用語集ら行

ロジックツリー

1 つの大きな課題(木の幹)を、上位から下位へと論理的に分解していく構造化図のこと。マッキンゼー・アンド・カンパニーが体系化し、コンサルティング業界のみならず、現代ビジネスの標準ツールとなっている。最大のルールは、MECE(ミーシー:漏れなく・ダブりなく)の原則で枝分かれさせること。最下層(葉っぱの部分)には、具体的な「施策・原因・要素」が並ぶ形になる。

運用の要点:Web 担当者の頭の中を整理する「最強の武器」

Web 担当者にとって、サイトの KGI(最終目標:売上〇〇万円など)から KPI(中間指標:アクセス数や成約率など)を分解する際や、「なぜ離脱率(直帰率)が高いのか?」といった原因分析、改善施策の優先順位付け(4 象限分析)を行う際の土台になる。

【具体例】「Web 経由の売上を上げる」のロジックツリー

  • 枝 1:アクセス数を増やす(SEO対策、広告出稿、SNS 運用...)。
  • 枝 2:CVR / 成約率を高める(入力フォームの改善、ボタンの配置変更...)。
  • 枝 3:客単価を上げる(まとめ買い割引、関連商品のレコメンド...)。

このように切り口を立てて枝を伸ばすと、会議で議論が散らからない。

最大の特徴:MECE の呪縛に囚われず「数値化しにくいもの」を残す勇気

現場で絶対に押さえておきたいのは、ロジックツリーは「考えを整理する」ためのものであって、「考えを止める(思考停止する)」ためのものではないという点。MECE(漏れ・ダブりなし)の美しさにこだわるあまり、本質的だが整理しにくい要素を切り捨ててしまっては本末転倒。特に、定量(数字)と定性(ユーザーの感情)が複雑に絡み合う Web の領域では、ツリーの末端に「ユーザーの不安感」といった数値化しにくい要素を残す勇気もプロには必要。

現場でよくある「落とし穴」

ロジックツリーは、書き方を間違えるとただの「お絵かき」になる。

  • 「思いつきの羅列」による階層の崩壊:ツリーの枝が論理的な分解ではなく「思いつき順」に伸びてしまう。「SEO 対策(大きな施策)」という枝の真横に、いきなり「ボタンの色を赤にする(細かすぎる施策)」が並ぶなど、階層のレベルが揃っていない状態で、「図が書けた(整理できた)」と満足してしまう。
  • MECE チェックの怠慢:一度書き出した後に「相互排他性(ダブりがないか)」と「網羅性(見落としているルートがないか)」を確認しないため、根本的な解決策を見落としたまま的外れな施策を実行してしまう。

言葉をよく利用する人

  • Web 担当者(発注側)
  • マーケター
  • アクセス解析担当
  • ディレクター
  • 経営層

会話上での使用例

サイトのKGIをKPIまで分解できるか経営層に聞かれる場面

  • 経営層
    今期のサイトの目標、KPIのレベルまで落とし込めるかな。
  • Web担当者
    ロジックツリーで分解します。大きな目標を流入とCVRとLTVに分けて、そこからさらに細かい行動指標まで枝を伸ばしていきますね。
  • 経営層
    では分解したものを次回見せてくれ。

カート離脱が増えた原因を解析担当と分析する場面

  • アクセス解析担当
    最近、カートからの離脱が増えているんです。
  • Web担当者
    ロジックツリーで離脱の要因を分解してみましょう。技術系、コンテンツ系、心理系の3つの枝に分けると、漏れなく見られて議論も散らからないですよ。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 2-4 KGI と KPI の設計