用語集か行

過渡期

AI 技術の急速な進化に伴い、「どこまでを AI に任せ、どこからを人間がやるか」の業務分担が固定されず、半年単位で激しく変わり続けている現状を指す言葉です。英語では「Transition Period」と表記します。

実務における基本スタンス(流れを読み続ける)

「これが正しい線引きだ」とルールを固定化するのではなく、「今の判断も、あくまで現時点の一時的なもの」と捉える柔軟性が求められます。固定的な正解を求めず、変化を前提とした組織文化を作ることがポイントです。

変化に追従するための運用ルール

  • 半期に一度の業務の棚卸し:6 ヶ月に 1 回は「業務の健康診断(バイタルチェック)」を行い、AI に任せる範囲をアップデートする。
  • 利用ガイドラインの定期見直し:AI 提供会社による規約変更や新機能の追加に合わせて、社内ルールを最新に保つ。
  • 定常的なテスト導入:月 1 件などを目安に、新しい AI ツールや新機能をチーム内で実験的に使ってみる。
  • 比率の再評価:AI を「作業の自動化(タスクオートメーション)」に使うか、「アイデア出し(創出(発想創出))」に使うか、そのバランスを半期ごとに見直す。

よくある落とし穴(注意点)

  • 「AI に仕事を奪われるか / 人が勝つか」という二項対立で考えてしまい、柔軟な活用ができなくなる。
  • 1 年前の古いルール(線引き)のまま運用を続け、競合に対して生産性で大きく遅れをとる。
  • 「今の技術の進歩もいずれ落ち着くだろう」と楽観視し、日々のキャッチアップを怠る。
  • 新ツールの検証を外部の業者に丸投げしてしまい、社内に AI 活用のノウハウが蓄積されない。

言葉をよく利用する人

  • Web 担当者(発注側)
  • マーケター
  • プロデューサー
  • AI 活用担当 / プロンプトエンジニア
  • 情シス

会話上での使用例

古いAI利用ガイドラインの見直しタイミングを相談する場面

  • 情シス
    AIの利用ガイドライン、3年前のままになってます。
  • Web担当者
    今は過渡期で、AIと人の線引きが半年単位で変わるので、半期に1度の見直しが現実的です。ChatGPTやClaude、Geminiの最新ポリシーへの追従と、新機能の評価、社内事例の反映を半期サイクルで回しましょう。今月から始めませんか。
  • 情シス
    わかりました。では今期分の見直しから着手します。

AIか人かで社内の意見が割れた場面

  • 若手社員
    もうAIで全部やればいいじゃないですか。
  • ベテラン社員
    いや、こういうのは人がやるべきだよ。
  • Web担当者
    二項対立で固めるのは過渡期では危ないです。今期はこの線引き、と仮置きして半期ごとに見直す前提なら、両方の意見の合意点が探せます。バイタルチェックに組み込んで、組織として変化に追従していきましょう。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 9-5 主体は常に人