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ロスリーダー価格設定

特定の商品をあえて「原価割れ(赤字)」の破格で販売して大量の顧客を集め、他の本命商品を買ってもらうことでトータルの利益を確保する価格戦略(Loss=損失を出してでも、Leader=顧客を自社に導くための商品、という意味合い)。現実世界の「スーパーの赤字覚悟の卵(ついでに他の食材も買ってもらう)」「ガソリンスタンドの低価格給油(車検や整備で稼ぐ)」のほか、Web の世界でもフリーミアム(基本無料・機能制限付きの SaaS)などで頻繁に使われる典型的なビジネスモデル。

最大の特徴:集客と収益化を「ひとつの流れ」で組む必須条件

大前提として、「次の購買への導線」が緻密に設計されていることが絶対に必要。入口の目玉商品で客を集められても、本命の高利益商品への自然な誘導がなければ「ただ赤字をバラ撒いただけ」に終わる。実務では、新規集客のための LP(ランディングページ)での初回限定価格、SaaS の料金設計、EC(ECサイト)サイトのセール設計などで関わる。「入口を破格で見せ、本命を後から提案する」というシナリオ作りがマーケターの腕の見せ所。

現場でよくある「落とし穴」

「安くすれば売れるだろう」という安易なロスリーダー戦略は、会社を傾かせる。

  • 「チェリーピッカー」の大量発生による大赤字:「初回お試し 100 円!」などの広告を出した結果、特売品という「美味しいところ」だけをかすめ取っていく客(チェリーピッカー)ばかりが殺到してしまう。悲惨な末路として、100 円だけ払って即離脱(解約)する客で溢れかえり、本命商品の購買に一切繋がらず、広告費と原価だけが垂れ流しになって大赤字に陥る。
  • 「次への導線」の設計不足:安い商品を買って満足して帰られてしまう。これを防ぐには、同じカート画面で「送料無料になるまであと〇円(別の本命商品を提示するクロスセル設計)」や、「数日後に本命商品の割引クーポンを送るメルマガ(メールマガジン)の追客設計」など、次のステップへ引き上げる強制的な仕組みが絶対に不可欠。

言葉をよく利用する人

  • マーケター
  • Web 担当者(発注側)
  • 広告運用者
  • プロデューサー
  • 経営層

会話上での使用例

フリーミアムSaaSの設計をレビューする場面

  • プロデューサー
    無料プランで集客は伸びているのに、有料化率が上がらないんです。
  • Web担当者
    ロスリーダー価格設定としては入口の集客はうまくいっています。問題は次の段への導線で、無料の上限に達したタイミングで有料化を案内する流れを強化しましょう。
  • プロデューサー
    集客と収益化を一本の流れにしないと、無料で止まってしまうわけですね。

ECの目玉商品を設計する場面

  • マーケター
    セールの目玉商品をもっと増やしたいんです。
  • Web担当者
    ロスリーダー価格設定で集客はできますが、本命商品への導線がないと赤字だけが残ります。
  • Web担当者
    同じカートで関連商品を提案するクロスセルや、まとめ買いの組み合わせとセットで設計して、ちゃんと利益が出る形にしましょう。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 7-5 メールマーケティング