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Webサイト制作の適切な制作発注費用の考え方

Webサイト制作の適切な制作発注費用の考え方

Webサイトを制作発注するにはどのくらいの費用がかかるのだろうか?と悩まれる方も多いようで、「ホームページ制作 費用・料金の相場一覧」のページが当サイトの中でも人気のコンテンツになっています。一方で、「いくらかかるのか」という事とは別に、「いくらかけるのが適切なのか」という疑問も多いようで、たくさんのお問い合わせをいただいております。

制作発注する際に制作会社などに「ご予算はどのくらいでしょうか?」と聞かれることも多いと思います。費用はできる限り抑えたいので「できる限り安く…」とだけ伝えてしまうと、かえって思うような効果が得られにくいWebサイトが出来上がってしまう事もしばしばあります。

Webサイト費用の悪い決め方

本記事では、そのような疑問にお悩みの方に、Webサイトの制作発注費用に対する考え方を解説していきたいと思います。

目次

Webサイトで得られる利益があるから制作費用が出せる

Webサイト制作にどれだけの費用をかけられるのかの判断を簡単に言ってしまえば、

Webサイトで得られる利益 > 制作費用

これに尽きます。Webサイトを作るということは、基本的には何らかのビジネスに絡めて作るという事が一般的かと思います。特に、制作会社などに発注して制作することを考えているような場合は、ほぼこの一択だと思います。

ということはWebサイト自体もビジネスツールの一環であり、ビジネスの利益を生み出すために存在します。であれば、制作費用はWebサイトで得られる利益を上回ってしまったら意味がありません。

ただ、多くの方がこのWebサイトで得れれる利益に対する考え方が「顧客の獲得」または伴う売り上げだけに直結してしまって、安易に考えすぎてしまったり、逆に、それ以外の利益を念頭に置けていなくて、予算を必要以上に絞りすぎてしまうということが多々あります。

実際にWebサイトで得られる利益というものは色々とあります。複合的な観点から「このくらいの費用だったらかけても良いのかもしれない」などの判断基準にしてください。

Webサイトで得られる利益>制作費用

Webサイトで得られる利益とは

Webサイトで得られる利益はいくつかあります。営んでいる事業などによって当てはまらないものなどもあるとは思いますが一例として参考にしてください。

顧客(見込み顧客・潜在顧客)の獲得

これはWebサイトを制作する際に一番最初に目的にしやすいものであり、逆に「これ以外に何があるの?」と思うかもしれません。もちろん、最終的にはWebサイトから顧客が獲得できれば良いかもしれませんが、Webサイトから顧客を獲得するというのはそんなに簡単な事ではありません

当社へお問い合わせいただく多くの方が「Webサイトを作れば見てくれる人がいる」⇒「見てくれる人がいれば売り上げに繋がる」と想像してWebサイト制作をご依頼されます。
当社ではその都度、「Webサイトを作っても見てくれる人はいない」という残酷な事実をお伝えしなければいけません。

そんな簡単にWebサイトは見てもらえないんです。だからこそ、手っ取り早くWebサイトを見てもらうために、インターネット広告に月ウン十万円もの費用をかけてWebサイトへのアクセスを増やそうとする企業が多数存在するのです。(しかもWeb広告をかけても利益化できずに赤字になるケースも多数あります。)

もちろん、広告を出さない限りサイトが見られないというわけではありません。何らかの検索キーワードで制作したサイトが上位に表示されてアクセスされることもあります。
ただ、これは作ってすぐに目が出るものではなく、その何らかのキーワードで既に上位にランキングしている競合サイトに打ち勝っていく必要があり、それなりに時間をかけて、Webサイト自体をそのキーワードで検索されるのに相応しいWebサイトにするために改善・改良を繰り返しWebサイトを成長させていく必要があります。

最初から顧客獲得が見込めるケースというのは

  • ブランドが浸透していて検索されやすい状況にある
  • Webサイトもないのにお問い合わせの電話が非常に多い
  • 事業設計がしっかりできていて顧客流入の見込みが立っている
  • テレビやイベントなどで宣伝される予定にある
  • ネット広告を実施する予定にある

などです。

顧客獲得が見込めるケース

下手な期待だけをして予算を検討してはいけません。だからといって、Webでの売り上げが見込みがないからということで予算の検討を放棄し、根拠もない低予算で作成しようとしても何の役にも立たないWebサイトが出来上がってしまう可能性があります
そのため、利益の見込みは、Webサイトによる売り上げだけではなく、Webサイトを持つことで得られる複合的な利益を加味して検討する必要があります。

取引先の信用の獲得

取引先の信用の獲得

起業などの際の主な目的はこのあたりが大きいと思います。起業すると多方面へ繋がりを作っていくことになると思います。対企業となる場合、それが顧客であったとしても仕入れ先であったとしても、一緒にビジネスをする上では「信用」が大事です。

その信用確認として利用されるのがWebサイトであるケースが増えています。

昨今ではWebサイトが無いと取引相手として登録できないという取引先企業もあるくらいです。
当社も企業当時は取引先に「WebサイトのURLを提示してください」と言われることは多々ありました。

もしWebサイトがなかったり、信用を欠くようなWebサイトだったという事で本来得られたであろう取引が得られないというのは大きなマイナス要因になってしまいます。

取引すらできないかもしれないというリスクを負ってしまうのであれば、ある程度の費用をかけてWebサイトを用意しておくというのは必要なことだと考えられるのではないでしょうか?

とはいえ、取引先の信用獲得を最初の目的とした場合、必要な事は

  • 存在証明(自分の事業があるという事の証明)
  • 名刺交換などをした相手へのサービス理解の促進

あたりなので、サイト情報自体を大ボリュームにする必要はあまりありませんし、美術やアート、デザインに関わる事業でない限り、デザインにこだわり過ぎる必要もありません。

必要な事は、そこにある事と信頼してもらえるだけの内容とデザインです。
だからと言って、素人が手掛けるデザインは信頼性を欠くので、プロにデザインしてもらう方が無難です。

当社の感覚的では、この辺りを目的とする場合は、20~40万円程度の費用をかけて、制作する事をお勧めします。

働き手の獲得

働き手の獲得

Webサイトを用意したい理由として、働き手を募集したいからというケースも少なくありません。最初に断言しておきますが、Webサイトを新規で制作する目的として働き手の獲得を考えているのであれば、リクナビやマイナビなど、求人募集サービスを利用する方が効率的です。

「その会社に入りたい」と思う場合でも「会社名 採用」などで検索するので、リクナビやマイナビに登録しておけば検索でひっかかります。また働き手が欲しいと考える場合にその会社を1社指名して就職口や転職口を探す人がどれだけいるでしょうか?多くの就職活動者・転職活動者はリクナビやマイナビなどのサービスを利用して業種や職種を絞り込んで探すのではないでしょうか?
そのため、働き手獲得のためにWebサイトを作成しても見られないケースが多いのです

ただ、例外もあります。例えば、会社の魅力をリクナビやマイナビのサービスだけでは表現しきれず、Webサイトで魅力的な情報を訴求することで働き手の獲得が見込める場合や、会社名がとても有名だったり、就職したいまたは転職したいと考えている方が多いような場合、「会社名 採用」で検索される可能性が高まるので、わざわざ有料のリクナビやマイナビに登録する必要がないという事があります。

とはいえ、多くの場合は、求人募集としてのWebサイトという目的だけでは利益化しにくいため、企業のブランドや規模が大きかったり、特殊な事情が無い限りは、他の役割で利益化することを主軸としつつ副産物的に求人情報を掲載するのが妥当だと言えます。

企業や商品・サービスの情報補完

企業や商品・サービスの情報補完

Webサイトにアクセスするのは何も商品やサービスの購入するためだけにあるわけではありません。

営業マンが売り込みをする際に、サービスのパンフレットのみで交渉すると、ある程度期間をおいてからサービスを検討してみたいと思ったとき、サービスを確認しようとしても、そのパンフレットでは、古い情報になってしまっていて、正確な情報を伝えられない場合があります。もし、営業マンの名刺やパンフレットにWebサイトのURLがあれば、最新の企業情報やサービスを確認してもらえるようになります。

商品やサービスの内容にも寄りますが、その場で即時購入できるものは限りがありますし、売り込まれたタイミングでは必要なかったものも、何らかのきっかけで購入したいと思えるタイミングが訪れる可能性もあります。

そういう後に購入したいと思ってもらえるタイミングで、最新の正しい商品やサービスの情報提供ができるというのもWebサイトの特徴です。

アフィリエイトなどの広告利益

これは企業サイトなどではなくなってきていますが、広告掲載をして、その掲載が表示されたりクリックされたりすると利益になるという仕組みで利益を得るようなパターンです。

これはもはや、広告利益を目的としたサイト作りになりやすいので、企業よりもアフィリエイターなどが活用する利益になるかと思います。

後のための土台作り

起業したばかりの時は、Webサイトでの明確な目的は立てづらいものの、上記などでも紹介したように、取引先などにみられるような事があったり、どこでどんなつながりで自社が注目を集めるかわからないので、念のため、簡易的に用意しておくという考え方もあります。

特に、やり取りなどでメールアドレスが必要になると思うので、メールアドレスを取得する際にドメインも購入するので合わせてWebサイトを作っておくという考えもあります。

この場合、あまり作りこみ過ぎると、Webサイトの目的が立った後に作り直しになって無駄にしてしまう事もあるので、必要最低限で10~20万円あたりを目途にしておくと良いのではないかと思います。

自己満足

自己満足というと独りよがりのような感覚であまり良い印象ではないかもしれませんが、形から入る方が身が入るという方もいらっしゃいます。起業の実感や自分を奮い立たせる意味合いでWebサイトをしっかり作っておくというのも良いのかもしれません。

ただ、この場合はあまり費用をかけることをお勧めできず、ご自身でもそれなりに勉強して制作負担を担う前提で5~10万円程度で制作されるのが良いのではないかと思います。

現状況にあったWebサイトを検討しよう

このようにWebサイト制作で得られる利益は、実際のお金だけで勘定できないものも含めて様々で、ご自身のビジネスの内容や状況によって異なります。

まずはご自身のビジネスの在り方などを踏まえて、Webサイトにおける可能性を検討しながら、どのくらいの予算をかけるべきなのかを考えてみましょう。

もし、どうやって考えれば良いのかがわからないという場合は気軽に当社までご相談ください。

また下記にて、どのくらいの費用をかけると大体どんなサイトが出来上がるものなのかを参考程度に掲載させていただきます。お役に立てますと幸いです。

【費用別】制作できるWebサイト

5~10万円

基本的には、発注するのが難しい金額帯です。一部の素人とあまり差がないようなフリーランスであれば対応できることもありますが、その場合、上記のような利益は得られにくいので注意が必要です。この費用感ですと、制作サービスなどを利用してご自身で制作して、部分的に手伝ってもらうような形になりやすいです。

10~20万円

一番ミニマムは発注金額かと思います。制作ページも4,5ページ程度であまり機能的な面での要求をすることができなかったり、デザインに対してもシンプル目で、あまりこだわったデザインを求めることができないと考える方が良いかと思います。

20~40万円

ページ数としてあまり大きいものを望むことはできませんが、ある程度、誰に見られても恥ずかしくないだけの見た目のWebサイトが出来上がりやすくなります。お知らせなどもご自身で更新できるような仕組みを入れてもらえるかもしれません。

40~80万円

数ページ程度のWebサイトであれば、それなりにしっかりとしたWebサイトが出来上がるかと思います。ページの内容などにもしっかりとアドバイスしてもらえるような体制も整えられるので、ある程度事業戦略が明確なのであれば、このあたりより上を目指すことをお勧めします。

80~120万円

中小企業であれば、普通に20~30ページ程度のWebサイトが制作できるかと思います。ページ数を絞れば、お知らせや商品サービス更新機能などを付帯させることもできるかもしれません。
この費用感になれば、大手企業でも数ページのコンテンツ制作が可能になります。

120万円~

商品数やサービス数の多いWebサイトなどは費用が膨大になりやすいので内容によって費用は跳ね上がってしまいます。また、特殊な機能(商品の検索機能や表示の絞り込みなど)を希望されるような場合は、このあたりの費用は最低限で見込んでおく方が無難かもしれません。

いかがでしたでしょうか?お役に立てましたか?
ご不明点や疑問など、お問い合わせいただけましたら適宜返答させていただきますので、気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Webディレクター歴20年。大卒後、制作会社や広告代理店を経て、2013年に独立。ビジネスに貢献するWebサイト制作をモットーに大手企業から個人事業主まで幅広い顧客のWeb戦略をサポート。昨今では制作会社や顧客のWeb担当者へのWebディレクション教育なども担当する。Webに関するご相談は本ページ上部の「ご相談・お問い合わせ」まで。

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