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第5章 Lesson 5-2 / 読了 約13分

キャッチコピー・見出し — 評価軸は「目的に直結」、一般論から抜け出す

この記事でわかること

  • いいキャッチコピーの評価軸は「目的(行動)に直結しているか」だということ
  • 「目的」は短期 CV だけではなくブランド形成・採用・信頼醸成も含むこと(H2-1-4)
  • 一番のやらかし「綺麗だが何も言っていない、誰でも書ける一般論」だということ
  • 「目的に直結する」コピーを書く 3 ステップの進め方
  • 見出しの譲れない基準は「見出しだけ読んで内容が分かる」こと
  • 数字訴求(No.1・導入実績)に根拠・比較条件・表示ルールが必須な理由と景表法リスク(H2-2-6)

Lesson 5-1 でコンテンツの役割分担を整理しました。 この Lesson はコピー(キャッチコピー・見出し)の話です。 コピーは原稿の中で一番目立ち、一番読まれる部分です。 だからこそ「綺麗」と「効く」を混同しないことが大切になります。

1. キャッチコピーは「綺麗な言葉」ではなく「行動に直結する道具」

1-1. 一番の評価軸は「目的(行動)に直結しているか」

キャッチコピーの評価軸はシンプルです。 綺麗・かっこいい・印象的、ではなく、目的に直結しているか。 Lesson 2-1 の「4 つの問い」のうち「どう行動してほしい」に、コピーが直接繋がっていれば OK です。

1-2. Lesson 2-1「4 つの問い」と完全連動

コピーは、企画段階で言語化した「どう行動してほしい」を直接喚起する道具です。 企画と切れたコピーは、どれだけ綺麗でも効きません。

1-3. コピーは「道具」であって「作品」ではない

コピーは作品ではありません。 美しさを目的にすると、目的(行動)から遠ざかります。 機能する道具として、目的に向かわせる文を作ります。

1-4. 「目的」は短期 CV だけではない — ブランド形成・採用・信頼醸成も含む

「目的に直結」を狭く読むと、「今すぐ買え / 今すぐ問い合わせろ」の短期 CV コピーだけになります。 でも、サイト全体のページごとに目的は違います。

  • トップ:想起・ブランド世界観
  • 採用ページ:働きたいと思わせる
  • 企業紹介:信頼を残す
  • LP:短期 CV
  • 事例ページ:納得・指名検索の獲得

Lesson 2-1「4 つの問い」の「どう行動してほしい」を、ページごとに具体化 する習慣を持ちたいところです。 短期 CV ページ(LP、申込)と、ブランド / 採用ページでは、コピーの評価軸が違います。

担当者の仕事は、そのページの目的が短期行動か長期記憶か を制作側に明示することです。

2. 一番のやらかし — 「綺麗だが何も言っていない一般論」

2-1. 典型例 5 つ

現場でよく見る、ダメコピーの典型例です。

  • 「最高の品質を提供します」
  • 「お客様第一」
  • 「未来を創る」
  • 「ワンストップで」
  • 「業界をリードする」

2-2. なぜダメか

  • どの会社でも書ける
  • 中身がない
  • 差別化にならない
  • 行動に繋がらない

2-3. なぜ書いてしまうか

  • 当たり障りないので「安全」に思える
  • 社内承認が通りやすい
  • 深く考えなくて済む

2-4. 抜け出す問い

一般論かどうかを判定する、たった 1 つの問いがあります。 「これ、競合の名前に置き換えても成立する?」。 成立するなら一般論です。 書き直してください。

2-5. 一般論を独自化する 3 ステップ

  • 数字を入れる(「最高」より「3 年連続 No.1」「導入 10,000 社」)
  • 顧客視点に置き換える(「品質提供」より「作業時間が半分になります」)
  • 自社しか書けない情報を入れる(Lesson 1-2 / 5-1 と連動)

2-6. ただし数字訴求はリスクも伴う — 根拠・比較条件・表示ルールが必須

「3 年連続 No.1」「導入 10,000 社」「業界シェア No.1」は便利な訴求ですが、裏付けがないと景品表示法違反になり得ます。 数字を出すなら、社内で次を固めておきたいところです。

  • カウント定義(導入社数:契約ベース / 利用ベース / トライアル含む?)
  • 集計期間(いつからいつまでの累計か)
  • 比較条件(No.1 の調査機関・調査対象・調査時期)
  • 表示ルール(注釈表記、出典明示)

中小企業ほど油断する領域 です。 規模が小さいほど「ちょっと盛る」が起きやすく、後から景表法・消費者庁ガイドラインで指摘されます。 担当者の仕事は、数字案が出てきたら根拠を社内で固めてから掲載 すること。 固められなければ載せない、という判断ができると安心です。 Lesson 2-4 KGI / KPI、Lesson 3-2 RFP の表示ルール明記と連動します。

3. 「目的に直結する」コピーを書く 3 ステップ

3-1. Step 1:目的(行動)を決める

問い合わせ / 購入 / 応募 / 資料 DL — Lesson 2-1 で決めた行動を、ここで再確認します。

3-2. Step 2:ターゲットの「行動前の状態」を書き出す

その人が行動する直前に、どんな願望・不安・疑問を抱えているか。 ここを言語化すると、コピーで触れるべきポイントが見えます。

3-3. Step 3:その状態に対する「答え」をコピーにする

具体例で見ると、こうなります。

  • 目的:無料体験申込
  • ターゲットの状態:家事代行に興味あるが、知らない人を家に入れる不安
  • コピー:「家事代行、まず 1 時間だけ。試してから決められます」

4. キャッチコピーの 4 タイプ

  • ベネフィット:「×× できるようになる」
  • 数字・実績型:「3 年連続 No.1」「導入 10,000 社」(根拠必須)
  • 問いかけ型:「×× で悩んでいませんか?」
  • 物語・共感型:「私たちも同じ悩みでした」

商材と目的でタイプを選びます。 1 つのタイプに固執せず、ページごとに合うタイプを選ぶのが現実的です。

5. 見出し(H2 / H3)の基準 — 「見出しだけで内容が分かる」を譲らない

5-1. 読者はまず見出しを流し読みする(スキャン読み)

Web の読者は、いきなり本文を読みません。 まず見出しを上から下へ流し読みして、自分に関係しそうかを判断します。 これが「スキャン読み」です。

5-2. 見出しだけ読んで内容が分かれば、本文を読む気になる

スキャン読みで「面白そう」と思わせる見出しが、本文への入り口です。

5-3. 見出しだけで分からなければ、本文に進まない・離脱する

見出しから内容が読めないと、本文に進まずに離脱します。 本文がどれだけ良くても、見出しが弱いと届きません。

5-4. SEO にも効く

Google も見出しを重視します。 検索エンジン的にも「見出しで内容が分かる」状態が望ましいです。

5-5. 業者にこの基準を伝える

業者に原稿を依頼するときに、こう伝えてみましょう。 「見出しだけ通読して、ページ全体の内容が分かるか確認してほしい」。 これで業者の見出し設計の質が上がります。

5-6. 悪い見出し例

  • 「はじめに」「概要」「特徴」(中身が分からない)
  • 「私たちの想い」(誰でも書ける一般論)

5-7. 良い見出し例

  • 「Web 担当者の役割を 1 文で言うと、こうなります」
  • 「失敗事例 3 つから学ぶリニューアル判断
  • 「最初の 1 ヶ月でやるべきことはたった 2 つ」

6. 担当者が業者にコピー・見出しを発注するときの伝え方

  • RFP に「目的(行動)」を明記(Lesson 3-2 連動)
  • ターゲットを具体的に渡す(Lesson 2-2 ペルソナ)
  • 「綺麗な一般論はいらない」と最初に伝えておく
  • 複数案を出してもらう(3〜5 案で比較)
  • 選定時の評価軸:目的直結度 × ターゲット響き度 × 独自性

7. コピーの良し悪しをチェックする 5 つの問い

  • 競合の名前に置き換えても成立するか?(成立なら一般論)
  • ターゲットの行動前の状態に答えているか?
  • 目的(行動)に直結しているか?
  • 1 秒で読めるか?(長すぎないか)
  • 自社しか書けない要素が入っているか?

テンプレ DL:コピーチェック 5 問シート(本書のテンプレ集に収録予定)

8. キャッチコピーの A/B テスト

  • LP では特に有効
  • CMSA/B テスト機能 / Google Tag Manager 連携
  • 担当者が回す簡易フロー
  • 「2 案で本気で勝負させる」のが基本

コピーや見出しは、センスがある人だけの世界に見えがちです。 でも本当に効くコピーは、ひらめきではなく「目的に直結しているか」「競合に置き換えても成立しないか」という地味な確認の積み重ねから生まれます。 最初から名コピーを書けなくても大丈夫です。 まずは手元の原稿を、この記事の問いに沿って一度見直してみるところから始めれば、コピーを見る目は少しずつ育っていきます。