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第6章 Lesson 2 / 読了 約13分

キーワードリサーチ — ツールで網羅、人で精査、3 軸スコアで決める

この記事でわかること

  • キーワードリサーチの基本フロー(ツールで網羅 → 担当者の頭で精査
  • ツールと並走で集める 一次情報(営業・問い合わせ・既存顧客の言葉) という中小企業の武器
  • キーワード選定で陥りがちな 2 つの落とし穴
  • 最終判断の優先順位(3 軸スコア → 意図と回答のマッチング → 1 ページ 1 キーワード
  • 検索ボリュームがあっても自社が答えられなければ無意味なのはなぜか

第6章 Lesson 1SEO の本質を整理しました。 実務に入る最初のステップが、キーワードリサーチです。 どのキーワードで戦うかが決まれば、コンテンツ設計の方向性も決まります。 本書はツール起点と一次情報起点の並走を推奨します。

1. 出発点はツールで網羅、そして人で精査

まず候補を広く集める

最初はツールで、キーワード候補を広く網羅的に集めます。 思いつきだけだと、ターゲットが実際に使う言葉を取りこぼすからです。 この段階では絞り込まず、まずは数を集めることに集中します(初回は 50 個くらいを目安に)。

担当者が「残す・捨てる」を決める

集め終えたら、ツール任せにせず、担当者の頭で残す・捨てるを判断します。 物差しは、「顧客が実際に使う言葉か」「自社が答えられるか」「問い合わせにつながるか」 の 3 つ。 集める日と選ぶ日を分けるだけで、漏れも判断ミスも減ります。

2. キーワード収集の具体ツールと使い方

無料ツール

有料ツール

  • ahrefs(競合分析・被リンク)
  • SEMrush(競合キーワード)
  • Ubersuggest(中規模に手頃)

使い分け

無料で広く集めて、必要に応じて有料で深く分析する、という使い分けが現実的です。

担当者は無料ツールから始めて十分

予算を組まずに始められるので、まずは無料ツールから着手すれば十分です。 順番としては、①Google サジェストで関連語を眺める → ②ラッコキーワードで一気に洗い出す → ③Search Console で「すでに自社に来ている言葉」を確認、の 3 手が入りやすいです。 必要が見えてきてから、有料ツールを検討しましょう。

3. ツールと並走で「一次情報」からもキーワードを集める

ツール網羅だけだと、顧客が実際に使う言葉や、自社しか知らない課題 が漏れます。営業・問い合わせ・既存顧客・カスタマーサポートの言葉は、ツールに出ていない 金鉱 です。ツール起点と並走して一次情報起点でも集めましょう。

一次情報からキーワードを集める 5 つの源泉

  • 営業現場の言葉(初回商談で出る質問・反論、成約決め手の会話、失注理由)
  • 問い合わせフォーム・電話のログ(よくある質問、新規・既存の問い合わせ内容)
  • 既存顧客の声(導入の決め手、利用前の不安、利用後に「これが助かった」)
  • カスタマーサポート・クレーム(つまずきポイント、要望、誤解されやすい言葉)
  • 社内会議・現場の議題(製品開発で議論される顧客像、社内で話題になる課題)

担当者の動き方

  • 営業マネージャに月 1 回 30 分のヒアリング(「最近お客さんに聞かれたこと」)
  • 問い合わせフォームのログを月 1 回ざっと眺める
  • カスタマーサポート部の週次 MTG に時々参加
  • 既存顧客インタビュー(第5章 Lesson 5 事例取材と兼ねる)

一次情報からキーワードを生成する 3 ステップ

  • 生の発言を集める(録音許可があれば録音、テキスト化)
  • 「キーワードとして検索されそうな言葉」を抽出(ツールでサジェスト・ボリュームを再確認)
  • ツール起点のリストに合流させ、後述の 3 軸スコアで判断する

中小企業の最大の武器

大手は組織が大きく一次情報の流れが鈍くなります。 中小企業は営業・顧客と距離が近いことが SEO の独自情報源。 これを使わない手はありません。

本書でおなじみの「橋渡し」の動き

お気付きかもしれませんが、この動き方は 第5章 Lesson 1 の「自社情報の橋渡し役」や、第5章 Lesson 5 の事例取材とまったく同じです。 社内にしかない生の情報を集めて、Web に流し込む。 本書で繰り返し出てくる担当者の核となる仕事を、キーワードリサーチでも行うだけです。

4. 担当者が陥りがちな選定ミス

ビッグキーワードを狙いすぎ

  • 「Web 制作」のようなビッグキーワード(検索数が多く、意味の範囲が広い言葉)は大手しか取れない
  • 検索ボリュームに惹かれて、勝てない土俵に上がってしまう
  • 中小企業は、まずロングテール(複数語で意図が絞られたキーワード)から狙うのが現実的

自社でアンサーを出せないキーワードを狙う

本書の独自視点です。 検索ボリュームがあっても、自社が答えられないなら無意味です。 「狙えるか」と「答えられるか」は別問題です。 第6章 Lesson 1 の「自社が答えるべき情報の精査」と同じ判断で、独自情報・体験で答えられるキーワードに絞っていきましょう。

その他のあるある

  • 自社の言葉(社内用語)で検索する(顧客は別の言葉を使う)
  • ツール任せで自分の頭で考えない

5. 最終判断は 3 軸スコアを最優先に

3 軸スコア(最優先)

  • 検索ボリューム(月間の検索数。多いほど高得点)
  • 競合の弱さ(勝ちやすさ)(上位サイトが強いほど低得点。ドメインパワー〈サイト全体の信頼度・強さの目安〉が高い大手ばかりの枠は勝ちにくい)
  • 自社の独自性(自社が答えられる度合い。高いほど高得点)

3 軸を 5 段階で採点し、合計で判断

各軸を 1〜5 点で採点し、合計で見ます。 迷いやすい「競合」は 「強いほど低得点」 に統一すると判断がぶれません。 たとえば上位が大手ばかりなら 1 点、地域企業や専門ブログも混じっていれば 4〜5 点、という具合です。 どれか 1 軸だけで決めないのがコツです。

次に:検索意図と「自社が答えられること」を確認

3 軸スコアで上位に出たキーワードは、検索意図と自社の回答が一致するか を確かめます。 ボリュームがあっても、意図に答えられなければ選びません(検索意図の読み方は 第 6 節)。

最後に:1 ページ 1 キーワードで割り当て

選んだキーワードは、1 ページ 1 メインキーワードで割り当てます。 1 ページに欲張ると焦点がぼやけます(割り当ての詳細は 第 8 節)。

判断フロー

候補リスト → 3 軸スコア → 意図 × 回答精査 → ページ単位で割り当て、の順で進めます。

6. 検索意図の読み解き方

検索行動の 4 タイプ(おさらい)

  • 情報収集型(「○○とは」「○○ 方法」)
  • 比較型(「○○ vs △△」「○○ おすすめ」)
  • 購入型(「○○ 申し込み」「○○ 価格」)
  • ナビゲーション型(会社名・サービス名)

キーワードに含まれる動詞・名詞から意図を読む

「比較」「とは」「おすすめ」「料金」「申込」 — このような言葉から、検索者の動機を推測します。

同じキーワードでも意図は分かれる

例:「Web 制作」は情報収集と業者選定の両方の意図を持ちます。 複数の意図が混在するキーワードは、どちらに振るかを決める必要があります。

検索結果上位を見て、Google が判定した意図を確認

検索結果は、Google がそのキーワードでどんなページを評価しているかを見る手がかりです。 上位表示されているページの傾向から、Google がどう意図を解釈しているかが読めます。

7. ロングテールキーワードの戦略

ロングテールは、ただ語数が多いだけでなく、地域名・用途・悩み・業種などを掛け合わせて作る のがコツです。

  • ロングテール = 複合キーワード(3〜4 語以上)
  • ボリュームは小さいが、競合も少なく・意図が明確
  • 中小企業はロングテールで勝負するのが現実的
  • ロングテールを束ねると、結果的に大きな流入になる
  • 作り方の例:「Web 制作」(大) に 地域(京都)+ 対象(中小企業)+ 用途(採用) を掛けて「Web 制作 京都 中小企業 採用」

8. キーワードをページに割り当てる

集めたキーワードは、どのページで狙うかを 1 枚の表(キーワードマップ)に落とし込みます。

  • 1 ページ 1 メインキーワード
  • 関連キーワード見出し・本文に自然に
  • キーワードマップ(ページ × キーワードのマトリクス) を作る
  • 既存ページのキーワード重複(カニバリ)を確認

たとえば「採用サイト 制作 京都」(比較・検討の意図)は「採用サイト制作サービスページ」に割り当てる、というように キーワード → 意図 → 担当ページ をセットで決めていきます。

9. キーワードリサーチを継続する

キーワードは一度決めて終わりではなく、流入の変化を見ながら育てていきます。

  • 1 回で終わらせない(SEO は「植えて育てる」ものです)
  • 月次で Search Console を見る(新しい流入キーワードが見える)
  • 季節変動・トレンド変動を捉える
  • 半年に 1 回はキーワードマップを見直し

キーワードリサーチは、一度で完璧に決めきるものではありません。 まずはツールで広く集めて、担当者の頭で精査する。 その流れに、営業や顧客の生の言葉という一次情報を少しずつ重ねていけば、自社ならではのキーワードが自然と見えてきます。 最初から 3 軸スコアを完璧に付けようと気負わず、小さく試しながら育てていけば大丈夫です。 自社が本当に答えられる言葉を選べたとき、SEO は確かな手応えに変わっていきます。