用語集ま行

マーケットリーダー

マーケティングの大家フィリップ・コトラーが提唱した「競争地位戦略」における、圧倒的な業界シェア No.1 企業の位置取りのことです。下位企業(チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー)とは異なり、「市場全体の規模を拡大しつつ、全方位の網羅性でシェアを維持・拡大する」という王者の戦略を取ります。

現場での戦略的判断:中小企業の現実的な進め方は「ニッチャー」

Web マーケティングにおいて最も重要なのは、「自社のポジションによって、Web サイトでの戦い方が根本から変わる」という事実です。

実務上、中小企業のほとんどは特定の隙間市場を狙う「ニッチャー」に該当します。マーケットリーダーは、下位企業が出した良いアイデアを圧倒的な資本力で真似して潰す「同質化戦略」という反則級の武器を持っています。そのため、大手のリーダー戦略を物量やデザインで真似しても絶対に勝てません。Web においても「何でもできます」という総合的なアピールを捨て、「狭く深い独自視点(専門特化)」に振り切ることが唯一の現実的な打ち手になります。

実務への落とし込み:検索市場を絞り、そこで「リーダー」になる

現場の担当者が陥りやすい最悪の罠が、自社をリーダーだと過大評価し、ニッチャーとしての尖った戦略を取れないことです。経営層から「もっと幅広くターゲットを取れるようにサイトを作れ」と言われたら、この理論を盾にして「絞らないと大手に負けます」と説得するのが担当者の役割です。

現代の Web マーケティングにおける最大のセオリーは、「市場の切り方を極限まで狭め、その小さな市場の中で『リーダー(1 位)』になること」です。

例えば、「転職」という巨大な検索キーワードでは大手に勝てませんが、「名古屋 × 20 代 × 製造業特化の転職」というロングテールキーワード(ロングテール)(ニッチ市場)であれば、自社が検索 1 位(=リーダー)を獲得し、濃い見込み顧客を独占することができます。大手がコンプライアンス上やれないような「強烈な思想のコラム」や「泥臭い社員の顔出し(属人性)」を武器に、狭い領域での No.1 を目指してください。

言葉をよく利用する人

  • 経営層
  • マーケター
  • Web 担当者(発注側)
  • プロデューサー

会話上での使用例

新しい業界への参入を議論する場面

  • 経営層
    B業界に参入したいと思っているんだが、勝算はどうかな。
  • Web担当者
    B業界はマーケットリーダーの大手が情報量で圧倒しているので、真正面は厳しいです。B業界の中でも中小企業向け、といった切り口に絞れば、ニッチャーとして一番を取りに行けます。

記事数で大手に追いつこうとしている場面

  • マーケター
    記事の本数で大手に追いつきたいんですよね。
  • Web担当者
    本数でマーケットリーダーに並ぶのは正直無理があります。数より、自社にしか書けないテーマでの深さで勝負しましょう。狭く深くのほうが、うちの規模だと現実的です。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 9-1 独自情報・独自視点の番人