ユーザビリティ
基本的な意味と UX における位置づけ
サービスや製品が「特定の利用者にとって、特定の目的を達成するために、効率的・効果的・満足に利用できる」度合いのこと(ISO 9241-11 の定義)。「アクセシビリティ(障害の有無等に関わらず誰でも使えること)」と並ぶ、UX(UI / UX)(ユーザー体験)を構成する中核概念。
現場における核心:コンテキストと継続改善
核心は、ユーザビリティが「利用状況(コンテキスト)」によって激変するということ。「オフィスで PC に座って使う」のと「満員電車でスマホを片手で使う」のでは正解が異なる。また、「一度作って終わり」は絶対にあり得ず、「継続改善が前提」となる。リリース後は、ユーザーテスト・ヒートマップ・A/B テストを駆使し、「エラー率(入力ミス等の頻度)」「タスク完了時間(目的達成までの速さ)」「主観的満足度」の 3 つの指標で泥臭く改善を回し続ける。
実務における評価手法(専門家評価とデータ評価)
- ヒューリスティック評価(ヒューリスティック分析)(事前の防衛):データが貯まる前や制作段階では、ヤコブ・ニールセンの「ユーザビリティ 10 原則」などの経験則に基づき、専門家の目線で明らかな使いにくさ(UI の不整合など)を事前に潰す。
- データドリブンな改善(事後の特定):リリース後は、エラー率や離脱率(直帰率)(定量)で「どこでつまずいているか」を特定し、ユーザーテストやセッションリプレイ(定性)で「なぜつまずいているか」を観察して優先順位を決定する。
Web 担当者が陥りやすい落とし穴とリアルな対策(組織の壁)
- 「自社目線の主観」による判断の罠:担当者が「自分は使いやすいと思うから大丈夫」と、自社の業務知識を前提に判断してしまうこと。
- 【最重要】経営層の「俺は使いにくい」への対抗:現場で最大の壁となるのが、決裁権を持つ上司や社長の「俺はこれ使いにくいと思うから直して(=HiPPO)」という主観的な鶴の一声。担当者はこれに対し、「社長はペルソナではありません」「ヒートマップのデータでは、9 割のターゲットユーザーが迷わず通過しています」と、客観的なデータを盾にして論理的に軌道修正する交渉力(したたかさ)が求められる。
言葉をよく利用する人
- Web 担当者(発注側)
- デザイナー
- ディレクター
- プロデューサー
- アクセス解析担当
会話上での使用例
サイトのどこから改善するかプロデューサーと話している場面
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プロデューサー
サイト改善、どこから手をつけるのがいいかな。
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Web担当者(発注側)
ユーザビリティを軸にデータで決めましょう。エラー率とか、目的を達成するまでにかかる時間を見れば、つまずいている箇所が特定できます。そこから優先順位をつけていくのが確実です。
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プロデューサー
なんとなくの印象で決めずに、数字で見るんだね。
サイトが使いにくいかもとマーケターから相談された場面
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マーケター
うちのサイト、なんとなく使いにくい気がするんですよね。
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Web担当者(発注側)
その感覚、ユーザビリティをユーザーテストで一度数値化してみませんか。主観だけだと「使いにくい気がする」で止まってしまって方向性が決められないので、定量と定性の両面から課題を見える化したいです。