パーパス
企業や事業の「社会的存在意義」のことです。「わたしたちは何のために社会に存在するのか」という問いへの答えを、短い言葉やステートメントとして言語化したもので、近年の企業経営やブランディングの最上流に置かれる概念です。よく似た「ミッション(果たすべき使命)」「ビジョン(目指す未来像)」と重なる部分もありますが、パーパスは「社会や顧客、従業員から見て、この会社が存在する理由は何か」という存在理由(Why)に力点がある点が特徴です。
運用の要点:迷ったときに立ち返る「最上流の判断軸」になる
Web 担当者にとってパーパスは、精神論ではなく実務の判断軸です。サイトの目的や KGIを考える際の前提になり、トップページのキャッチコピー、コーポレートサイトの企業理念ページ、採用コンテンツ、ブランドトーンの統一まで、幅広い判断の上流に位置します。
- 制作会社への共有材料として:リニューアルのキックオフでパーパスを共有できると、デザイン・コピー・情報設計の判断がぶれにくくなり、後工程の「なんか違う」という手戻りを減らしやすくなります。
- 迷ったときの最終判断軸として:「このコンテンツはうちのパーパスに照らして出すべきか」で議論できるようになり、声の大きい人の好みではなく、軸のある意思決定ができます。
現場でよくある「落とし穴」
立派な言葉を「作っただけ」で終わらせると、かえって信頼を失います。
- 「パーパス・ウォッシング」による炎上:実態が伴わないのに「地球環境のために」など立派な言葉だけを掲げてしまう。SNS 時代のユーザーは実態との乖離を敏感に見抜くため、「言っていることとやっていることが違う」と指摘され、掲げなかった場合より大きく信頼を毀損します。
- 「額縁パーパス」の形骸化:策定したものの、社長挨拶のページに載って終わり。サイトの構成にも日々のコンテンツ判断にも反映されず、現場の誰も自分の言葉で説明できない状態。パーパスは掲げるものではなく「使うもの」です。
- 抽象的すぎて判断軸にならない:「社会に貢献する」のような誰でも言える言葉では、コンテンツの取捨選択に使えません。「自社らしさ」が残る具体度まで磨き込むことが策定の肝です。
言葉をよく利用する人
- 経営層
- マーケター
- Web 担当者(発注側)
- ディレクター
- ライター / コピーライター
会話上での使用例
リニューアルのキックオフで制作会社から質問された場面
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制作会社ディレクター
デザインの方向性を決める前に、御社のパーパスを教えていただけますか。トップページのメッセージの軸にしたいんです。
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Web 担当者(発注側)
「地域の中小企業の挑戦を、技術でなめらかにする」という言葉を掲げています。これがサイト全体の判断軸になるということですか。
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制作会社ディレクター
そのとおりです。キャッチコピーやトーンは、迷ったらそこに立ち返って決めていきます。配色は見やすさやブランドガイドラインも踏まえますが、軸があると判断がぶれにくくなるんですよ。
掲載コンテンツの取捨選択で意見が割れた場面
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マーケター
トレンドのネタなのでアクセスは取れると思うんですが、うちが出す意味あるんですかね。
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経営層
パーパスとターゲット、事業の狙いに照らして決めよう。うちの存在意義にも狙いにも繋がらないなら、数字が取れそうでも見送っていい。軸を曲げて集めたアクセスは資産にならないからね。
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マーケター
わかりました。では今回は見送って、パーパスに沿う企画を優先します。