キーワードリサーチ — ツールで網羅、人で精査、3 軸スコアで決める
この記事でわかること
Lesson 6-1 で SEO の本質を整理しました。 実務に入る最初のステップが、キーワードリサーチです。 どのキーワードで戦うかが決まれば、コンテンツ設計の方向性も決まります。 本書はツール起点と一次情報起点の並走を推奨します。
1. 出発点はツールで網羅、そして人で精査
1-1. データ起点:ツールで網羅的に候補を集める
まずはツールでキーワード候補を網羅的に集めます。 思いつきだけだと、ターゲットが使う言葉を漏らすからです。
1-2. 網羅性が大事
ある程度の数を集めてから絞り込むほうが、見落としが少なくなります。 最初から絞り込もうとせず、まずは広く集めるところから始めましょう。
1-3. 集めた後は「人」で精査
ツール任せにせず、担当者の頭で「これは自社に合う」「これは違う」を判断していきます。
1-4. ツール起点だからこそ、後工程の精査が肝心
データを集める段階と、判断する段階を分けるのが、効率的な進め方です。
2. キーワード収集の具体ツールと使い方
2-1. 無料ツール
- Google サジェスト(検索窓に表示される候補)
- ラッコキーワード(関連語の網羅取得)
- Google Search Console(自社の実流入キーワード)
2-2. 有料ツール
- ahrefs(競合分析・被リンク)
- SEMrush(競合キーワード)
- Ubersuggest(中規模に手頃)
2-3. 使い分け
無料で広く集めて、必要に応じて有料で深く分析する、という使い分けが現実的です。
2-4. 担当者は無料ツールから始めて十分
予算を組まずに始められるので、まずは無料ツールから着手すれば十分です。 必要が見えてきてから有料を検討しましょう。
3. ツールと並走で「一次情報」からもキーワードを集める
ツール網羅だけだと、顧客が実際に使う言葉や、自社しか知らない課題 が漏れます。営業・問い合わせ・既存顧客・カスタマーサポートの言葉は、ツールに出ていない 金鉱 です。ツール起点と並走して一次情報起点でも集めましょう。
3-1. 一次情報からキーワードを集める 5 つの源泉
- 営業現場の言葉(初回商談で出る質問・反論、成約決め手の会話、失注理由)
- 問い合わせフォーム・電話のログ(よくある質問、新規・既存の問い合わせ内容)
- 既存顧客の声(導入の決め手、利用前の不安、利用後に「これが助かった」)
- カスタマーサポート・クレーム(つまずきポイント、要望、誤解されやすい言葉)
- 社内会議・現場の議題(製品開発で議論される顧客像、社内で話題になる課題)
3-2. 担当者の動き方
- 営業マネージャに月 1 回 30 分のヒアリング(「最近お客さんに聞かれたこと」)
- 問い合わせフォームのログを月 1 回ざっと眺める
- カスタマーサポート部の週次 MTG に時々参加
- 既存顧客インタビュー(Lesson 5-5 事例取材と兼ねる)
3-3. 一次情報からキーワードを生成する 3 ステップ
- 生の発言を集める(録音許可があれば録音、テキスト化)
- 「キーワードとして検索されそうな言葉」を抽出(ツールでサジェスト・ボリュームを再確認)
- ツール起点のリストに合流させて 3 軸スコア(H2-5)で判断
3-4. 中小企業の最大の武器
大手は組織が大きく一次情報の流れが鈍くなります。 中小企業は営業・顧客と距離が近いことが SEO の独自情報源。 これを使わない手はありません。
3-5. Lesson 連動
- Lesson 1-2 独自情報(本書の核)
- Lesson 5-1 橋渡し役(担当者は自社情報を引き出す)
- Lesson 5-5 事例取材(具体変化の引き出し)
- Lesson 6-1 自社が答えるべき情報を精査(競合視点の精査)
テンプレ DL:一次情報からのキーワード収集シート(営業・問い合わせ・既存顧客)(本書のテンプレ集に収録予定)
4. 担当者がやらかしがちな 2 つのこと
4-1. ビッグキーワードを狙いすぎ
4-2. 自社でアンサーを出せないキーワードを狙う
本書の独自視点です。 検索ボリュームがあっても、自社が答えられないなら無意味です。 「狙えるか」と「答えられるか」は別問題です。 自社の独自情報・体験で答えられるキーワードに絞っていきましょう(Lesson 1-2 / Lesson 6-1 と連動)。
4-3. その他のあるある
- 自社の言葉(社内用語)で検索する(顧客は別の言葉を使う)
- ツール任せで自分の頭で考えない
5. 最終判断は 3 軸スコアを最優先に
5-1. 3 軸スコア(最優先)
- 検索ボリューム(月間検索数)
- 競合度(上位サイトの強さ・ドメインパワー)
- 自社の独自性(自社が答えられる度合い)
5-2. 3 軸を 5 段階評価でスコア化、合計で判断
どれか 1 軸だけで決めてしまわず、3 軸の合計で総合的に判断しましょう。
5-3. 次に重要:「検索意図」と「自社が答えられること」のマッチング
- 3 軸スコアで上位に出たキーワードを、意図 × 回答の一致で再確認
- 検索意図を読み取る(検索行動 4 タイプ)
- 自社が本当に答えられるか(独自情報・体験の有無)
5-4. 最後に:1 ページ 1 キーワードで割り当て
- 1 ページに複数キーワードを欲張ると焦点ボケ
- 1 ページ 1 メインキーワード + 関連キーワード数個
5-5. 判断フロー
候補リスト → 3 軸スコア → 意図 × 回答精査 → ページ単位で割り当て、の順で進めます。
テンプレ DL:キーワード 3 軸スコアシート(本書のテンプレ集に収録予定)
6. 検索意図の読み解き方
6-1. 検索行動の 4 タイプ(Lesson 6-1 連動)
- 情報収集型(「○○とは」「○○ 方法」)
- 比較型(「○○ vs △△」「○○ おすすめ」)
- 購入型(「○○ 申し込み」「○○ 価格」)
- ナビゲーション型(会社名・サービス名)
6-2. キーワードに含まれる動詞・名詞から意図を読む
「比較」「とは」「おすすめ」「料金」「申込」 — このような言葉から、検索者の動機を推測します。
6-3. 同じキーワードでも意図は分かれる
例:「Web 制作」は情報収集と業者選定の両方の意図を持ちます。 複数の意図が混在するキーワードは、どちらに振るかを決める必要があります。
6-4. 検索結果上位を見て、Google が判定した意図を確認
Google の判定が実態です。 上位表示されているページの傾向から、Google がどう意図を解釈しているかが読めます。
7. ロングテールキーワードの戦略
- ロングテール = 複合キーワード(3〜4 語以上)
- ボリュームは小さいが、競合も少ない・意図が明確
- 中小企業はロングテールで勝負するのが現実解
- ロングテールを束ねると、結果的に大きな流入になる
- 例:「Web 制作」(大) vs 「Web 制作 京都 中小企業 採用」(ロングテール)
8. キーワードをページに割り当てる
9. キーワードリサーチを継続する
- 1 回で終わらない(SEO は植えて育てる、Lesson 5-4 連動)
- 月次で Search Console を見る(新しい流入キーワードが見える)
- 季節変動・トレンド変動を捉える
- 半年に 1 回はキーワードマップを見直し
キーワードリサーチは、一度で完璧に決めきるものではありません。 まずはツールで広く集めて、担当者の頭で精査する。 その流れに、営業や顧客の生の言葉という一次情報を少しずつ重ねていけば、自社ならではのキーワードが自然と見えてきます。 最初から 3 軸スコアを完璧に付けようと気負わず、小さく試しながら育てていけば大丈夫です。 自社が本当に答えられる言葉を選べたとき、SEO は確かな手応えに変わっていきます。