ブランドトーン
概要とマーケティングにおける役割
サイトのコピー・写真・配色・あしらいの全てに表れる、企業の世界観・人柄・語り口のこと(Voice & Tone / トンマナ)。「丁寧で誠実」「親しみやすい」「先進的」「凛とした」など、形容詞で表現できるブランドの軸を指す。
※厳密には、「Voice」は決して変わらない企業の人格(例:頼れる専門家)、「Tone」は状況や媒体に応じて調整する声の調子(例:謝罪時は真摯に、SNS では少し親しみやすく)を意味する。
現場の核心:ブレを防ぐ「橋渡し役」
核心は、Web 担当者自身が「自社らしさ」をブランドトーンとして明確に言語化し、外部業者やライターと共有する「橋渡し役」を担うことにある。これが言語化されていないと、業者や担当者ごとに解釈がバラつき、サイト・SNS・メルマガで「同じ会社の発信」と感じてもらえず、ブランド認知が散逸する。
実務における「言語化とドキュメント作成」
以下の項目を 1 枚のドキュメント(ガイドライン)にまとめ、社内外で共有する。
- 定義:象徴する形容詞 3 つ(コア / サブ / 注意すべき裏の顔)。
- 文章のルール:敬語のレベル(です・ます / だ・である / フランク)、絵文字・記号(!や?)の使用方針。
- 具体化:OK 例と NG 例の対比文、言い換え辞書(使う表現 / 避ける表現の一覧化)。
- 媒体別の微調整:媒体の特性に合わせた「SNS と公式サイトでのトーンの差分」。
※【現代のハック】:ここで言語化したドキュメントを、そのまま ChatGPT 等の「システムプロンプト(カスタム指示)」に読み込ませることで、AI 生成コンテンツの出力品質が劇的に安定する。
やってはいけない「現場の落とし穴」と失敗談
- 抽象語の放置:「誠実」「お客様第一」といった、誰でも言える抽象語で言語化が終わっており、現場が「で、具体的にどう書けばいいの?」と迷う。
- ペルソナ不在:ターゲット(ペルソナ)の感情や悩みを無視して、企業側の独りよがりなトーンを独立して決めてしまう。
- 属人化と崩壊:SNS 運用担当者(中の人)が独自トーンで暴走してブランド全体がブレる、あるいは AI に書かせた文章を人間が確認せず、トーンを無視したまま公開される。
- リニューアルの罠:リニューアルを機に「今風にしよう」とトーンだけをガラッと変えてしまい、旧コンテンツとの整合性が崩れ、既存顧客が違和感を覚えて離れる。
- 資産の消失:トーンの定義やガイドライン作成を制作会社に丸投げし、自社の手元に残らず、契約終了後にトーンが消滅する。
言葉をよく利用する人
- ライター / コピーライター
- デザイナー
- Web 担当者(発注側)
- 広報
- マーケター
会話上での使用例
ライターと初回のコピーの方向性を擦り合わせる場面
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ライター / コピーライター
原稿のトーン、どんな雰囲気で書きましょうか。
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Web担当者
ブランドトーンのドキュメントを共有しますね。誠実、親しみやすい、押し付けない、この3軸でまとめてあります。OKとNGの例文も20件、言い換え辞書も付けています。Webは丁寧め、SNSは少しフランクで書き分けてください。
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ライター / コピーライター
基準があると書きやすいです。これに沿って進めます。
AIで生成した原稿を社内チェックする場面
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マーケター
AIに書かせた原稿、上がってきました。このまま入稿していいですか。
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Web担当者
入稿前にブランドトーンのチェックリストでレビューしましょう。AI生成は語尾が定型化しやすいので、言い換え辞書で揺らぎを足して、最後は編集者の目で通してください。
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マーケター
そのまま入れずに、一度トーンを確認するんですね。承知しました。