フレーミング効果
概要と行動経済学の背景
提示される情報の内容が全く同じでも、その「提示の仕方(枠組み=フレーム)」によって受け手の意思決定や判断が大きく変わる心理効果・バイアスのこと。
行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって研究された代表的な理論であり、例えば手術の説明で「成功率 90%」と伝えるか「失敗率 10%」と伝えるかでは、前者の方が圧倒的に好印象を与え同意を得やすい、といった事象を指す。
現場の核心:CVR を左右する「誠実な」切り取り方
Web マーケティングにおいて重要なのは、これを「誠実な範囲で活用すること」である。
嘘をついたり事実を歪めたりするのは絶対に NG であり、あくまで「事実の中から、受け手にとって最も有益(または重要)な側面を強調して見せる」のが正しい使い方。全く同じ商品・事実であっても、表現(フレーム)次第で LP の CVR(コンバージョン率)が何倍にも大きく変わる強烈な効果を持つからこそ、担当者の倫理観と誠実さが問われる。
実務におけるコピーライティングと LP 設計のテクニック
- 価格表示の細分化:「年間 12 万円」という大きな出費を見せるのではなく、「月額換算たったの 1 万円」「1 日あたりコーヒー 1 杯分」のように分解して見せ、心理的ハードルを下げる。
- ポジティブとネガティブの使い分け:基本的な商材では「失敗を防ぐ」より「成功を手に入れる」と前向き(ポジティブ)に表現した方が刺さる。※ただし、セキュリティや保険などの商材では、逆に「これを導入しないと〇〇万円の損害が出ます」とネガティブなフレームで脅威を見せた方が行動を促せる(損失回避の法則)ため、A/B テストで使い分ける工夫が効く。
やってはいけない「現場の落とし穴」とリーガルリスク
- 誇大広告による景表法違反:フレーミングを追求するあまり、都合の良い事実だけを過剰に繋ぎ合わせて「誇大表現(優良誤認など)」に走ってしまい、景品表示法違反で行政指導を受ける。
- 魔法の言葉「個人差があります」の限界:誇大なコピーを書きつつ、画面の隅に「※結果には個人差があります」と注釈(打消し表示)を入れておけばセーフだろうと考える罠。現代の消費者庁の監視や媒体の広告審査において、このようなユーザーを欺く免責表記では絶対に逃げ切れない場合が多いと肝に銘じること。
言葉をよく利用する人
- マーケター
- ライター / コピーライター
- Web 担当者(発注側)
- デザイナー
会話上での使用例
LPのコピーの方向性をライターと検討している場面
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ライター
コピーの軸がなかなか定まらなくて、悩んでいるんです。
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Web担当者(発注側)
フレーミング効果を意識してみましょう。同じことでも見せ方で印象が変わるので、たとえば「失敗を防ぐ」より「成功を手に入れる」と前向きに言ったほうが刺さりやすいです。ただし事実は歪めず、有益な側面を強調する範囲で。
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ライター
なるほど、表現を変えるだけで受け取られ方が違うんですね。
価格の見せ方をマーケターと相談している場面
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マーケター
1万円という金額を、できるだけ高く感じさせたくないんですよね。
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Web担当者(発注側)
フレーミング効果で「月額換算833円」のように分解して見せると、ぐっと負担感が下がります。事実は変えずに伝え方を工夫するだけなので。誇張に振れて景表法に触れないところだけ気をつけましょう。