WAF(Web Application Firewall)
よみ: わふ
Web サイトの裏側で動くアプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を検知し、遮断するためのセキュリティ機構。従来の「ファイアウォール(ネットワークの門番)」では素通りしてしまう、通信の中身(HTTP リクエスト)に紛れ込んだ巧妙な攻撃を防ぐ。具体的には、SQL インジェクション(データベースを不正操作して顧客情報を盗む攻撃)、XSS(悪意のあるプログラムを画面に埋め込む攻撃)、パストラバーサル(非公開のファイルに不正アクセスする攻撃)などをブロックする。
運用の要点:「無差別テロ」からサイトを守る必須装備
基本方針として、フォームを持つすべてのサイトで導入を推奨する。特に EC、会員制サイト、個人情報を扱うサイトでは「必須レベル」。初心者は「うちは中小企業の小さなサイトだから狙われないだろう」と勘違いしがちだが、攻撃者のボット(自動プログラム)は標的を選ばず、世界中の IP アドレスを 24 時間体制で無差別にスキャンして弱点を探している。特に WordPressなどのメジャーな CMSを使っているサイトは、常に狙われていると考える。
WAF の 2 つのタイプと導入ステップ
- サーバ常駐型:レンタルサーバの管理画面からボタン 1 つで有効化できるもの(SiteGuard Lite・ModSecurity など)。まずはこれを ON にするのが現実的な第一歩。
- クラウド型:Cloudflare や AWS WAF など、サイトの手前(DNS の切り替え)に挟み込むタイプ。より高度な設定が可能で、大規模サイトで重宝される。標準の WAF で足りないと判断したら追加する。
現場でよくある「落とし穴」
セキュリティを強固にした結果、「味方まで撃ち殺してしまう」のが WAF 運用の最も恐ろしい罠。
- 「過剰防衛(誤検知)」によるお客様の激怒と CV 消失:WAF を導入して安心し、問い合わせフォーム(メールフォーム)のテスト送信を行わずに放置する。悲惨な末路として、正当なお客様が、「SELECT」など攻撃者がよく使うキーワードが含まれた文章や、長文の自由記述、添付ファイルを送信しようとした際、WAF が「攻撃だ!」と誤検知してブロックしてしまう。お客様はエラー画面を見て激怒し、二度と戻ってこない。これは「セキュリティシステムが勝手に自社の売上(CV(コンバージョン))をドブに捨てている状態」。
WAF は「導入して終わり」ではない。導入直後に自社の重要フォーム(問い合わせ・採用エントリー・資料 DL など)を必ず自分で送信テストし、運用開始後も定期的に検知ログを見て「本当のお客様が弾かれていないか」を監視・調整し続けることが、Web 担当者の絶対の責任。
言葉をよく利用する人
- インフラエンジニア
- バックエンドエンジニア
- Web 担当者(発注側)
- 情シス
会話上での使用例
採用サイトで応募が届かないという問い合わせが急増した場面
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Web担当者
先週から、応募完了のメールが来ないという連絡が複数来ています。テストでは普通に送れるんですが。
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インフラエンジニア
WAFの検知ログを見てみましょうか。履歴書や学歴のような長文の自由記述が含まれた送信が、攻撃と誤って判定されてブロックされていた事例が他社でもありました。
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Web担当者
お願いします。応募者の方には個別に再送のお願いを入れます。
同業他社の改ざん事故を聞いて経営層から自社の安全性を確認された場面
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経営層
同業他社がサイトを改ざんされたらしい。うちは大丈夫なのか。
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Web担当者
今のサーバ標準のWAFは有効になっています。それに加えて、前段にもう1段防御を入れる構成も検討します。月額数千円で攻撃を手前でブロックできるので、安心感が増します。