キャズム理論
ジェフリー・ムーアが提唱した、ハイテク製品や新サービスが市場に普及する際に立ちはだかる「キャズム(深く越えがたい溝)」を説明したマーケティング理論です。新サービスは、初期の熱狂的な層から一般的なメイン層へ広がるタイミング(アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間)で大きな断絶が発生しやすく、ここを越えられない多くのサービスが消えていくと説いています(イノベーション普及理論(イノベーションの普及理論))。
5 つの顧客層と、刺さる「LP・広告のメッセージ」
層によって購入の動機がまったく異なるため、Web 担当者は「今どの層に売っているか」を自覚し、訴求軸を段階的に変えていく必要があります(LP)。
| 普及の段階(割合) | 顧客の動機・特徴 | Web・LP での有効なメッセージ |
|---|---|---|
| 1. イノベーター(2.5%) | 新しい技術や目新しさ自体が好き。 | 「世界初」「最新テクノロジー」「β版」 |
| 2. アーリーアダプター(13.5%) | 先取りして自社の競争優位を作りたい。 | 「革新的な効率化」「業界をリードする」 |
| ― ここがキャズム(深い溝):越えられるかが死活問題。「先進性」から「安心感」へ訴求を転換する ― | ||
| 3. アーリーマジョリティ(34%) | 実用性とリスク回避重視。他社の成功事例を見て動く。 | 「導入実績◯◯社」「同業他社の成功事例(導入事例)」「確実な費用対効果」 |
| 4. レイトマジョリティ(34%) | 保守的。皆が使っているから仕方なく動く。 | 「業界シェア No.1」「上場企業の標準採用」「充実のサポート体制」 |
| 5. ラガード(16%) | 変化を嫌う。旧来手法が使えなくなるまで動かない。 | 「旧システムからの簡単乗り換え」「最低コストでの移行支援」 |
よくある落とし穴(スタートアップの死の谷)
- 初期に大ヒットした「革新性」や「新しさ」をアピールする LP のまま、アーリーマジョリティ層(実用性と安心感を求める層)を取りに行こうとして大失敗する。
- コンバージョン(CV)が伸び悩んだ際、キャズムに直面していることに気づかず、「広告費の不足」や「デザインのせい」だと勘違いして的外れな改善をしてしまう。
- レイトマジョリティ層を取りに行くフェーズで、社会的証明(業界 No.1、団体推奨など)の獲得を怠り、競合にシェアを奪われる。
言葉をよく利用する人
- マーケター
- 経営層
- Web 担当者(発注側)
- プロデューサー
- ライター / コピーライター
会話上での使用例
新規SaaSの伸び悩みを、経営層とWeb担当者で議論する場面
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経営層
立ち上げ当初は順調だったのに、ここ最近は伸びが鈍ってきている。何が起きているんだ。
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Web担当者
キャズム理論でいう、アーリーアダプターからマジョリティへ移る際の深い溝に差しかかっているのかもしれません。ランディングページの訴求を「先進性」から「導入実績や同業他社の採用事例」へ切り替えて、反応を検証してみましょう。
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経営層
なるほど、刺さる相手が変わったということか。
ランディングページのリニューアル方針を、マーケターとWeb担当者で固める場面
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マーケター
いまのランディングページ、立ち上げ当初からほとんど手を入れていないんです。
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Web担当者
ではキャズム理論の視点で、いま狙うべき層を一度見直しましょう。すでにアーリーマジョリティ層が中心なら、機能の目新しさよりも、業界での実績や導入企業名のような安心材料を前面に出したほうが響きます。
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マーケター
相手の層に合わせてメッセージを変える、ということですね。