WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)
よみ: ダブリューシーエージー
W3C(Web 技術の標準化団体)が策定する、Web アクセシビリティの世界標準ガイドラインです。日本の JIS 規格(JIS X 8341-3)もこれに準拠しています。欧米の公的機関では事実上の必須要件となっており、2023 年には最新の「WCAG 2.2」が勧告されました。
運用の勘所:「完璧」より「継続できる範囲」から
適合レベルには A・AA・AAA がありますが、一般的な Web サイトでは「AA」を目標にするのが現実的です。最初から完璧な AA を目指すよりも、まずは「画像の代替テキスト(alt 属性属性)」「マウスなしでのキーボード操作」「文字の読みやすさ」の中核 3 つを確実に押さえることから始めるのが、中小企業が運用を継続するコツです。
WCAG の 4 原則と代表的な要件
ガイドラインは「知覚可能・操作可能・理解可能・堅牢性」の 4 原則で構成されています。
- 色のコントラスト:文字と背景のコントラスト比を 4.5:1 以上にする(AA 基準)。
- 操作性:キーボードだけで現在位置(フォーカス)が分かり、操作できる。
- 最新の要件:スマホ向けの「ターゲットサイズ(押しやすいボタンの大きさ)」なども随時追加されています。
よくある落とし穴(注意点)
- 自動ツールへの過信:axe や WAVE などの「自動チェックツール」でエラーをゼロにしただけで満足し、実際に人間が使いやすいかの実機確認を行っていない。
- 読み上げソフトの確認不足:特定のスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)だけでテストし、別のソフト(NVDA、JAWS、VoiceOver など)では正しく読み上げられない。
- 過剰なコード追加による混乱:読み上げを補助する専用コード(ARIA 属性)を無理に使いすぎた結果、かえって支援技術が混乱して使いにくくなる。
言葉をよく利用する人
- コーダー / フロントエンドエンジニア
- デザイナー
- Web 担当者(発注側)
- ディレクター
- 法務 / 契約担当
会話上での使用例
業者選定でアクセシビリティ対応の範囲を確認する場面
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Web担当者
WCAGの2.1 AA準拠でお願いしたいんですが、実機での検証はどこまで含まれますか。
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業者ディレクター
自動チェックに加えて、主要な10ページをスクリーンリーダーで目視確認、それとキーボード操作の確認までを標準に含めています。それ以上の網羅となると別途お見積りになります。
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Web担当者
わかりました。自動チェックの指摘だけだと実際に使えるかは別なので、その目視確認は必ず入れてください。
海外向けサイトで規格バージョンを議論する場面
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Web担当者
欧州向けのサイトなんですが、WCAGは2.2の新要件まで対応したほうがいいですか。
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ディレクター
EU向けだと2.1のAAが必須レベルで、2.2はベターという位置づけです。ただ2.2で追加されたターゲットサイズの要件はスマホでも効いてくるので、入れておく価値はあります。コストへの影響を業者に確認してみますね。