ターゲットリターン価格設定
事前に決めた「目標とする投資収益率(ROI)」を達成できるように、逆算して販売価格を決める手法です。製造業や設備投資型のビジネスでよく使われます。
計算式:1 個あたりの原価 +(投資額 × 目標 ROI ÷ 想定販売数量)= 販売価格
運用の勘所:「社内の都合」と「市場の価値」のズレに注意
この手法は「これだけ投資したから、これだけ回収したい」という企業側の視点で作られるため、社内の予算稟議を通しやすいのが強みです。しかし最大の弱点は「顧客にとっての価値」や「競合の価格」が無視されている点です。
そのため、「顧客が感じる価値(知覚価値)」を基準にした別の価格設定手法(知覚価値価格設定 や バリュー価格設定)と突き合わせ、本当に市場で通用する価格かを確認するのが基本です。
Web 担当者の実務での関わり方
新規の SaaS ツールや、大規模なリニューアルを伴うサブスクリプションの月額料金を決める際に関わります。「初期投資○万円を○年で回収するには、月額いくらで何人の契約が必要か?」という議論の土台作りに役立ちます。
よくある落とし穴(注意点)
- 高すぎる目標による悪循環:経営陣が目標 ROI を高く設定しすぎた結果、商品の価格が競合より高くなり、想定していた販売数量に届かず赤字になる。
- 調整不足:上記を防ぐため、販売数量の見積もりをあえて厳しめ(保守的)に設定したり、「競合より○%までなら高くても勝負できる」という許容範囲を事前に経営側と握っておくなどの根回しが必要です。
言葉をよく利用する人
- 経営層
- 経理 / 購買
- マーケター
- Web 担当者(発注側)
会話上での使用例
新サービスの初期投資回収計画を相談する場面
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経営層
3年で初期投資の2000万円を回収したいんです。
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Web担当者
ターゲットリターン価格設定で逆算すると、月額1.5万円を100契約という規模が必要になります。
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Web担当者
ただ獲得コストを考えると現実的かどうか怪しいので、販売数量の前提を一度保守的に置き直して検証させてください。
サブスク料金の見直しを相談する場面
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マーケター
月額を上げたいと考えています。
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Web担当者
ではターゲットリターン価格設定での回収根拠と、PSM分析での顧客が受け入れる価格帯の両方を揃えましょう。
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Web担当者
社内の稟議には回収計算が効きますし、お客様向けには受容価格の裏付けが要るので、両面で固めておくと通しやすいです。