アクセシビリティ
高齢者や障害のある人をはじめ、すべての利用者が同じように Web を使えるようにする設計の考え方です。視覚・聴覚・運動機能に制約のある方だけでなく、「屋外で画面がまぶしい」「片手でスマホを操作している」「回線が遅い」といった「状況的な不利」も対象に含む広い概念です。
現場で重要になる 4 つのポイント
- 文字サイズ(小さすぎないか)
- 配色コントラスト(文字と背景が見分けやすいか)
- キーボード操作(マウスなしでも操作できるか)
- 読み上げソフト対応(画像に alt 属性などの代替テキストがあるか)
世界標準のガイドラインとして WCAG(A・AA・AAA の 3 段階)があり、行政サイトなどは AA を満たすよう進んでいます。2024 年の法改正(障害者差別解消法)により、民間企業でも対応が強く求められる流れになっており、最低限の配慮を欠くと評判リスクなどにつながる可能性があります。
実務での進め方:完璧主義にならず「3 段階」で積み上げる
アクセシビリティは「0 か 100 か」ではありません。以下の順序で進めるのが現実的です。
- 【最低限】 alt 属性・配色コントラスト・キーボード操作の 3 点(これを満たさないままの公開は事故に近いと言えます)。
- 【推奨】 見出しの階層、ランドマーク(ヘッダーやメインなどのページ構造)、フォームのラベルなどを整える。
- 【理想】 WCAG AA 準拠を目指す。
ここに注意:よくある誤解
陥りやすいのは「アクセシビリティ=障害者対応」と限定して優先度を落としてしまうことです。実際には、見やすい配色や操作しやすいボタンへの改善は、すべてのユーザーの体験(UX)を底上げします。SEO評価の向上にもつながるため、社内でも「ビジネスとしてやる価値がある」と提案しやすい施策です。
言葉をよく利用する人
- デザイナー
- コーダー / フロントエンドエンジニア
- Web 担当者(発注側)
- ディレクター
会話上での使用例
リニューアルの打ち合わせで、対応すべき範囲をデザイナーに相談する場面
-
Web 担当者
今回のリニューアルでアクセシビリティって、どのレベルまでやっておけば安心でしょうか。あまり大げさにならない範囲で考えたいんですが。
-
デザイナー
でしたら、まずは画像の代替テキスト、文字と背景の色のコントラスト、それからマウスなしでのキーボード操作、この三つを押さえるところから始めましょう。最初から最高基準を目指す必要はありませんよ。
-
Web 担当者
なるほど、その三つなら現実的ですね。では今回はその最低限のラインで合意して進めましょう。
経営層に対応コストの妥当性を説明する場面
-
経営層
アクセシビリティって、うちみたいな規模の会社でも本当に必要なものなの。
-
Web 担当者
法律で必ずやれと決まっているわけではないのですが、色づかいや文字サイズを見直すと、結局すべてのお客様にとって見やすいサイトになります。検索評価とも相性がいいので、今回は最低限のラインで進めて、コストも見積もりの5パーセントほどに収めました。