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スクラッチ

WordPressなどの既存の CMSやテンプレートを一切使わず、ゼロから(素の HTML / CSS / JavaScript などで)Web サイトを制作する方式のことです。

デザインやシステムの自由度が非常に高い一方で、開発費やその後の保守費が高くなりやすい傾向があります。

実務における「スクラッチ」と「CMS」の使い分け

「なんでも CMS」「なんでもスクラッチ」といった極端な判断は避け、サイトの目的や更新頻度に応じて使い分けるのが基本です。

【スクラッチが向いているケース】

  • 1 回限りの LP(ランディングページ)や、数ヶ月で終わるキャンペーンサイト。
  • 独自インタラクション(特殊なアニメーションや複雑な動き)を実装したい時。
  • 極限までアクセシビリティや表示速度を追求したい時。

【CMS が向いているケース】

  • 中小企業のコーポレートサイトなど、自社で継続的に更新していくサイト。
  • 記事や実績の投稿が 100 件を超えるような規模。
  • 複数権限ロール(管理者や編集者など、人によって触れる範囲を変えたい)が必要な場合。

初心者が陥りがちな「4 つの落とし穴」

  • 「スクラッチ=SEOに強い」という勘違い:業者の営業トークで「スクラッチの方が速くて SEO に強い」と言われることがありますが、実態は適切な CMS 構築と同等であることがほとんどです。
  • ベンダーロックイン(業者への依存)制作会社独自のフレームワーク(システム)でスクラッチ開発された結果、他の制作会社への引き継ぎが不可能になる。
  • 保守費用の高止まり:自社でテキストひとつ修正できず、コンテンツ追加のたびに業者へ依頼することになり、ランニングコストが跳ね上がる。
  • 後からの CMS 化によるコスト増大:とりあえずスクラッチで作ったサイトを後から「やっぱり CMS にしよう」とすると、コード構造を一から作り直すことになり莫大な改修費用がかかる。

言葉をよく利用する人

  • Web 担当者(発注側)
  • ディレクター
  • コーダー / フロントエンドエンジニア
  • プロデューサー
  • 経営層

会話上での使用例

キャンペーンLPをスクラッチで作るかCMSにするか業者と相談する場面

  • 業者ディレクター
    今回のキャンペーンLPは、スクラッチとWordPressの子テーマ、どちらで作りましょうか。
  • Web担当者
    更新は最初の2週間だけで、そのあとは手を入れない予定なんです。
  • Web担当者
    それならスクラッチで素早く作っていただいて、3ヶ月後にアーカイブ化する前提でお願いします。継続更新がないものは、その方が身軽ですよね。

コーポレートサイトをスクラッチで作ろうとした業者を止める場面

  • 業者ディレクター
    自由度が高いので、コーポレートサイトはスクラッチで組んでしまいましょう。
  • Web担当者
    ただ、事例ページを月に5件くらい自分たちで追加していきたいんです。
  • Web担当者
    スクラッチだと毎回業者さんに依頼することになって保守費が高止まりするので、WordPressのカスタム投稿で組み直してもらえませんか。比較用にスクラッチ案の保守費見積も並べていただけると助かります。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 3-2 RFP と予算の伝え方