薬機法(旧:薬事法)
基本的な意味と対象
医薬品・医療機器・化粧品・健康食品などの広告表現を厳しく規制する法律(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)。健康食品・化粧品・サプリ・美容系クリニック等を扱う Web 担当者にとっては、事業の存続を左右する最重要法令です。
現場における核心とビジネスリスク(課徴金の恐怖)
効能効果の誇張や虚偽表現は違法となり、行政指導、刑事罰(逮捕)、そして「課徴金(違反期間中の売上の 4.5% を没収)」の対象となります。「見つかったら直せばいい」ではなく、一発で事業利益が吹き飛ぶ致命傷になります。
化粧品で「シミが消える」、健康食品で「がんに効く/痩せる」、医療機器以外で「治療できる」といった表現は明確な NG。さらに「サポート」「対策」などのグレーゾーンも複雑なため、担当者の独断(自己判断)は絶対に避け、必ず法務や専門家を通す承認フローを設けるのが基本です。
実務における運用・ディレクション体制
- 事前のレギュレーション共有:制作会社、ライター、AI 生成ツールに対して薬機法の NG 表現リスト(NG ワード)を事前共有し、企画段階でブロックする。
- 専門家の配置:社内承認フローに薬機法専門のチェッカー(有資格者や外注法務)を必須で組み込む。AI 校正ツールは「一次スクリーニング(補助)」に留め、最終判断は必ず人が行う。
- ガイドラインの熟読:JARO(日本広告審査機構)や各業界団体の最新ガイドラインを常に手元に置く。
Web 担当者が陥りやすい落とし穴とリアルな対策(NG 事例)
- 他社の真似と古い常識の罠:「競合も書いてるから OK」と真似て自社だけ摘発される。また、「※個人の感想であり効果を保証するものではありません」という注釈(打消し表示)は、現在では免罪符にならず違法(景表法違反含む)とみなされます。
- 外部パートナーの暴走による「広告主の逮捕」:アフィリエイター(アフィリエイト)やインフルエンサーが成果報酬欲しさに勝手に過剰表現をした場合でも、「依頼した広告主(自社)」が書類送検される時代です。外部発信者の監視と規約整備が不可欠です。
- 進行管理の崩壊(直前チェック):専門家の法務チェックを「公開前日」に持ち込み、「全部書き直し」となってスケジュールが完全に崩壊する。チェックは必ずラフ(構成案)の段階で一度通すべきです。
- AI による汚染と社員の SNS:AI に書かせた原稿に「治る」「効果がある」がしれっと混入する。また、公式アカウントだけでなく、社員個人の SNS発信から違反を指摘され炎上する。
言葉をよく利用する人
- 法務 / 契約担当
- ライター / コピーライター
- マーケター
- Web 担当者(発注側)
- 広告運用者
会話上での使用例
化粧品のLP原稿でAIが書いた表現が法的に問題ないか確認する場面
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マーケター
AIに書かせた化粧品LPなんですが、「シミが薄くなる」って表現、このまま出して大丈夫ですかね。
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法務 / 契約担当
それは薬機法に引っかかります。化粧品で言える効能は範囲が決まっていて、「シミを薄くする」は使えません。「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」のような認可範囲の言い回しに直してください。最終的にはこちらの法務チェックを必ず通してくださいね。
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マーケター
わかりました。AIの原稿は素通しにせず、必ずチェックに回すようにします。
健康食品のお客様の声を掲載する前に表現を相談する場面
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Web担当者
健康食品の事例ページに、お客様の感想で「飲んだら体調が良くなった」というのが届いているんですが、載せても問題ないでしょうか。
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法務 / 契約担当
個人の感想でも、効能効果をうたっていると取られると薬機法に触れる可能性があります。「気分転換になった」「毎日の習慣に取り入れている」くらいの事実描写なら大丈夫です。掲載前にこちらで最終確認させてください。