LTV(Life Time Value)
よみ: エルティーブイ
1 人の顧客が、初回購入から取引を終了するまでの間に、自社にもたらしてくれる「総売上(または利益)」のことです。SaaS、サブスクリプション、リピート通販、保険などの「継続型ビジネス」において最も重要な指標の一つであり、広告予算の決定やカスタマーサクセスへの投資判断に使われます。
なぜ重要なのか?(LTV ベースの思考)
初回の獲得単価(CPA)だけで広告の費用対効果(ROAS)を評価してはいけません。初回購入時は「赤字」に見える施策でも、LTV(その後のリピートや紹介)を含めて計算すると、実は「優良顧客を獲得できる黒字施策」であることが多々あります。LTV ベースの思考を持たないと、機会損失を見逃してしまいます。
LTV の基本的な計算式
- 売上 LTV = 平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間
- 利益 LTV = 売上 LTV × 利益率
実務における活用の目安とポイント
- CAC(顧客獲得コスト)の上限:新規顧客を 1 人獲得するためのコストは、「利益 LTV の 3 分の 1」に収めるのが理想的な目安です(残り 3 分の 2 で運営費を賄い、利益を出します)。
- セグメント別に見る:全体平均ではなく「流入チャネル別」や「企業規模別」に LTV を出し、どこに予算を投下すべきか判断します。
- 期間の設計:無限に続くわけではないため、実務では「BtoB は 3 年」「BtoC は 5 年」など期間を区切って算出します。
よくある落とし穴(注意点)
- LTV を計算する仕組みがなく、初回の獲得単価だけで広告の良し悪しを判断している。
- セグメント別の違いを無視して「平均値」だけで経営判断を下してしまう。
- 解約率(チャーンレート)の計算が甘く、LTV を過大評価(高く見積もりすぎ)している。
- 既存顧客向けの「アップセル(上位商品への移行)込みの LTV」を、新規顧客の獲得コスト計算にも当てはめてしまう。
- サービスの「値上げ」を行った際、解約率の変動によって LTV が急変する可能性を見落とす。
言葉をよく利用する人
- マーケター
- 広告運用者
- カスタマーサポート
- Web 担当者(発注側)
- 経営層
会話上での使用例
初回の獲得単価だけで広告を赤字判断しそうになった場面
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広告運用者
初回の獲得単価が 5 万円で、受注単価が 3 万円。これは赤字ですね。
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Web 担当者
LTV ベースで計算し直しましょう。三年分の生涯価値が 30 万、利益率 40 パーセントなら、利益ベースで 12 万円。その三分の一を許容コストとすると 4 万円なので、初回 5 万なら微赤ですが、シナリオ次第で許容内に入ります。三年分の試算で経営層に説明しましょう。
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広告運用者
なるほど、長期で見れば違う絵になりますね。試算表を作ります。
カスタマーサクセスへの投資判断を相談する場面
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マーケター
カスタマーサクセスを強化したくて、月に 100 万円ほど投資できればと考えています。
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Web 担当者
解約率を 5 パーセントから 3 パーセントに下げられれば、LTV は 1.4 倍になります。既存が 1,000 社なら、増えた分を掛け合わせて年間の効果が試算できます。月 100 万の投資に対する年間の見返りで判断して、意思決定マップに乗せて経営層と議論しましょう。
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マーケター
では解約率の改善幅で効果を出して、提案資料にまとめます。