マークアップ価格設定
製造や仕入れにかかった「原価」に、一定の利益率(マークアップ)を上乗せして販売価格を決める手法です。「原価 + 利益」で価格が決まるシンプルな計算式が特徴で、小売業や卸売業、受託制作業界などで広く使われています。
現場での設計原則:顧客視点の欠如という「限界」の認識
絶対に押さえておきたいのは、「社内の計算は楽だが、顧客視点(市場が認める価値)が完全に抜け落ちる」という限界です。
実務では、顧客が「これなら払ってもいい」と感じる価値を基準にする「知覚価値価格設定(バリュー価格設定)」と組み合わせ、「自社の原価ベースだとこの価格だが、顧客から見た価値ベースならもっと高く売れるのでは?」と、両面から検証する使い方が基本になります。
実務での活用:制作会社の見積もりを丸裸にする「物差し」
Web 制作やシステム開発において、原価とはズバリ「エンジニアやデザイナーの作業時間(人日・人月などの工数)」です。
業界の標準的なマークアップ率を把握しておけば、制作会社から出てきた見積もりを見た際に、「この作業工数(原価)に対して、ディレクション費や進行管理費(マークアップ)が何%乗せられているか?」を読み解き、適正価格かどうかを判断・交渉する強力な物差しになります。
現場でよくある「痛い失敗」と料金ページの設計ルール
担当者が最も陥りやすい罠が、自社の都合(マークアップ)で決めただけの価格を、Web の料金ページに機械的にポンと表示してしまうことです。顧客からすれば「なぜこの機能でこの高い価格なのか?」が全く分からず、すぐに離脱されてしまいます。
料金表の横には必ず、「このシステムを導入すれば、毎月〇時間の業務削減(人件費削減)になる」といった、価格を正当化する明確なベネフィット(顧客の利益・価値)をセットで語る設計を死守してください。
言葉をよく利用する人
- 経理 / 購買
- マーケター
- Web 担当者(発注側)
- 経営層
会話上での使用例
料金プラン改定を打ち合わせする場面
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経理
原価率が上がったので、原価に利益を乗せて再計算しました。
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Web担当者
計算自体は理解しました。ただマークアップ価格設定だけだと、お客様から見て値上げの理由が伝わりません。
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Web担当者
Web側は価値の訴求を強化して、上がった価格に納得してもらえる見せ方にしておきますね。
制作会社の見積もりをレビューする場面
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プロデューサー
この見積もり、相場感としてどう見ますか。
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Web担当者
業界のマークアップ価格設定の慣行で見ると、人月80万円は中堅クラスの水準です。差別化できる要素があるなら適正ですし、なければ交渉の余地があると思います。
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プロデューサー
なるほど、その物差しで一度先方に確認してみます。