名前の通りで、Web担当者のための情報がぎっしりと詰まっています。記載されている記事もある程度の方がわかるように優しい内容になっているので、最初は難しいと思う事もあるかもしれませんが、すぐに慣れてスッと読めるようになると思います。

マーケジン

マーケジンはマーケティング全体のお話ですが、WEBに絡む記事も多く掲載されています。大手企業の施策情報などが多いですが、世の中の動きを見るという意味合いでは、WEBの活用方法のトレンドが掴みやすいサイトです。

ウェブ担当者通信

比較的、中小企業にも当てはめやすい、WEB担当者向けの情報を発信しています。ただ、現在、一般のWEBサイトでの発信頻度は高くないので、バックナンバーなどを見ながら過去の基本情報として学ぶのに良いかと思います。プレミアム会員になると更に深い情報を提供してもらえるようです。

書籍

書籍での勉強をする人は非常に多いのではないかと思います。インターネットの情報と違い誤情報が少ないので、間違った情報を掴みにくいというメリットがありますが、トレンド系やアップデートの激しいサービスツールなどの書籍の場合、書籍が出版されても、すぐに変わってしまう事があるというのと、広い範囲での学習になってしまいやすくWeb担当者としては不要な範囲まで学んでしまうというデメリットもあります。
そのため、基本的なところを中心に軽く読み流すというレベルでも良いかもしれません。

書籍に関しては「おすすめの書籍はありますか?」というご質問もよくいただきます。
これに対しては「ありません」とお答えさせていただいています。
私が良いと思った書籍はその人にとって良い書籍だとは限らず、その人にとって良いと思った本であっても、本当にハマるかどうかはわかりません。
強いて言うなら、自分にとって読みやすい書籍が「おすすめの書籍」です

大きな本屋さんなどのマーケティングコーナーやITコーナーなどで最初の方だけ読んでみて「面白そう」と思った本、「これは役に立ちそう」と思った本が、おそらくは今読むべき本です。

セミナー

筆者自身も、新米の頃はたくさんのセミナーに行っていました。

但し、セミナーの内容自体がものすごく役に立つというケースは非常にレアケースです。

セミナーで話される内容は、参加者に特化したものではなく、基本的には講師やその運営企業の商品やサービスに即したツール紹介を含んだお話になりがちです。内容自体、役立つもの多いかもしれませんが、昨今では、調べようと思えば調べられる内容なので、わざわざセミナーに出向くという価値をしっかりと検討する必要があります。

たとえば

  • 他の参加者と知り合ってWeb担当者の仲間を見つける
  • そういうイベントに参加することで自身のモチベーションを上げる
  • 有名人(有名な講師)と繋がりを作る

あたりにはセミナーの参加価値があると思います。

youtubeなどの動画

昨今では、筆者もyoutubeなどで情報を拾う事も増えてきました。ただ、Web制作関連ですと、現状はなかなか良いものが見つけにくく、特にWeb担当者向けのモノはそれなりに難しいように思います。

筆者もWeb担当者向けにyoutube動画を作成しようと検討したこともありましたが、やはり、対象のWebサイトや制作体制などによって言えることが変わってしまうので、万人に向けるようなyoutubeは難しそうだと考え、棚上げになっています。

それでも、SEO関連では、よくできているものが多いので、1つご紹介させていただきます。

keywordmapというSEOツールのサービスの紹介の一環ではありますが、それにしても参考になることを惜しみなくお話しされています。但し、Web担当者としては少しディープかもしれません。

実践に勝る学習なし

これを言ってしまっては…。と思うかもしれませんが、必要な学習内容はその業務の中にあります。都度調べながら業務を動かすことは、最も効率的な学習方法です。ただ、何かが起こってから調べたりするので後手に回りやすいのと、日々の業務に忙殺されてしまうとトレンドのようなものは目にしなくなってしまいがちなので、実践はあくまでアウトプットとして、インプットは上記のような学習方法を主体とすることをお勧めいたします。

まとめ

Web担当者にとって大事なことは、自身の企業やサービスの売上を向上させるためのツールとしてWebサイトを運用し、自社のサービスをどのように伝えれば、よりユーザーに伝えることができて、商品を手に取り、購入に至ってもらえるのかを考えることにあります。そのため、細部となる「作り方」までを学習しようとしてしまうと、大事な「売り方」に注力できなくなってしまいます。

餅は餅屋という言葉もありますが、制作者は制作者のすべきこと、Web担当者はWeb担当者のすべきことを理解し、Web担当者としてのプロフェッショナルとして身に着けるべき学習を行っていただく事をお勧めいたします。

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この記事を書いた人

Webディレクター歴20年。大卒後、制作会社や広告代理店を経て、2013年に独立。ビジネスに貢献するWebサイト制作をモットーに大手企業から個人事業主まで幅広い顧客のWeb戦略をサポート。昨今では制作会社や顧客のWeb担当者へのWebディレクション教育なども担当する。Webに関するご相談は本ページ上部の「ご相談・お問い合わせ」まで。

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