Webサイトの大きなメリットと言えるもの、それは改善ができることです。印刷物や映像などは1度作ってしまうと作り直すのが大変になってしまいますが、Webサイトは修正がしやすいメディアです。ただ、修正や改修する場合、何を基準に修正・改修をすれば良いのか。何となく…で実施する場合はまず失敗すると言っても過言ではありません。
改修するポイントを把握するために必要なのが「どのようなユーザーがWebサイトに来ていて」「どのような行動をとっているのか」を知ることにあります。それを教えてくれるのが、Google公式の無料アクセス解析ツール「Google Analytics(グーグル・アナリティクス)」です。頭文字を取って「GA(ジーエー)」と呼んだり、バージョンも含めて「GA4(ジーエーフォー)」と呼んだりします。
本記事では、Google Analytics を入れると具体的に何が分かるようになるのかを例を挙げて紹介したうえで、アカウントの作成から合わせて導入しておくと便利な GTM(Googleタグマネージャー)経由での導入方法、導入後に設定しておきたい事、ざっくりと画面の見方まで、初心者のWeb担当者向けに順を追って解説します。
Google Analytics を入れると何がわかるのか
Google Analytics は、サイトを訪れた人が「どこから来て・どのページを見て・どんな環境で見ているか」を記録してくれるツールです。以下で例を挙げながら説明します。
よく見られているページがわかる
ページごとに、どれだけ見られたかが分かります。たとえば「施工事例のページが想像以上に見られている」と分かれば、訪問者の関心がそこにあると推察できます。そこから「よく見られているページに、お問い合わせへの誘導を足してみよう」というように、次の改善を具体的に検討できるようになります。

訪問者がどこから来たのかがわかる
検索から来たのか、SNSから来たのか、他サイトのリンクなのか、URLの直接入力(お気に入り登録など)なのか——という「流入元」が分かります。検索からの訪問が少ないと分かればSEOに力を入れる、SNS経由が伸びていると分かれば投稿を増やす、というように、限られた時間と予算の配分を判断する材料になります。
訪問者数の推移がわかる
日ごと・月ごとの訪問者数の増減が分かります。「お知らせを出した週に増えた」「チラシにQRコードを載せてから増えた」といった動きが見えるので、打ち手の手応えを推察できます。効果のあった施策は続け、反応のなかったものは見直す、という判断ができるようになります。

スマホとPCの比率がわかる
訪問者がスマホで見ているのか、PCで見ているのかが分かります。スマホが8割と分かれば、スマホでの見やすさを最優先で改善すべきだと判断できますし、業務利用が中心のサイトでPCが多数派なら、PC画面での情報の見せ方を重視する、といった優先順位を付けられます。

どんな人が見ているのかがわかる
どの都道府県からのアクセスが多いのか、といった地域の傾向や、年齢層・性別といった訪問者像も分かります。たとえば「近隣の県からのアクセスが想像以上に多い」と分かれば、対応エリアの見せ方や店舗案内を見直すきっかけになりますし、「40代の訪問者が中心」と分かれば、コンテンツや文面の方向性を判断しやすくなります。なお、年齢層・性別のデータは初期状態では収集されないため、後述の「合わせてやっておきたい初期設定」で取得を有効にしておく必要があります。

補足:Search Console との違い 似たツールに Google Search Console がありますが、役割が異なります。Search Console が見せてくれるのは「検索結果で自社サイトがどう見えているか」、つまりサイトに入ってくる前の情報です。対して Google Analytics は「サイトに入った後、訪問者がどう行動したか」を見せてくれます。両方を設定してはじめて、入口から中身までの計測がそろいます。Search Console の設定がまだの方はSearch Console の設定方法【2026年版】をご覧ください。
設定手順
手順1: Googleアカウントを用意する
Google Analytics の利用には、Googleアカウントが必要です。担当者個人のアカウントではなく、会社で管理するアカウントを軸にしてください。個人アカウントで設定してしまうと、担当者の退職や交代のときに、蓄積したデータごとアクセスできなくなる恐れがあります。会社管理のアカウントで作成し、担当者には後から閲覧・編集の権限を付与する形にしておくと安全です(管理できる人は複数名にしておきましょう)。そのアカウントでログインした状態で、次の手順へ進みます。
手順2: アカウントとプロパティを作成する
Google Analytics にアクセスし、手順1のGoogleアカウントでログインした状態で「測定を開始」を押すと、画面の案内に沿って次の5つを順に設定していきます。途中で利用規約への同意画面が表示されたら、内容を確認のうえ同意して進めてください。
①アカウントの作成
アカウント名には会社名(例: 株式会社ラブリー)を入力します。あわせて「アカウントのデータ共有設定」というチェック項目が並びますが、これはサイト訪問者の情報が公開される設定ではなく、Googleのサポートや機能改善のためにデータを共有するかどうかの設定です。初期状態のままで問題ありません(「Googleのプロダクトとサービス」のみ初期でオフになっていますが、オフのままでかまいません)。オンの項目を残しておくと、技術サポートを受ける際にGoogle側が状況を確認しやすくなります。気になる項目をオフにしても、計測機能そのものには影響しません。
②プロパティの作成
プロパティ名には、サイト名またはドメイン(例: example.com)を入力します。あわせてタイムゾーンは「日本」、通貨は「日本円」を選択してください。ここを合わせておかないと、レポートの集計時間や金額表示が日本の感覚とズレてしまいます。
③お店やサービスの詳細
業種と、事業の規模(従業員数)を選びます。自社に当てはまるものを選べば大丈夫です。レポートの提案などに使われる情報で、計測の内容が変わるものではありません。
④ビジネス目標
「見込み顧客の発掘」「売上の促進」など、Google Analytics をどう使いたいかの選択肢が並びます。必ず1つ以上選択する必要があります。複数選ぶこともできますが、画面上では2つ以下にすることが推奨されています。当てはまるものを選ぶと、それに合わせた初期レポートが用意されます。迷った場合は「ウェブ/アプリのトラフィックの分析」を選んでおくと、アクセス数や流入元といった基本のレポートが揃うので無難です。
⑤データの収集
最後に、計測する対象を選びます。プラットフォームは「ウェブ」を選択してください。続けてデータストリームの設定画面が開きますので、そのまま次の手順3へ進みます。
手順3: データストリームを作成して「測定ID」を確認する
「ウェブ ストリームの設定」という画面が表示されますので、次の3つを設定します。
- ウェブサイトのURL:「https://」を選び、自社サイトのドメインを入力します(https化していないサイトの場合は「http://」を選択します)
- ストリーム名:サイト名でかまいません
- 拡張計測機能:ページビュー(ページが見られた回数)に加えて、スクロールや離脱クリックなどのサイト内の動きも自動で計測してくれる機能です。初期状態でオンになっており、オンのままで問題ありません

「作成」を押すと、「Google タグの設定」という画面が開き、サイトに貼り付けるための計測コードが表示されます。

このコードは手順4-2(GA単体で利用する場合)で使うものなので、ここではいったん「×」で閉じてかまいません。
閉じると「ウェブ ストリームの詳細」画面が表示され、そこに 「G-」から始まる「測定ID」 が表示されています。このIDが、自社サイトと Google Analytics を結びつける鍵になります。次の手順で使うので、控えておいてください。

GA単独で使用する? or GTMを経由して使用する?
ここからは、2つの方法があります。1つがGAを単独で利用する場合。もう1つがGTM(Googleタグマネージャー)を経由して利用する場合です。
おすすめは、GTM経由で利用する方法です。少し手間に感じますが、今後の様々な管理が圧倒的に楽になります。但し、GTMをまだ導入していない方は、先にGTM(Googleタグマネージャー)の設定方法を済ませておく必要があります。
GTMを利用する場合は手順4-1へ進んでいただき、GTMを利用しない場合は手順4-2へお進みください。
手順4-1: GTM を使ってサイトに導入する場合
GTMを利用する場合は、新しいブラウザを開いてGTMへアクセスし、管理画面で次のように設定します。
- 「タグ」→「新規」から、タグの種類で 「Googleタグ」 を選ぶ
- 「タグID」の欄に、手順3で控えた測定ID(G- から始まるID)を入力する
- トリガー(タグを動かす条件)に 「Initialization – All Pages(初期化 – すべてのページ)」 を設定する(見当たらない場合は「すべてのページ」でも計測できます)
- プレビューモードで動作を確かめてから、「公開」 を押す
GTMは「公開」を押すまで、どんな変更もサイトに反映されません。設定して満足せず、公開まで済ませてください。
手順4-2: GA単体で利用する場合
GTMを使わずに導入する場合は、計測の仕組みを直接サイトに設置します。
Google Analytics の管理画面で、手順3で作成したデータストリームを開き、「タグの実装手順を表示」から「手動でインストールする」を開くと、貼り付け用の計測コード(Googleタグ)が表示されます。このコードを、計測したいすべてのページの <head> 内に貼り付けます。自社でHTMLを編集できない場合は、サイトの管理を任せている制作会社に設置を依頼しましょう。
補足: WordPressを利用している場合は、テーマやプラグインに「測定IDの入力欄」が用意されていることがあります。その場合は、手順3で控えた測定ID(G- から始まるID)を入力するだけで導入できます。
手順5: リアルタイムレポートで動作確認する
導入できたかどうかは、その場で確認できます。自分のスマホやPCで自社サイトにアクセスした状態で、Google Analytics の「レポート」→「リアルタイム」を開いてください。「過去30分間のユーザー」に1人以上が表示されれば、計測は動いています。反映には時間がかかることがあり、最大30分ほど遅れる場合もあります。数分待っても表示されないときは、GTM経由の場合はGTM側の「公開」を押したか・プレビューモードでタグが動作しているかを、直接設置の場合は貼り付けたページや測定IDに誤りがないかを先に確認してください。
合わせてやっておきたい初期設定
導入の確認ができたら、そのまま3つの設定を済ませておくのがお勧めです。いずれも管理画面(画面左下の歯車「管理」)から行います。
データの保持期間を14ヶ月に延ばす
詳細な分析(後述の「探索」など)に使う個別データの保持期間は、初期設定では2ヶ月と短めになっています。選べるのは2ヶ月か14ヶ月の二択なので、最長の14ヶ月に変更しておきましょう。この設定は「レポート」画面の集計値には影響しませんが、保持期間を過ぎた詳細データは後から取り戻せません。「探索で1年前と比べたい」と思ったときに困らないよう、最初に設定しておくのが肝心です(なお、性別・年齢などの属性データは、この設定に関わらず保持は2ヶ月です)。

Search Console と連携する
管理画面の「サービス間のリンク」にある「Search Console のリンク」から連携します。「リンク」ボタンを押し、確認済みの Search Console プロパティと、手順3で作成したウェブデータストリームを選べば完了です(連携には、Search Console 側の確認済み所有者であることが必要です)。連携しておくと、検索での見え方のデータを Google Analytics 側からも確認でき、「検索結果での入口」と「サイト内での行動」を行き来しながら見られるようになります。データが表示されるまで、最大48時間ほどかかります。

ユーザー属性(性別・年齢層など)の取得を有効にする
訪問者の性別・年齢層・興味関心といった「ユーザー属性」は、初期状態では収集されません。管理画面の「データ収集」から、Googleシグナル(ユーザー属性データの収集)を有効にすると、属性のレポートが使えるようになります。「30〜40代の女性が多い」といった訪問者像が分かると、コンテンツの方向性を判断しやすくなります。
仕組みとしては、全訪問者の属性が個別に分かるわけではなく、Googleにログインし広告のカスタマイズに同意しているユーザーの情報をもとに、集計された形で傾向が表示されるものです。そのため、訪問者が少ないうちは、個人が特定されないよう属性データが表示されないことがあります。また、有効にする場合は、サイトのプライバシーポリシーに、アクセス解析および広告向け機能を利用していること・Cookie等を利用していること・無効化(オプトアウト)の方法を記載してください。

主なデータの見方 — 4つの画面の役割
Google Analytics を開くと、左側に「ホーム」「レポート」「探索」「広告」というメニューが並んでいます。どこを見ればよいのか迷いやすいので、それぞれの役割を押さえておきましょう。
- ホーム:開いて最初に表示される要約画面です。訪問者数の推移などがひと目で分かるので、まず全体の空気をつかむ場所です
- レポート:あらかじめ用意された定型のレポート集で、普段使いの中心になります。訪問者数・流入元・ページ別の閲覧数など、本記事で紹介した「分かること」は基本的にここで確認できます
- 探索:条件を自由に組み合わせて深掘りする分析機能です。使いこなせると強力ですが、まずはレポートに慣れてからで大丈夫です
- 広告:Google広告と連携して成果を確認する画面です。広告を出していなければ、開かなくてかまいません
迷ったら「ホームでざっと眺めて、気になったところをレポートで確かめる」。当面はこの使い方でも十分です。
月次チェックのクセをつける
Search Console と同じく、Google Analytics も「入れて終わり」では意味がありません。月に一度、レポート画面で次の3つだけ確認するクセをつけましょう。数分で良いのでご自身のスケジューラーに「GAを確認する」というタスクを入れておきましょう。
- ユーザー数(またはセッション数)の増減:先月と比べて増えたか、減ったか
- 流入元:どこから来た訪問者が多いか、変化はあるか
- よく見られたページ:訪問者の関心はどこに向いているか
毎月見ていると「いつもと違う動き」に気づけるようになり、その積み重ねが、サイト改善の判断材料になっていきます。
導入・実用失敗事例
- 全然計測されない:この場合は2つの場合が考えられます。1つ目が、計測タグが正しくWebサイト側に設置されていない場合です。計測用のタグがWebサイトに正しく設置されているか確認しましょう。もうひとつが、GTMにGAを設置したもののGTMの「公開」アクションを実施していない場合です。GTMは「公開」を実行しないと更新した内容が実行されません。この場合は、GTMの管理画面から「公開」を実施しましょう
- 計測期間が2か月分しかない:GAは初期設定のままだと2か月分しか計測しません。過去分はそのまま消えていってしまいます。そのため、上述している「データの保持期間を14ヶ月に延ばす」を実行しておきましょう
- 性別・年齢層のレポートがずっと空のまま:ユーザー属性情報は表示されるようになるまで少し時間を必要とするので、設定してから10日程度は待ってみましょう。すでに10日以上経過しているような場合は、取得設定がオフになっている可能性があります。上述している「ユーザー属性(性別・年齢層など)の取得を有効にする」を実行しておくようにしましょう
- 活用できていない:まずは大前提として見る習慣をつけてください。月1回、タスクとして見ることを実行してください。見ても結果的にどう考えればいいのかまったくわからないという場合は、制作会社やWebコンサルなどに相談する事をお勧めしますが、費用がかかる場合もあるのでご注意ください
まとめ
Google Analytics を導入すると、よく見られているページ・流入元・訪問者数の推移・閲覧環境が分かり、感覚ではなくデータで改善を検討できるようになります。設定は「アカウント作成 → 測定IDの確認 → GTMで導入 → リアルタイムで動作確認」の流れで、一度整えれば追加の費用はかかりません。
あわせて、データ保持期間の延長・Search Console との連携・ユーザー属性の取得までを初期設定として済ませ、月に一度の確認から始めてみてください。蓄積したデータを、サイトの改善に活かしていきましょう。
タグ管理の土台となるGTMについてはGTM(Googleタグマネージャー)の設定方法で、検索まわりの計測はSearch Console の設定方法【2026年版】で解説しています。Web担当の仕事を体系的に学びたい方はWeb担当者のガイドブックもご覧ください。
