A2A(Agent2Agent)
よみ: えーとぅーえー
AI エージェント同士が、開発元やベンダーの垣根を越えて会話し、協働するための「共通の通信規格」です。2025 年に Google が公開し、その後 Linux Foundation に移管されて中立的な標準として運営されています。
MCPと混同されがちですが、役割が異なります。MCP が「AI とツール・データをつなぐ規格(AI 版の USB 端子)」であるのに対し、A2A は「AI と AI をつなぐ規格(AI 同士の共通言語・電話網)」です。両者は競合ではなく、組み合わせて使うものです。
実務での鉄則(何が変わるのか)
A2A の価値は、1 つの万能 AI を作るのではなく、得意分野の違う AI に分業させられる点にあります。
- ベンダーをまたいだ分業:たとえば「アクセス解析が得意な AI」と「原稿執筆が得意な AI」が別会社製でも、A2A 対応なら仕事を引き渡し合えます。
- 内部を隠したまま連携できる:相手の AI に、自社の内部データやツール構成を明かさずに依頼できる設計になっています(不透明なエージェントという考え方)。
- 能力の自己紹介:各エージェントは「自分は何ができるか」を記した名刺のようなファイル(エージェントカード)を公開し、相手はそれを読んで依頼先を選びます。
Web 担当者の実務での関わり方
2026 年時点では、中小企業の Web 担当者が直接 A2A を実装する場面はほとんどありません。「業者から AI 連携を提案されたとき、その中身を判断できる」水準で理解しておけば十分です。将来的に「レポート作成 AI が広告運用 AI に改善提案を渡す」といった業務代行(タスクオートメーション)の自動化が進む前提で、どこまでを AI に任せるかの線引きを考えておく段階といえます。
実務での落とし穴(注意点)
- MCP との混同:「A2A を入れれば社内データを読める」というのは誤解です。データ接続は MCP の役割で、A2A はあくまで AI 同士の連携規格です。
- 責任の所在が曖昧になる:複数の AI が連鎖して作業した結果、誤情報が出た場合に「どの工程が原因か」を追えなくなります。ログの保全と人間による最終確認は必須です。
- 権限の連鎖的な拡大:AI が別の AI に仕事を渡す過程で、想定より広い範囲のデータや操作権限が引き継がれるリスクがあります。機密情報の扱いを含め、データガバナンスのルールを先に整えておく必要があります。
- 過度な期待:まだ普及の途上にある新しい規格です。「対応しているから何でも自動でつながる」わけではなく、実際に動くかは個別の検証が要ります。
言葉をよく利用する人
- AI 活用担当 / プロンプトエンジニア
- 情シス
- バックエンドエンジニア
- Web 担当者(発注側)
会話上での使用例
業者から複数 AI の連携を提案された場面
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業者エンジニア
解析用の AI と原稿作成の AI を A2A でつないで、レポートから記事案まで自動生成できるようにしませんか。
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Web 担当者
面白い提案ですが、AI が別の AI に仕事を渡した結果、誤った数字が記事に載ったときに、どの工程が原因か追える形になっていますか。まずは各工程のログが残る前提で、小さく試させてください。
MCP と A2A の違いを社内で説明する場面
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経営層
この前導入した MCP があるなら、A2A も同じようなものじゃないのかい。
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Web 担当者
役割が違います。MCP は AI に社内データを読ませるための差込口、A2A は AI 同士が会話するための共通語です。データをつなぐ話と、AI に分業させる話は別なので、必要になる場面も分けて考えています。