用語集あ行

NPS(Net Promoter Score)

よみ: えぬぴーえす

「この商品・サービスを友人や同僚に勧めたいですか?」という質問から、顧客のロイヤリティ(愛着度・信頼度)を測る指標です。SaaSECサイト、カスタマーサクセスの領域で標準的に使われています。

計算方法

回答を 0〜10 点の 11 段階で評価してもらい、以下の 3 つのグループに分けます。

  • 推奨者(9〜10 点):熱心なファン。
  • 中立者(7〜8 点):満足しているが、熱狂的ではない(計算からは除外)。
  • 批判者(0〜6 点):不満を持っている、または他社へ乗り換える可能性が高い。

【計算式】推奨者の割合(%) - 批判者の割合(%) = NPS(-100〜+100 で算出)。

最も重要なポイント

数字そのものよりも、「なぜその点数を付けたのか(理由)」を聞き出すことが本質です。定性的な理由を深掘りすることで、改善の優先順位やプロダクトの強みが明確になります。

実務における運用・分析の論点

  • 設計:計測頻度(年 1 回・四半期など)、タイミング(契約直後・1 年後・解約時)、対象者(全顧客かアクティブユーザーか)を揃えて定点観測する。
  • 比較:BtoB SaaS の場合、NPS「30〜40」は優良企業の目標目安となる。絶対値ではなく、業界平均や自社の過去数値と比較する。
  • 連動:解約率(チャーンレート)や LTV(顧客生涯価値)などの指標と組み合わせて分析する。

よくある落とし穴(注意点)

  • 批判者の「理由」を深掘りせず、表面的な数字のアップダウンだけを追ってしまう。
  • 契約直後の「期待値が高い時期」だけ計測し、実態より高いスコアを出してしまう。
  • 誘導的な質問文(例:「素晴らしい体験でしたか?」)で、数字を操作してしまう。
  • 事例や広告で引用する際、調査時期や母数を明示せず「優良誤認(景表法違反リスク)」を招いてしまう。
  • サンプル数が少なすぎて、統計的に有意(統計的有意性)とは言えない数字で経営判断をしてしまう。

言葉をよく利用する人

  • マーケター
  • カスタマーサポート
  • Web 担当者(発注側)
  • 経営層
  • プロデューサー

会話上での使用例

事例ページに NPS の数字を載せたい場面

  • マーケター
    事例ページに「NPS 60 を達成」と大きく書きたいんですけど。
  • Web 担当者
    いい数字なんですが、優良誤認にならないよう「2026 年自社調査、回答 120 名、推奨者から批判者を引いて算出」みたいな前提を併記しましょう。批判者の不満をどう解消したかの経緯も添えると、ぐっと説得力が出ますよ。

経営層が NPS の数字の低さだけを気にしている場面

  • 経営層
    NPS が 30 か。ずいぶん低いんじゃないか。
  • Web 担当者
    BtoB SaaS の業界平均が 30 から 40 なので、当社はちょうど真ん中あたりなんです。大事なのは数字より中身で、推奨者と批判者がそれぞれ何を感じているか。次回のレビューで「推奨者の声」と「批判者の声」をまとめてお持ちします。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 5-5 事例コンテンツの作り方