トレードオフ
何かを得るために別の何かを諦める関係。Web プロジェクトでは「品質 × 期間 × コスト」「機能数 × 公開速度」「自由度 × 保守費」「精度 × 工数」「集中 × 網羅」のあらゆる場面に存在する。完全な解はなく、選択と諦めをセットで持てるかが意思決定の質を決める。
本書のスタンス(Lesson 3-6 / 7-6)は「値引きはトレードオフ — 金額を下げる手段を相談する」発想で交渉する。+「やらないことを決める」が現実主義の姿勢。全部を取ろうとすると全部が薄まる、というのが本書のリピート的メッセージ。
実務での扱い:意思決定の場で「あの 3 つの中から優先する 2 つを決めましょう」と言える状態を作る。「全部やりたい」気持ちが消えるまで議論を引き伸ばさず、トレードオフを正面から扱う。スコープ・予算・期間の 3 軸を意思決定マップ([[decision-map]])に乗せ、選んだ理由と諦めた理由を 1 行で残す。
落とし穴は、トレードオフを認めず全部を取ろうとして全部が薄まる、トレードオフを表面化させたが「優先順位を決めるのは経営層」となって担当者の意思決定が止まる、トレードオフの選択をした後に蒸し返される、過去の選択を継続的に確認せず古い前提を引きずる、業者にトレードオフを丸投げして見えない箇所で品質が削られる、トレードオフを言葉として知っていても会議で使わないので議論が散漫。
言葉をよく利用する人
- Web 担当者(発注側)
- プロデューサー
- ディレクター
- 経営層
- マーケター
会話上での使用例
経営層が「全部やる」と決めようとしている場面
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経営層
採用も EC も多言語も全部やる。優先順位はあとで決めればいい
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Web 担当者
全部やると全部が薄まるトレードオフです。優先 2 つを先に決めて、3 つ目はフェーズ 2 に回したいです。意思決定マップに 3 案を載せて、次回判断にかけます
業者に値引き要求を出す場面
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Web 担当者
見積、20% 下げたい
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業者ディレクター
値引きは品質か期間とのトレードオフになります。等価交換できる項目を一緒に探りましょう。「採用ページをフェーズ 2 に・修正回数を 5 → 3 回・素材は支給」あたりでどうですか