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Web制作見積書で使われる「人日」という単位とは

Web制作見積書で使われる「人日」という単位とは
目次

人日とは

人日、人工、工数、人月

Webサイト制作の見積書でよく利用される単位として「人日(にんにち)」というものがあります。
これは、特にWebサイト制作特有のものというわけではありません。
単位として利用するケースは少ないですが、人日のことを「人工(にんく)」と呼ぶ場合もありますし、「工数(こうすう)」という場合は概ね人日のケースが多いです。
また、開発などの場合は人日ではなく「人月(にんげつ)」とするケースもあります。

単位の見方と計算

1個当たり〇〇円というものに対して、人日の場合は、1人の作業日数あたり〇〇円というものになります。
人月は、同様に1人あたりの作業月数という事になります。

一般的に、1日の作業時間はおよそ8時間程度になるので、1人日を作業時間で表すと8時間程度となります。
そして、人月の場合は、1か月は週休2日でおよそ20日の稼働になるため、20日×8時間で160時間程度となります。
これは会社によって多少の異なりますが本記事では1日8時間として話を進めたいと思います。

そのため、その作業が8時間程度かかった場合は1人日となり、半日(4時間程度)の作業時間となれば、0.5人日となりますし、80時間程度の作業時間になれば10人日となりますし、0.5人月と表現することもできます。

さらに、その作業は1人で対応しているとは限りません。

例えば、Aさん、Bさん、Cさんの3人で作業していてAさんは4時間、Bさんは10時間、Cさんが2時間の作業時間だった場合が考えられます。その場合は、合計で16時間なので、見積上は2人日となるのです。

なぜ人日が利用されるのか

Webサイト制作は基本的にはオーダーメイドということになります。制作内容によって対応する内容もだいぶ変わってしまいます。

例えば、10ページのWebサイトを制作する場合でも、その10ページに対して、どのくらいのデザインへのこだわりを持つのか、ページの中にどんな仕組みを持たせるのか、どのくらいの画像を作らなければいけないのか、変更や調整がどのくらい必要なのか、このあたりを1作業単位で切り分けて見積もりを作成すると、見積を作成するだけで膨大な時間を使ってしまって、見積作成費のような項目が必要になってしまいます。

しかも、画像を10個作る予定が9個になったり、ページのボリュームが増えたり、ちょっとした変更があるたびに、見積にも細かな調整が必要になってしまいます。

さらに、制作進行や打ち合わせなどは数量では表しにくいうえに、状況によって対応内容も変化するので見積もりに反映するのが難しい項目になります。

人日で計算した場合、提示した人日の範囲内で対応する前提なので、多少の対応内容の変更があったとしても細かく見積もりを変更する必要はないですし、制作進行や打ち合わせなども凡その時間で管理できるので計算しやすくなります。

そういう観点で、Web制作現場では「人日」という単位が多く利用されています。

人日が利用されないケース

人日が利用される理由は主に「オーダーメイド」であるが故に、どのくらい人が動いたのかで計算するため、逆に、作るものが明確だったり、提供するものが固定されているような場合は人日とは異なる単位を利用する場合があります。

〇万円で出来るWebサイト

このような表記で制作しているWebサイト制作サービスは、〇万円と金額が固定されているため人日で表現されることがあまりありません。

この場合は、制作する内容が明確で、それ以上の制作ができない前提だったり、何か想定にないことをするたびにオプション費用のようなものが発生しやすくなります。

これらの場合は人日ではなく、「点」や「個」や「式」という単位になることが多いです。

素材購入費

写真などを有料素材集などから購入して利用する場合などは、その素材自体の金額が決まっていることが多いので、購入代行費用も含めて、1点、2点…とされるケースが多いです。

素材を購入しなければいけない場合、指定されたものを買うのであれば良いのですが、制作する側で最適なものを見つけなければいけない場合、その探す対応自体に時間を費やしていることになります。

この場合でも、素材購入費にその費用が組み込まれるケースは少なく、どちらかというと、素材の検討も含めて、デザイン費用の中に含まれるケースが多いと思います。

見通しのつけにくい項目

Webサイト制作において、対応内容が煩雑で、作業を進めながら様々な費用の発生が考えられるため、ある程度の予算感の中で、臨機応変に対応するような場合、人日で表現しようとすると、よくわからないバランス感での数値になってしまい、以前との見積もりやその後の見積との整合性をつけにくくなってしまうような事があります。

このような時は、人日で表現せずに、各項目で「一式」として表現することがあります。

但し、これは不明確な表現なので、制作側と担当者側で制作する内容や費用感に対する意思の疎通ができていないと、成り立ちにくくなります。

また、企業の会計部署によっては、曖昧な単位は認められず、詳細を出さなければいけないこともあるので注意が必要です。

まとめ

人日の表現に関してご理解いただけましたでしょうか?
もしご不明点などがあれば、回答、アドバイスさせていただきますので、気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

Webディレクター歴20年。大卒後、制作会社や広告代理店を経て、2013年に独立。ビジネスに貢献するWebサイト制作をモットーに大手企業から個人事業主まで幅広い顧客のWeb戦略をサポート。昨今では制作会社や顧客のWeb担当者へのWebディレクション教育なども担当する。Webに関するご相談は本ページ上部の「ご相談・お問い合わせ」まで。

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