ホームページの更新を、社外に頼みたい。そう考えるきっかけは様々です。今の制作会社では対応できない更新が出てきた、社内で更新していた担当者がいなくなった、といった相談が、Lab-ry Worksにも日々届いています。
ただ、いざ頼もうとすると、どこに相談すればよいのか、費用はどのくらいかかるのかがわからず、手が止まってしまうことも少なくありません。相談先の選び方から、更新の種類と難易度、費用感、依頼のコツと注意点まで、Web制作の現場で更新の相談を受けてきた経験をもとにまとめました。
更新の依頼の理由次第で相談先が異なる
更新を外に頼みたくなる理由によって、依頼先に求めることも、相談すべき先も変わります。Lab-ry Worksに届く相談でいちばん多いのは、技術的に対応できなくなったケースです。次に、今の制作会社に頼めなくなったケース、今の制作会社を見直したいケースと続きます。

技術的に対応できなくなった
CMSやPHPなど動作環境のバージョン対応、サーバの移行、機能の追加など、今の制作会社や社内の担当者の技術では対応できない更新が必要になるケースです。
相談先は、そのCMSや動作環境、サーバを扱った実績がある会社です。依頼する前に、同じCMSや動作環境での対応実績があるかを聞いておきましょう。日々の更新は今の制作会社に続けてもらい、技術的な部分だけを別の会社に頼む形もあります。
今の制作会社に頼めなくなった
制作会社の廃業や、担当者の退職で連絡がつかなくなったケースです。前の制作会社から説明を受けられないため、手元にある情報からサイトの作りを調べて、引き継げる会社が相談先になります。
今の制作会社を見直したい
頼むことはできるものの、対応が遅い、費用が合わない、相談しにくいといった理由で、依頼先を変えたいケースです。対応が遅いなら体制、費用が合わないなら料金の決め方、相談しにくいなら窓口のあり方というように、変えたい理由を解消できる会社を選びます。このケースも、サイトのデータや情報の引き継ぎが必要になります。
社内で更新を続けるのが難しくなった
社内で更新していた担当者の退職や異動のほか、社内の人手が足りない、担当者を置き続ける負担を減らしたいといった理由で、外部への依頼に切り替えたいケースです。一度きりではなく続く更新を任せることになるので、更新の頻度に合わせて、作業ごとでも月額でも頼める会社が相談先になります。
担当者がいなくなった場合は、管理画面のログイン情報や更新の手順が引き継がれていないことが少なくありません。まずは、サイトに入るための情報が手元にあるかを確かめるところから始めましょう。
更新は、作業の難易度によって頼める会社が変わる
同じ「更新」でも、作業の種類によって必要な技術が違います。そのため、難易度によって、対応できる制作会社とできない制作会社があります。ここでは、更新の作業を難易度の低・中・高の3つに分けて示します。一般的な基準ではなく、依頼先を考えるための目安としての区分です。同じ作業でも、サイトの作りや作業の中身によって、難易度は前後します。

| 難易度 | 主な作業 | 頼める依頼先の目安 |
|---|---|---|
| 低 | お知らせの投稿、文言の修正、画像の差し替え、PDFの掲載 | 多くの制作会社やフリーランス |
| 中 | 新規ページの追加、バナーの制作と設置、求人情報の掲載 | デザインとコーディングの両方ができる会社 |
| 高 | プログラムの修正を伴うお問い合わせフォームの変更、CMS本体やプラグインの更新、動作環境のバージョン対応、サーバの移行、機能の追加、不具合からの復旧 | プログラムやサーバの知識がある、限られた会社 |
【難易度:低】文字・画像・お知らせの更新
お知らせの投稿、営業時間や料金、住所などの文言の修正、画像の差し替え、PDFの掲載です。CMS(ホームページの内容を管理画面から編集できる仕組み)を使っているサイトなら、管理画面の操作で済むことが多く、多くの制作会社やフリーランスが対応できます。
【難易度:中】ページの追加やデザインを伴う更新
新しいページの追加、バナーの制作と設置、求人情報の掲載などです。新しいページのレイアウトを作る場合は、デザインとコーディング(デザインをWebページとして組み上げる作業)の両方が必要になるため、どちらもできる会社に頼むことになります。既存のページのレイアウトを流用する場合は、ページの登録と調整だけで済むこともあります。
【難易度:高】仕組みや動作環境に関わる更新
プログラムの修正を伴うお問い合わせフォームの変更、CMS本体やプラグインの更新、PHPなど動作環境のバージョン対応、サーバの移行、機能の追加、不具合からの復旧などです。プログラムやサーバの知識が必要になるため、対応できる会社が限られます。
同じ作業でも、サイトの作りによって頼める会社が変わる
同じ作業でも、サイトの作りによって、必要な手間や、対応できる会社が変わります。CMSで管理画面から直せるサイト、HTMLのファイルを手作業で直すサイト、独自のシステムで作られたサイトでは、同じ文言の修正でも作業の中身が別物です。独自のシステムで作られたサイトは、プログラムや仕様の資料が引き渡されていないと、元の作り手以外には手を入れにくいこともあります。
ホームページの更新代行にかかる費用感
更新の費用は、作業の種類、サイトの作り、原稿や写真がそろっているかで変わります。同じ作業でも依頼先によって金額は異なり、一律の相場として示せるものではありません。そのうえで、例として挙げるなら、次のような費用感です。
作業ごとに頼むなら、内容によって数千円から20万円以上まで幅がある
各作業を単体で頼んだ場合の費用の例です。
| 作業 | 費用感の目安 |
|---|---|
| お知らせの投稿(テキストのみ) | 1回 2,000〜5,000円程度 |
| 文言の修正(営業時間・料金・住所など) | 1箇所 1,000〜8,000円程度 |
| 画像の差し替え | 1点 3,000〜8,000円程度 |
| PDFの掲載 | 1件 3,000〜5,000円程度 |
| バナーの制作と設置 | 1点 10,000〜50,000円程度 |
| 求人情報の掲載・取り下げ | 1回 8,000〜30,000円程度 |
| 新規ページの追加 | 1ページ 35,000〜150,000円程度 |
| お問い合わせフォームの項目変更 | 1回 20,000〜50,000円程度 |
| サーバの移行、不具合からの復旧、互換性の確認を伴うCMSやPHPの大型のバージョン対応など(難易度:高) | 200,000円〜 |
難易度の高い作業は、サーバの状況やサイトの構成によって費用が大きく変わります。Lab-ry Worksの感覚では、サイトの状態を確かめるところから始める場合、最小限の作業でも20万円ほどからです。なお、日ごろからサイトを見ている保守契約の依頼先が、PHPの大型アップデートに対応する場合は、3万〜8万円程度で済むこともあります。
表の金額は、作業そのものの目安です。依頼先によっては、作業の費用とは別に、制作進行費やディレクション費(作業の段取りや確認、やり取りの取りまとめにかかる費用)などがかかる場合があります。見積もりを受け取ったら、作業費のほかにどんな費用が含まれているかを確かめましょう。

毎月の更新があるなら、月額で頼むほうが費用を抑えやすい
月の回数や作業の範囲を決めて、更新を定額で頼む形もあります。保守契約の一つの形で、保守契約には更新のほか、CMSの更新やバックアップ、相談窓口などが含まれることもあります。同じ量の更新を作業ごとに頼んだ場合と比べて、4割ほど費用を抑えられる場合があります。
一方で、更新がない月も料金は変わりません。更新の費用だけを比べるなら、定期的な更新が少ないサイトは、作業ごとに頼むほうが安く済む場合があります。CMSを使っているサイトでは、更新とは別に、CMS本体やプラグインの更新などの技術的な保守も考えておきましょう。月額の内訳や、金額が妥当かどうかの見方は、ホームページ保守費用はいくらが適正?で詳しく解説しています。
依頼先を変えるときは、作業の前の調査に費用がかかることもある
担当者がいなくなったときや、制作会社を変えるときは、作業の前に、サイトの作りや動作環境、契約の状況を調べる必要が出ることがあります。調査が必要かどうか、費用がかかるかどうかは、依頼先によって違います。
Lab-ry Worksの場合、ご相談を受けて状況を確かめる範囲では、費用はかかりません。費用になるのは、データの変更などの実務作業が発生したときと、報告レポートなど指定の提出物を求められたときです。依頼先を比べるときは、調査の段階でどこから費用がかかるのかを聞いておくと安心です。
更新依頼をスムーズに進めるコツ
更新内容と合わせて経緯と予算感を伝える
Lab-ry Worksに届く最初の相談は、「〇〇をする更新はできますか」という問いだけのことが大半です。なぜその更新をしたいのかまで添えられていることは、あまりありません。できるかどうかだけを聞くと、返ってくる答えも「できます」「できません」だけになりがちです。
更新内容と合わせて、そう考えた経緯と予算感も伝えましょう。今の会社では対応できない、担当者がいなくなった、といった経緯がわかれば、依頼先は作業の可否だけでなく、やり方の選択肢まで出せます。予算感がわかれば、その範囲で何ができるかを提案できます。

「どこを・どう変えて・いつまでに」を一度に伝える
対象ページのURL、変更前と変更後の内容、公開したい日をまとめて伝えます。画面のスクリーンショットに、変えたい場所の印をつけて送ると、行き違いが減ります。
素材(原稿と写真)を明確にする
原稿や写真などの素材は、必ずしも依頼する側が用意しなければならないものではありません。大事なのは、素材が手元にあるのかないのかを明確にしたうえで、ない場合に作成まで頼みたいのかどうかを伝えることです。
素材の有無と、作ってほしいかどうかが伝わらないと、依頼先は作業の範囲も費用も見積もれません。文章の作成や撮影まで頼む場合は、そのぶんの費用と日数がかかります。
今後の更新予定を想定しておく
目の前の1件だけでなく、この先1年ほどで予定している更新も想定して伝えましょう。たとえば、お知らせや求人の掲載が定期的にあるか、季節のキャンペーンや新しいサービスの紹介ページを予定しているか、CMSやPHPのサポート終了、サーバの契約更新が近いか、などです。過去1年に何回、どんな更新をしたかを数えておくと、見通しを立てやすくなります。
予定がわかれば、依頼先は、作業ごとか月額かという頼み方や、技術的な更新の時期まで含めて提案できます。
ここまでに挙げた、依頼のときに伝えることを1枚にまとめると、次のようになります。

サイトの情報を渡せるようにしておく
実際の更新作業には、作業の内容に応じて、CMSのログイン情報やファイルを置くための接続情報が必要です。サーバやドメインの契約情報とあわせて、手元にそろえておきましょう。依頼先に渡すときは、どの情報が必要かを確かめ、必要な範囲だけを共有します。あわせて、サーバ、ドメイン、CMSを、どこと契約して何に使っているかという利用状況もまとめておきます。
Lab-ry Worksに相談が届いた時点で、契約情報や利用状況がそろっていないことは少なくありません。そろっていれば、依頼先はすぐに状況を確かめて、作業の見積もりに進めます。

更新を依頼するときの注意点
安心して更新を頼み続けるために、依頼の前や契約の前に確かめておきたいことです。
対応範囲と回数を、契約前に書面で確かめる
「更新対応込み」と書かれていても、その中身は会社によって違います。月に何回まで、どの作業まで対応してもらえるのか、超えた場合はいくらかかるのかを、契約の前に書面で確かめましょう。「これもやってもらえるはず」と推測で決めず、頼みたい作業を具体的に伝えて、過不足がないかを確かめておくことが大切です。
ドメインやサーバ、アカウントの名義は自社にしておく
ドメインやサーバの契約、CMSなどのアカウントが制作会社の名義のままだと、依頼先を変えるときに引き継げないことがあります。新しく契約するときは自社の名義にし、すでにある契約は名義を確かめておきましょう。制作を頼む段階から名義を確かめておく理由は、制作会社への「丸投げ」で起こるトラブルと回避方法でも紹介しています。
依頼先を変えるときは、引き継げるものを先に確かめる
今の制作会社から何を受け取れるのかを、先に確かめます。サイトのデータ、アカウント、サイトの作りがわかる資料などです。プログラムや仕様の資料、接続情報が引き渡されない場合や、特殊な技術が使われている場合は、引き継ぎが難しく、作り直しになることもあります。依頼先を変えると決める前に確かめておくと、その後の段取りを立てやすくなります。
まとめ
ホームページの更新を外に頼むときは、まず、なぜ頼みたいのかを整理すると、相談先が見えてきます。そのうえで、頼みたい作業の難易度と費用感をつかみ、経緯や予算感、素材、今後の予定まで伝えれば、依頼先も自社に合ったやり方を提案しやすくなります。
更新を任せられる依頼先が見つかれば、ホームページを止めずに育てていけます。自社に合った頼み方で、ホームページを活かしていきましょう。依頼先の探し方や比べ方は、Web制作会社の選び方・比較ポイント完全ガイドもあわせてご覧ください。
