用語集は行

プライシング

概要とマーケティングにおける位置づけ

商品・サービスの価格を決める活動全般を指す広義の概念。

価格戦略(市場浸透(市場浸透価格設定)・上澄み吸収(上澄み吸収価格設定)など)、価格設定手法(原価ベースのマークアップ(マークアップ価格設定)・顧客の知覚価値(知覚価値価格設定)ベースなど)、価格構造(単一・段階・従量制・フリーミアムなど)、価格表示方法(月額・年額一括など)を含む包括的なテーマである。

現場の核心:Web 担当者のミッションは「見せ方の最適化」

押さえておきたいのは、価格そのものを決定するのは「経営判断」であり、Web 担当者の役割はその「Web 上での実装と最適化」にあるということ。

価格を決める権限がなくても、決まった価格を「ターゲットに最も伝わり、価値を感じてもらえる形で見せる」のが Web 担当者の最大の責任領域である。事実、LP の価格訴求や A/B テストにおいて「価格をどう見せるか」を工夫するだけで、CVR(コンバージョン率)が 10% 以上変動することも珍しくない。

実務における「料金ページ・価格表」の設計テクニック

コピーライティングと A/B テストで磨き込んでいくための具体的な打ち手。

  • 行動経済学の応用:「Basic / Pro / Enterprise」のように 3 つのプランを用意して真ん中を選ばせる(松竹梅の法則・極端の回避)、通常価格を消し線で示して割引後価格を強調する(アンカリング効果)などのテクニックを活用する。
  • 購買判断の材料化:料金ページは「単に数字を並べただけ」では弱い。機能の「比較表」、よくある質問(FAQ)、導入効果を示す「ケーススタディ(導入事例)」とセットで設計し、ユーザーの納得感を醸成するのが腕の見せ所になる。

やってはいけない「現場の落とし穴」と防衛策

  • 総額表示義務の違反(法令違反):BtoC(一般消費者向け)のサイトであるにもかかわらず「税抜き価格」のみを大きく表示し、消費税額を明記しない(※2021 年の義務化以降、景表法違反等のリスクがあるため厳格なチェックが必要)。
  • 単なるメニュー表化:ユーザーが「どのプランが自分に合っているか」分からず、迷った結果として離脱する。必ず「〇〇な方におすすめ」といったナビゲーションを添えること。
  • 隠れコストによるカゴ落ち:カートに入れて決済画面に進んだ途端、高額な送料や初期費用が加算され、騙されたと感じたユーザーが激怒して離脱する。

言葉をよく利用する人

  • 経営層
  • マーケター
  • Web 担当者(発注側)
  • プロデューサー
  • ディレクター

会話上での使用例

料金ページの全面改修プロジェクトを始める場面

  • プロデューサー
    料金ページ、どこから手をつけましょうか。
  • Web担当者
    プライシング全体を一度整理しましょう。価格戦略、価格構造、表示方法の3階層に分けて、現状とあるべき姿を比べていくと論点が見えてきます。
  • プロデューサー
    なるほど、いきなり数字をいじるのではなく構造から入るんですね。

新サービスの価格訴求方針を相談する場面

  • マーケター
    社内で価格の訴求が弱いと指摘されてしまいました。
  • Web担当者
    プライシングの見せ方を価値ベースに切り替えましょう。価格を並べるだけでなく、その価値の根拠を3つの事例で示す構成にすると説得力が出ます。
  • Web担当者
    料金表に比較表やFAQ、ケーススタディを添えるところまで含めて設計しますね。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 5-2 コピーライティング