用語集ら行

リターゲティング広告

一度自社サイトを訪問したユーザーに対して、後から別のサイトやアプリ上で広告を再表示する手法。ブラウザの「Cookie」やスマホの「広告 ID」で訪問履歴を追跡し、訪問後 7 日〜30 日など熱量の高いユーザーに集中して配信する。Google 広告では正式名称で「リマーケティング」と呼ばれる(概念はリターゲティング / リマーケティングと同じ)。

最大の特徴:強力な呼び戻し効果と「ストーカー化」のリスク

Web 担当者が運用型ディスプレイ広告で必ず触れる超重要施策。CV(コンバージョン)(購入やお問い合わせ)せずに離脱した人の呼び戻し、EC サイトでの「カート離脱者(カゴ落ち率)へのリマインド」、あるいは購入者へのクロスセル(別の関連商品も買ってもらうこと)など、幅広い目的で活用される。現場で絶対に忘れてはいけないのが、リターゲティングは「頻度設計(フリークエンシー)」が命だということ。「昨日買ったばかりの靴の広告が、その後 1 ヶ月間あらゆるサイトで執拗に追いかけてくる」といった体験を思い浮かべてほしい。同じ広告を何度も見せすぎると、ユーザーに強い嫌悪感(ブランドからの離反)を抱かせ、完全に逆効果になる。

運用の要点と、現場でよくある「落とし穴」

  • 頻度の上限管理(フリークエンシーキャップ)論点=「1 ユーザーあたり週 5 回程度」などを目安に表示頻度の上限を設定し、配信しすぎていないか定期的に管理画面でチェックする。また、訪問からの経過日数(直後なのか、2 週間後なのか)でバナーのメッセージを変える設計が理想。落とし穴=上限設定や「購入者の除外」を忘れ、しつこい広告でブランドイメージを大きく毀損してしまう。
  • 「過去の成功体験」への依存と Cookie 規制論点=近年、世界的なプライバシー保護の観点から、Apple(iOS)の「ITP(トラッキング防止機能)」強化や、Google Chrome のサードパーティ Cookie 規制の動きが進み、ユーザーを追跡する精度は年々低下している。落とし穴=担当者が「昔はリタゲだけやっていれば儲かった」という過去の感覚のまま運用を続け、成果悪化の理由に気づけない。これからの時代は、自社の CRM(顧客管理システム)にある顧客データ(ファーストパーティデータ)を広告媒体と連携させる「カスタマーマッチ」などに軸足を移すという、運用前提のアップデートが必須。

言葉をよく利用する人

  • 広告運用者
  • マーケター
  • Web 担当者(発注側)

会話上での使用例

リターゲティングを毎日配信したいという要望に、頻度設計を助言する場面

  • 広告運用者
    リターゲティング、毎日配信したいんですが大丈夫ですか。
  • Web担当者(発注側)
    リターゲティング広告の頻度は週5回くらいを上限にしましょう。同じ広告を見せすぎると、かえって嫌悪感を持たれて逆効果になってしまうので。
  • 広告運用者
    わかりました。頻度に上限を設定して配信します。

リターゲティングの効果が落ちていると相談を受け、前提の更新を促す場面

  • マーケター
    リタゲの効果が、ここ最近どんどん落ちている気がします。
  • Web担当者(発注側)
    リターゲティング広告はクッキー規制で計測精度が下がっているんです。これからは自社CRMと連携したファーストパーティデータに軸足を移していく方向で考えましょう。
  • マーケター
    なるほど、規制の影響なんですね。CRM連携を検討してみます。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 7-3 広告運用の基礎