用語集あ行

NDA(Non-Disclosure Agreement)

よみ: えぬでぃーえー

業者、パートナー企業、採用候補者などと取り交わす「自社の機密情報を社外に漏らさない」という約束(契約)です。日本の実務では「秘密保持契約書」「機密保持契約書」など、複数の名称で呼ばれます。

締結の適切なタイミング

Web 制作プロジェクトの場合、業者に RFP(提案依頼書)を渡す前に締結するのが鉄則です。RFP や見積もりの前提となる資料には、自社の事業戦略や顧客情報が記載されています。そのため、「先に NDA、その後に RFP」が安全な順序です。NDA の締結を渋る業者は、情報管理の意識が低い可能性があるため、選定から外す判断材料にもなります。

契約内容の重要チェックポイント

契約書(雛形)を確認する際は、以下の項目が網羅されているかチェックしましょう。

  • 秘密情報の定義:何が機密にあたるのかが明確か(自社特有の個人情報や営業秘密が含まれているか)。
  • 除外事項:すでに世に出ている情報(公知情報)などは、除外されているか。
  • 義務期間:契約終了後も効力が続くか(一般的には終了後 2〜5 年)。
  • 再委託先の管理:業者が下請けを使う場合、下請けにも NDA を遵守させられるか。
  • 返却・廃棄手順:プロジェクト終了後、データをどう消去・返却するか。

よくある落とし穴(注意点)

  • インターネット上の雛形をそのまま使い、「データの返却・廃棄条項」が抜けている。
  • 契約の有効期間が 1 年など短すぎた結果、後からアイデアを再利用されてしまう。
  • 機密情報の定義が曖昧で、トラブル時に「これは機密だと認識していなかった」と言い逃れされる。
  • フリーランス本人とだけ契約し、その人が使う外部スタッフ(下請け)に情報が漏れる。
  • 【最新の注意点】ChatGPT などの生成 AI ツールに機密情報を入力する行為への、禁止規定がない。

言葉をよく利用する人

  • 法務 / 契約担当
  • Web 担当者(発注側)
  • プロデューサー
  • ディレクター
  • 情シス

会話上での使用例

RFP を渡す前に NDA をいつ結ぶか相談する場面

  • プロデューサー
    NDAって、RFP を渡したあとに結べばいいですかね。
  • Web 担当者
    順番が逆なんです。RFP には事業戦略が透けて出るので、書類選考を通過した時点で NDA を結んで、そのあと RFP を渡すのが安全です。NDA を渋る業者は情報管理の意識が低いサインなので、そこで見極められる利点もあります。

業者から提示された NDA の文面を法務にレビューしてもらう場面

  • Web 担当者
    業者さんから提示された NDA の案文、レビューをお願いできますか。
  • 法務 / 契約担当
    承知しました。除外事項、有効期間、契約終了後のデータ廃棄手順、それと AI ツールへの入力を禁じる条項、この 4 点を重点的に見ます。再委託先にも守らせる条項も足しておきますね。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 3-2 RFP と予算の伝え方