用語集は行

ブレスト(ブレインストーミング)

概要と 4 原則

複数人でアイデアを自由に出し合う発想法。1948 年にアレックス・F・オズボーンが提唱した、ビジネスで広く使われる古典的フレームワーク。「① 否定しない(批判厳禁)」「② 量を出す(質より量)」「③ 便乗 OK(結合改善)」「④ 突飛 OK(自由奔放)」の 4 原則が基本。

1 時間で 100 個出すような「量重視」が特徴で、質より量の発想で参加者の創造性を引き出す。

Web マーケティングにおける活かし方

実務では、SNS のネタ作り(ネタブレスト)や、サイト改善のための A/B テスト仮説の出発点として活用する。最大のポイントは「一回限りのイベントにしない」こと。月 1 回や隔週などで定例化することで、組織から自然とアイデアが流れ込む仕組み・文化になる。

進行の実務とファシリテーションの作法

  • 【最重要】絶対否定の禁止(心理的安全性):集めている最中は、たとえ社長や上司であっても「それは無理だ」といった否定・評価を絶対に許さないルールを徹底する(※ここで否定が入ると一瞬でお通夜になり、アイデアは死ぬ)。
  • お題のシャープ化:「売上を上げるには?」という広いお題ではなく、「20 代休眠顧客がクリックするメルマガの件名は?」など、事前に問いの解像度を上げておく。
  • ツールと環境:人数は少人数(4〜6 人)がベスト。Miro や Mural などのオンラインホワイトボード、または物理的な付箋という可視化ツールを使う。時間枠は細かく区切る(例:15 分 × 4 ラウンド)。
  • AI の壁打ち活用:初速を出すために、まず ChatGPT 等に「20 個のアイデア」を出させ、人間がそこに便乗・派生させるという現代的なハックも有効。
  • 発散と収束の分離:「アイデアを出す時間」と「仕分け(評価)する時間」は必ず分ける。同時にやると必ず否定が混じるため。

やってはいけない「現場の落とし穴」と防衛策

  • 「楽しかった」で終わる(やりっぱなし):出した後の仕分け・採用フローを設計しておらず、ただ付箋を貼って満足する。必ず後続のステップとして「KJ 法(グループ化)」などで整理し、次のアクション(検証)に繋げること。
  • 否定による沈黙:進行役(ファシリテーター)が参加者のマウントや否定を止められず、後半で誰も喋らなくなる。
  • 散漫な進行と質の低下:目的(事業 KGI 等)を共有せずに集まったため、事業に紐づかない質の悪いアイデアばかりが量産される。
  • AI への丸投げ思考:AI に全部任せてしまい、自社のリアルな顧客事情や人間の独自視点(人間臭さ)を放棄する。
  • 形骸化:記録を残さず継続性がなくなり、ただの雑談会に成り下がる。

言葉をよく利用する人

  • マーケター
  • ライター / コピーライター
  • プロデューサー
  • Web 担当者(発注側)
  • AI 活用担当 / プロンプトエンジニア

会話上での使用例

サイト改善の仮説をブレストで出す場面

  • Web担当者
    サイト改善の仮説、ブレストでアイデアを出そうと思います。
  • マーケター
    いいですね。否定しない、量を出す、便乗OK、突飛OKの4原則を最初に共有しましょう。お題はフォームのCVR改善で、30分で50個目標、仕分けは別の日に。あとAIにも同じお題で20個出させて、人のアイデアと比べると抜けや違いが見えますよ。
  • Web担当者
    なるほど、AIと比較するのは面白いですね。そのやり方でいきましょう。

ブレストが楽しかっただけで終わってしまう問題の場面

  • マーケター
    ブレスト、毎月開いてはいるんですが、アイデアが実際の施策に降りてこなくて。
  • Web担当者
    出した後の流れを設計しましょう。ブレストから仕分け、採用、実行、効果検証まで1サイクルにして、仕分け後のアイデアは意思決定マップに乗せて優先順位を付けます。月次でちゃんと振り返れば、施策化を仕組みで担保できますよ。
  • マーケター
    出して終わりにしないことが大事なんですね。組み直します。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 7-2 ネタ作りの仕組み化