レジストラ
ICANN(インターネットの住所を管理する国際組織)に認定された、ドメインの登録を行う事業者のこと。自社の Web サイトの URL となるドメインを取得する際の「直接の契約相手」であり、その後の更新・移管(お引越し)・所有者情報の管理を担う唯一の窓口となる。国内では「お名前.com」「ムームードメイン」、海外では「Squarespace Domains(旧 Google Domains)」「Cloudflare Registrar」などが代表的だが、価格やサポート品質、WHOIS(フーイズ:ドメインの所有者情報をインターネット上に公開するシステム)の代理公開サービスなどに差がある。
最大の特徴:絶対に「自社名義」で契約・管理すべき最重要資産
現場で最も重要な鉄則は、「ドメインは絶対に自社で直接契約して管理する」こと。サイト制作の際に「面倒だから」と制作業者にドメイン取得を丸投げし、業者名義のままにしてしまうケースが散見される。しかし、これをやると将来的に業者と契約を打ち切る際や業者が倒産したときに「ドメインの移管(所有権の移行)」を巡って必ずトラブルになる。担当者が自社名義でアカウントを持ち、ログイン情報と支払い用クレジットカードを自社で握っておくことが、Web 運用における最低条件。
運用の要点:選定基準は価格より「逃げやすさ」と「安全性」
レジストラを選ぶ際は、価格以上に以下の点を比較する。
- 移管のしやすさ:他のレジストラに乗り換える際に必要な認証コード(EPP / AuthCode:お引越し用パスワード)が管理画面ですぐに発行できるか(認証ロック解除で揉めないか)。
- 対応 TLD(トップレベルドメイン):「.com」「.jp」「.co.jp」など、自社が欲しい末尾の文字列を取り扱っているか。
- サポート体制:海外レジストラは安価だが、サポートが英語のみの場合、トラブル時に対応が滞り致命傷になるリスクがある。
現場でよくある「落とし穴」
ドメインの管理ミスは、企業にとって「文字通りの死」を意味する。
- 「ドメイン失効」という一発退場の大事故:登録している「更新通知メールの宛先」が数年前に退職した担当者のままになっていたり、クレジットカードの有効期限が切れたまま放置された結果、更新費用が引き落とされずドメインが失効する。悲惨な末路として、サイトが消滅するだけでなく、社員全員の社内メール・取引先とのメールが一切使えなくなり業務が完全に停止する。さらに最悪の場合、失効したドメインを海外の悪意ある第三者に一瞬で買い取られ、詐欺サイトにすり替えられたり、買い戻しのために数百万円の身代金を要求されたりして、企業の信用が永遠に失われる。
- 運用ルールの欠如:登録者情報の連絡先が古いまま放置され、いざという時の本人確認ができず移管不能になる。「管理画面に四半期に 1 回はログインしてクレカ等の情報を確認する」という習慣を組織で持っておくことが必須。
言葉をよく利用する人
- Web 担当者(発注側)
- 情シス
- 法務 / 契約担当
- 経営層
会話上での使用例
業者が新規ドメインをこちらで取りますと提案してきた場面
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業者ディレクター
ドメインはこちらで取得しておきますね。お名前.comで取ります。
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Web担当者
すみません、ドメインだけは弊社のレジストラのアカウントで取らせてください。あとから移管するのが手間なので、最初から自社契約にそろえておきたいんです。
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業者ディレクター
了解です。取得したらネームサーバの設定情報をお送りします。
担当者交代の引き継ぎでドメインが前任の個人名義だと発覚した場面
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Web担当者
ドメイン管理が前任の個人アカウントで取られていたんです。レジストラを会社の法人名義に移したいんですが、どう進めればいいでしょう。
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情シス
まず前任に連絡して認証コードを発行してもらおう。移管中もサイトは落ちないけど、48時間はDNSをいじらない方が安全だ。法人名義に移したらWHOISの代理公開も入れておこうか。