用語集A〜Z

WordPress

よみ: ワードプレス

世界の Web サイトの 4 割以上で使われている、世界シェア No.1 のオープンソース(無償で公開され、誰でも自由に使える)の CMS(更新システム)。「テーマ」でデザインの着せ替えを行い、「プラグイン」で機能を無限に拡張できるため、ブログ、コーポレートサイト、EC(ECサイト)(WooCommerce 等)、会員サイトまで幅広く構築できる。日本国内でも対応できるエンジニアの数が他 CMS に比べて圧倒的に多いのが強み。

最大の特徴:「なんでもかんでも WordPress」は絶対 NG。保守コストとの天秤

現場で絶対に陥ってはいけないのが、「とりあえず WordPress で作っておこう」という思考停止。WordPress は強力な反面、PHP(動かしている言語)や本体・プラグインのバージョンアップといった「保守・メンテナンス」が永遠に付きまとう。月 1 回しかお知らせを更新しないサイトであれば、WordPress を入れると「更新の手間」より「保守のコストとリスク」の方が重くなる。「月に 5 件以上記事を追加するなら WordPress」「それ以下なら静的サイト(HTML)」、あるいは「STUDIO や Wix、Shopify のような、保守・サーバ管理を丸投げできる SaaS 型 CMS で済むならそちらを選ぶ」という判断軸を持つことが、無駄なコストを防ぐ第一歩。

運用の要点:制作業者と握るべき「要件定義」のチェックリスト

業者に発注する際、担当者は以下の点に目を光らせる。

  • プラグインを無駄に 20 個も詰め込むような構成になっていないか(数が多ければ多いほど、アップデート時にバグが起きて保守コストが跳ね上がる)。
  • 利用するテーマやプラグインは、開発者が現在もサポート(更新)を続けているか。
  • サーバが最新の推奨スペック(PHP 8.x 系や必要なメモリ等)を満たしているか。
  • 本番公開前にテストができる「ステージング環境」を用意しているか。
  • ロール(権限(パーミッション))設計:全員に「管理者」権限を渡さず、「編集者」「投稿者」など適切に区別しているか。

現場でよくある「落とし穴」

WordPress は「入れて終わり」ではない。月次の保守を怠ると、会社を揺るがす大惨事になる。

  • 「functions.php 直書き」による画面真っ白の悲劇:制作業者が手間を省き、テーマのデザインを「functions.php(裏側の重要ファイル)」に直接書き込んでカスタマイズして納品してしまう(※本来は『子テーマ』という安全な仕組みを使うべき)。悲惨な末路として、納品後、担当者がセキュリティのために良かれと思ってテーマの「更新」ボタンを押した瞬間、業者が書いた独自デザインがすべて上書きされて消滅し、画面が真っ白になってサイトが完全に死ぬ(復旧に多額の費用がかかる)。
  • 放置による「サイト改ざん」とスパム認定:プラグインや本体の更新を数ヶ月サボって放置し、ハッカーに脆弱性(システムの弱点・裏口)を突かれる。悲惨な末路として、ある日突然、自社のコーポレートサイトが海外の違法サイトやアダルトサイトにすり替えられる。さらに Google から「危険なサイト」としてスパム認定され、検索順位が圏外に吹き飛び、企業の信用が完全に失墜する。
  • 初期設定の放置による不正ログイン:管理画面の URL を初期値(/wp-admin/)のままにし、IP 制限もかけない。結果、世界中のボットから総当たり攻撃(パスワードを無数に入力して突破する攻撃)を受け続け、あっさり乗っ取られる(ログイン防御や WAFの導入が必須)。

言葉をよく利用する人

  • Web 担当者(発注側)
  • コーダー / フロントエンドエンジニア
  • ディレクター
  • 情シス
  • バックエンドエンジニア

会話上での使用例

リニューアル提案でCMSの選択肢を業者と詰める場面

  • Web 担当者
    事例ページを月に5件から10件くらい追加していく予定なんですが、やっぱりWordPress一択でしょうか。
  • 業者ディレクター
    はい、その更新頻度と運用人数なら、WordPressにカスタム投稿を組み合わせるのが現実的です。プラグインは最小限にして、管理画面のURLは変更、IP制限とWAF、自動バックアップを月次保守に含めましょう。
  • Web 担当者
    わかりました。では保守費用も込みで、もう一度見積もりを出してもらえますか。

同業他社の改ざん事例を聞いて社内点検する場面

  • 経営層
    同業がWordPressで改ざんされたらしい。うちは大丈夫なのか。
  • Web 担当者
    本体とプラグインがちゃんと最新になっているか、ログインのIP制限とバックアップの状況を確認します。総当たり攻撃を受ける前提で、二要素認証も入れる方向で業者に依頼しておきますね。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 1-5 HTML / CSS / JavaScript と CMS