用語集A〜Z

PESO メディア

よみ: ぺそめでぃあ

概要と歴史的背景

以下の 4 つのメディアの頭文字をとった分類モデル。米国の PR 戦略家ジーニ・ディートリッヒが 2014 年に提唱し、従来の「POEM(Paid / Owned / Earned)モデル」に「Shared」を加え、SNS 時代に対応させたもの。

自社のメディア構成やマーケティング投資の全体像を俯瞰するための強力な基礎フレームワークである。

4 メディアの定義と役割

  • Paid(有料広告):Web 広告やスポンサー記事(ペイドメディア)。即効性・コントロール性が高いが、費用対効果が悪化しやすく、課金をやめると流入が止まる。
  • Earned(獲得した報道・評価)PR TIMES 等を経由した業界メディアの取材、インフルエンサーの紹介など。第三者による客観的な「信頼・権威性」を獲得できる。
  • Shared(SNS 共有・コミュニティ):X や Instagram 等でのユーザーによる拡散や対話。共感を生み、情報の広がり(バズ)を作る。
  • Owned(自社所有メディア):自社サイト、ブログ、ホワイトペーパーなど。資産として蓄積され、全ての施策の「受け皿」となるが、育つまで時間がかかる。

現場で目指すべき「黄金の循環ルート」

PESO の最大のポイントは「バランスと相互補完」である。Paid だけ、Owned だけでは長期的に持続しない。

実務では、【① Owned で質の高い独自コンテンツを作る】→【② Shared(SNS)で発信して初速のトラフィックを稼ぐ】→【③ それを見たメディアが Earned(第三者評価・被リンク)として取り上げる】→【④ その権威づけされたコンテンツを Paid(広告)で一気にターゲット層へ増幅・配信する】という循環設計を作るのが理想形である。

※この貢献度を GA4 や各ツールで可視化し、4 軸で月次にレビューして偏りがあれば予算とリソースを再配分する習慣をつけると事業が安定する。

やってはいけない「現場の落とし穴」と防衛策

  • 「Paid(広告)依存」の罠:担当者が最も陥りやすいのが、短期的な CV(コンバージョン)数字がすぐに出る「Paid」にばかり予算を偏重投資してしまうこと。経営層もこれに引っ張られ、時間のかかる「Owned」の更新予算を削りがちだが、これをやると中長期的な顧客育成ができず、最終的に広告の CPA 高騰とともに事業が立ち枯れる。
  • 単一メディアの孤立化:せっかく Owned で良い記事を書いたのに Shared で告知しない、Earned でメディアに取り上げられたのに Paid でブーストしないなど、連携させず「点」のまま終わらせて全体の循環(掛け算)を逃してしまう。

言葉をよく利用する人

  • マーケター
  • Web 担当者(発注側)
  • 広告運用者
  • 広報
  • プロデューサー

会話上での使用例

メディア戦略の年次レビューをマーケターと行う場面

  • マーケター
    今期の振り返りをすると、やっぱり広告偏重が気になります。
  • Web担当者
    そうですね。PESO メディアの4つの軸で、各チャネルがどれだけ成果に貢献したかを一度可視化しましょう。そのうえで、偏りを直す形で来期の予算を組み直します。
  • マーケター
    貢献度が見えると経営にも説明しやすいです。お願いします。

各メディアがバラバラに動いている状況をプロデューサーと相談する場面

  • プロデューサー
    広告チームもSNSチームも、それぞれ独立して動いちゃってる感じがするんだよね。
  • Web担当者
    連動の設計が抜けているんだと思います。PESO メディアで考えると、自社コンテンツをSNSで広げて、そこから第三者の評価や報道を獲得して、最後に広告で増幅する、という循環図を一枚作るとチーム間でも共有しやすくなります。
  • プロデューサー
    循環で見せてくれると動かしやすい。その図、作ってもらえる。

関連 Lesson(本書本文)

Lesson 7-6 チャネル横断の比重設計